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高度通信・放送研究開発委託研究

研究評価 > 平成27年度 終了評価(後半実施分)

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課題番号 課題名 研究期間 受託者
◎代表研究者
主な評価コメント 評価
結果
143ア 革新的な三次元映像技術による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発
課題ア 革新的三次元映像表示のためのデバイス技術
H21
|
H27
◎NHK
狭画素ピッチ 1μm の空間光変調器の開発という観点からは、低電流動作の実現、空間光変調機能の確認、高分解能磁気光学顕微鏡の開発等、難しい課題に取り組んでおり、未達成の部分もあるものの見通しは立っており、ほぼ当初目標に迫る成果を得ていると評価できる。「世界初」、「世界最高性能」を掲げる、極めて新規性、独自性の高い成果である。完全な実用化から見た場合は、さらにいくつもの課題を克服する必要があると思われるものの、本研究の成果はそれに向けた重要な一歩と評価される。実証実験で用いられていた「イ」の文字は、テレビジョン開発の黎明期を思わせ、電子ホログラムの現状をテレビジョン開発の当時になぞらえることができるように思える。今後の画質や解像度、多階調化、またカラー化等の、更なる進展が期待される。また、空間光変調器を、光学デバイスの一つととらえると、有望な応用可能性があり、表示装置にこだわるのではなく、可能な他応用も開拓すべきと考えられる。デバイスの開発、評価技術の開発で当初目標に迫る優れた成果を得ていることから、Aと評価できる。
A
長岡技術科学大学
143エ2 革新的な三次元映像技術による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発
課題エ 感性情報認知・伝達技術
H21
|
H27
◎NHK
主に音響情報を対象にして、超臨場感音響システムの客観的評価手法の確立を目指し、聴覚的な超臨場感メータ及び感動メータの開発を行った。研究の実施にあたり、研究内容を 6 つの課題に分け、4 機関の受託者が連携しながら、超臨場感の要因の調査、印象語リストの作成といった基礎的な内容から、聴覚刺激等による臨場感、感動の推定モデルの作成、それらを踏まえての超臨場感メータや感動メータの開発と順を追って着実に研究が進められたことは評価できる。これによりAと評価する。
なお、超臨場感、感動の視覚化(メータ化)に際し、現段階のバー2 本とひし形表示で表されるパラメータ(軸)だけで十分なのかが気にかかる。軸を増やすべきか、軸自体の他の選び方の可能性はないのか、更に検討を深めて頂きたい。また、音響情報の取得にダミーヘッドを使っているが、これではユーザが様々な場所で簡便に超臨場感、感動をメータとして客観的に見るということはできない。実用化を考えた場合、どのような場面でどのように使えるのか、利用の際のコストや煩わしさはどうなのか、「感動メータ」というネーミングが果たして適切か、などに対する十分な検討、実践化が必要である。更には、コンテンツの意味内容との関連性についても、今後検討を行って頂くことを期待する。
また、本研究では心理学的な評価技術にフォーカスして研究が実施されたが、生理学的な評価技術の研究開発も重要であり、今後の課題として残されている。
A
大阪学院大学
山梨大学
東北大学
143オ2 革新的な三次元映像技術による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発
課題オ 超臨場感コミュニケーションシステム
H21
|
H27
◎沖電気工業
臨場感を持たせた具体的なテレワークシステムの構築、要素技術の開発、実証実験の実施という点では、テレワ ークシステムで必要、有用となる複数の要素に対し、各受託者が分担しながら精力的に研究開発を行ってきたと評価できる。イメージビデオの作成、それの実現に向けた要素技術の開発、統合に向けての取組み(統合は必ずしも完全にできているとは言えないが)と、研究開発が計画的に進められている。また、実証実験を長い期間行っていることも、実際に役立つ、使い勝手の良いシステムの開発に向けた取組みとして評価できる。
なお、「革新的な三次元映像技術による」という部分については弱い。この点は、大規模裸眼三次元ディスプレイ自体の問題もある(必ずしも実利用で役に立つデバイスになっていない)。但し、この部分の弱みが、新しいテレワークシステムの有用性を損ねる訳ではないことに留意が必要である。
これまでの開発成果は、個別或いは幾つかの要素技術の組合せ、全体の統合、いずれの形態においても今後の実用化が期待される。コストと機能の兼ね合いを考慮した上で、テレワーク及び関連用途における様々な応用に柔軟に適応できる技術として育てていってほしい。今後、研究成果(及びその発展内容)が社会へ還元されていくことを期待する。以上を総合して、Aと評価する。
A
NEC
シャープ
京都大学
東京農工大学
立正大学
143カ1 革新的な三次元映像技術による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発
課題カ-1 三次元映像 End-to-End 通信・放送システム(リアルタイムシステム)
H24
|
H27
◎KDDI研究所
伝送については、国際標準に準じた方式の実装という点で評価できる。しかしながら、4k 裸眼立体表示システムについてはレンチキュラーシートの損傷によりデモができない状態であり、十分に成果が示されていない。3視点カメラシステム、3視点画像からの多視点画像推定については、左右の最大視差が 52cm と限られており、また、立体表示システムでの推定した2視点画像からの立体表示デモについても、十分な立体感が得られず成果としては限定的であった。これらに代わり、当初計画にはなかったフリーナビゲーションについて検討を行っているが、画像品質的にはまだ十分ではなく、原理的な可能性の提示の段階という印象である。
当初計画においては裸眼立体表示システムの開発を目的としていたが、研究期間における技術的・社会的なニーズの変化に伴い、その方向性をフリーナビゲーションにシフトさせている。前者については、数値目標はクリアしているものの、実際の End-to-End システム開発という観点からは物足りなさが残る。それを補うべく後者の開発に注力した経緯については理解すべき背景もあり、また当該システムの先駆性や将来性については評価すべきであると考えられる。以上を考慮し、総合評価はAとする。
A
143カ2 革新的な三次元映像技術による超臨場感コミュニケーション技術の研究開発
課題カ-2 三次元映像 End-to-End 通信・放送システム(ユーザ指定自由視点映像システム)
H24
|
H27
◎中京テレビ
ユーザ指定自由視点映像提示を End-to-End で行うことは、一般ユーザにも受入れられるような品質が実現できれば、テレビ視聴の選択肢を広げるという意味で興味深く、スポーツ中継やライブコンサートの中継などへの利用が期待される魅力的な研究開発である。このテーマに産学のチームが力を合わせて取り組み、ユーザ指定自由視点映像提示の原理的な可能性を、デモも含めて具体的に示したことは大変意義があり、高く評価できる。開発環境の変化に適応するための各受託者の努力のあとも十分に認められる。一方で、本テーマの難しさを再認識したところでもあり、3次元映像提示としての実利用という観点からは、必ずしも十分ではなく多くの課題が今後に残されており、総合的な評価としてはAとする。今後の研究開発により、実用的な技術へと発展させていくことを期待する。
A
シャープ
慶應義塾大学
福井大学
名古屋大学
151アイ 高機能光電子融合型パケットルータ基盤技術の研究開発
課題アイ 低消費電力・低遅延高機能光電子融合型パケットルータに必要な基盤技術の研究開発 および 低消費電力・低遅延高機能光電子融合型パケットルータの応用技術の研究開発
H23
|
H27
◎NTT
本プロジェクトで開発された超低消費電力かつ低遅延な光電子融合型パケットルータは、日本の得意とする半導体光集積デバイス技術をベースとしたものであり、同時にバッファとして現実的な解である CMOS を用いた独自技術である。さらにネットワークアーキテクチャや経路・転送制御技術にも新たな発想が導入され、プリプロトタイプが開発され、実際に動作実証まで至った点で大きな評価に値するものであり、費用対効果は問題ない。今後は動態実験や現場実証実験、そして通信機器企業をも巻き込んだオールジャパン体制も想定して、より技術向上、コスト削減、技術普及を進め、日本発のデファクト技術として実用化に向けて引き続き検討される事を期待する。
尚、本課題では、課題ア、イのこの研究グループに加えて、課題イの別研究グループがあり、一定の連携を図ることとしていたが、限定された連携にとどまった模様である。今後同様な一つの課題に複数の受託者を選定する際は、連携を前提とするか独立に実施するかの前提条件を明確にしておく必要があると考えられる。
S
大阪大学
九州大学
NEC
151イ 高機能光電子融合型パケットルータ基盤技術の研究開
課題イ 低消費電力・低遅延高機能光電子融合型パケットルータの応用技術の研究開発
H23
|
H27
◎構造計画研究所
将来の低消費電力大容量ルータと期待される光電子融合型パケットルータに適合した低遅延保証、耐災害性に優れたアーキテクチャの開発の点では、光電子ルータ開発を担当する課題 151 アとの同時並行で進める難しい連携の中での最大限の努力が伺われ、目標を達成する一定の成果を創出させた点は評価に値する。他方、社会還元の意味では、論文や特許申請が、大学側受託者に集中して、企業側からが少ない点が懸念点であるが、その点はむしろ事業化を通して、低消費電力、特に耐災害ネットワーク構築に向けて今後社会還元を期待する。
A
東京電機大学
152 低消費電力高速光スイッチング技術の研究開発 H23
|
H27
◎住友大阪セメント
本研究はニッチながらも戦略性に優れたテーマと考えられ、それに関して波及効果の大きな一定の優れた成果を、理想的な研究組織により上げたことが大いに評価できる。完成度の点では未だ改良の余地はあるが、サンプルを開発パートナーとなり得る機関に供給して、デバイスの広い適用性についても評価していくことにより、その有意性が高まるものと考えられ、新たな概念の装置やシステムへの創出が期待される。
具体的には、ポリマーにはニッチな部分で極めて戦略性の高い製品を供給する可能性があり、その点、本委託研究によって独自な材料開発、デバイス開発が達成されたことは、社会的にも大きなインパクトがあると考える。又、この成果は研究発表や論文により広く公知されており、国民的利益に還元されている。この技術をどの分野のどの製品に導入していくかはユーザが広く提案することになると考えられ、その際の産業的波及効果も期待される。
S
日産化学工業
九州大学
156 知識・言語グリッドに基づくアジア医療交流支援システムの研究開発 H23
|
H27
◎NEC
音声翻訳技術や医療分野の言語資源の蓄積等で高い水準の研究成果が認められる。一方、コミュニケーション不全検出技術、実証実験等の面では、それとの比較で成果はやや限定的である。今後、本プロジェクトで得られた研究成果をより積極的に発信すると共に、言語資源等を有効に活用することが期待される。また、実証実験に関しては、医療現場の状況、ニーズを広く調査した上で、本システムの特性を考慮した用途、導入現場等の絞込みが必要と思われる。医療現場だけでなく、医療教育、ボランティア養成等の医療周辺領域での活用の可能性検討も望まれる。さらに、日英中以外の他の言語への展開も期待される。
A
奈良先端科学技術大学院大学
157ア01 セキュアフォトニックネットワーク技術の研究開発
課題ア 量子鍵配送ネットワーク制御技術
~量子鍵配送システムの実環境での信頼性向上とアプリケーションの拡張~
H23
|
H27
◎三菱電機
現在の種々の暗号方式についてその危殆化が危惧される中、量子暗号は情報理論的に安全な方式で、十二分に長い期間に亘って安全性が保証できる得がたい暗号方式である。それをモバイル端末にまで展開する方式を開発・異企業間連携システム上で実証することにより、モバイル端末での安全性の実現を可能としており、幅広いユーザに恩恵をもたらしうることを示している。ソフトウェアによる秘密増強方式も応用の幅を広げている。研究開始時期より適時研究注力対象を委託側と真摯に検討することにより、ここまでの成果を上げることに成功している。
A
157ア02 セキュアフォトニックネットワーク技術の研究開発
課題ア 量子鍵配送ネットワーク制御技術
~次世代量子コアネットワーク及び量子アクセスネットワークの開発~
H23
|
H27
◎東芝
量子暗号は近年のQCRYPTというヨーロッパ発の国際会議に代表されるように、ヨーロッパ発で研究推進・開発普及の活動が広がり、日本としてそれに伍していく研究レベルと、装置・システム開発そして標準化・普及活動を行うことが肝要となっている。本課題ア-2は、研究と標準化の両面で受託者の世界ネットワークを介してこの喫緊の課題に取り組み、世界トップレベルの成果をあげている。日本におけるゲノム情報を用いたフィールド実験、そして2015年日本開催のQCRPYTに先がけたUQC会議でもそのレベルの高さを世界に発信しており、「研究成果と費用対効果」、「達成状況及び波及効果」の観点から総合すると、素晴らしい成果があがったといえる。
S
157ア03 セキュアフォトニックネットワーク技術の研究開発
課題ア 量子鍵配送ネットワーク制御技術
~安全な通信網の構築に向けた量子鍵配送技術~
H23
|
H27
◎NEC
量子暗号は、理論により保証した安全性を達成した実量子暗号システムを開発し、それが費用対効果・安定運用・実装攻撃への耐性など諸観点から評価されて初めて実用に供すことができるものである。本課題では、それら全ての要件を理論から実機まで高次に満たすものを具体的に提示し、長期安定を確保した量子鍵配送システムの実現と、費用対効果の妥当性という観点からも優れた成果である。当初目標を超えた達成がなされている面もあり、まさしく実用化の可能性を感じさせる装置の実現の面とともに、非常に優れていると評価できる。
S
157イ セキュアフォトニックネットワーク技術の研究開発
課題イ 量子暗号安全性評価理論
H23
|
H27
◎NTT
量子情報処理の中で最も近い将来に社会にインパクトを与えうる量子暗号の最先端を担う理論研究者のチームで、個々の研究成果はもちろんのこと、課題全体で連携して量子暗号装置そしてフィールド実験までを実現することに貢献し、期待を超える成果をあげている。実用的システム開発との連携から触発された重要理論課題の解決や、理論的成果を実用的システム内で実装するなど、本研究開発の実施体制の狙いに沿った成果も十分にあがっている。量子暗号システムの標準化に向け、一般的な技術者に理解できるようにまとめた技術報告書は、今後の普及にむけた重要な成果であるとともに、世界での標準化に伍していくことを可能とする貴重なものである。
S
三菱電機
北海道大学
名古屋大学
東京工業大学
157ウ セキュアフォトニックネットワーク技術の研究開発
課題ウ 連続量量子鍵配送技術とその応用
H23
|
H27
◎学習院大学
理論的安全性が本課題内の理論チームによっても精緻に確立されてきた方式を直接実用化する課題アに対して、連続量を軸とする本課題ウは、相対的にはセキュリティの基準が弱いものの長距離かつ高速な通信を物理層で実現する光秘匿通信技術と、その方式と親和性の高い連続量量子鍵配送システムを開発するという、補完するシステム実現を提示している。量子通信の多様な面を鍵配送で具現化して、多面的な量子暗号システムを提示することに成功している。まさしく、高速性と光通信との親和性等を対立軸として示す量子暗号の実用化への道を開拓するものであり、非常に秀でた成果をあげている。
S
東北大学
157エ セキュアフォトニックネットワーク技術の研究開発
課題エ セキュアフォトニックネットワークアーキテクチャ
H23
|
H27
◎NEC
異機種システムも接続する量子鍵配送ネットワークでの鍵管理システム、そしてそのためのソフトウェア調査の成果もまとめ、Tokyo QKD Networkで実証試験し、加えてユーザ調査からの盗聴検出機能実現など新規項目でも目標を達成した。
量子暗号の実用化に向け、本課題で示したアーキテクチャは基礎研究と普及の間を着実につなぐ貢献も行っており、それによってプロジェクト全体として大きな社会的インパクトをもたらしており、非常に秀でた成果であると評価できる。
S
北海道大学
158ア 量子もつれ中継技術の研究開発
課題ア 量子もつれ中継システムの設計・評価理論
H23
|
H27
◎国立情報学研究所
設定された目標に対して、極めて限られた研究経費によって、十分でかつ重要な成果が得られており、非常に優れた研究と判断する。
量子中継システムを構築する上でスケーラビリティに富む新しいアーキテクチャの提案、ノード構成理論、評価手法の提案など当初目標を達成した。この成果は今後の量子中継システムの研究開発を先導しうるものであり、波及効果は高い。世界的に影響を与えうる成果であり、今後日本の研究チームによって発展実証していくことを強く望む。そのためにも、成果の共有化と一層の研究支援を期待する。
S
158イ01 量子もつれ中継技術の研究開発
課題イ 遠隔ノード間での量子もつれ純粋化技術
~ハイブリッド量子中継器へ向けた研究開発~
H23
|
H27
◎横浜国立大学
プロジェクト開始時の5年前には、ダイヤモンド中のNV(窒素-空孔複合体)中心を用いた量子通信要素技術の開発は黎明期であったが、本プロジェクトにより、理論グループが提案した一方向量子通信方式を採用し、必要とされる素子等の物理パラメータを明らかにし、素子群の開発を適切に行った。また、途中テーマの有効性を検証し、リソースを活用した。さらに、研究費は有効に利用され費用対効果は高かった。
一方向型1000km以上のスケーラブルで高速な量子通信のための基盤技術の確立を目標とし、ほぼ達成した。具体的にはダイヤモンドNVの縮退スピンシステムを用い、単一光子から単一核スピンへの量子メディア変換に90%以上の忠実度で成功し、決定論的な量子中継に不可欠な量子ゲート、量子メモリ等の複合システム動作の可能性を示した。本研究の示した量子中継ノードの概念は今後の研究に大きな影響を与えるものと考える。今後の研究継続により一層発展させることを強く期待する。
S
大阪大学
NTT
国立情報学研究所
158イ02 量子もつれ中継技術の研究開発
課題イ 遠隔ノード間での量子もつれ純粋化技術
~光パルス制御量子ドットスピンと単一光子に基づく方式~
H23
|
H27
◎国立情報学研究所
当初計画では中間点ベル測定を用いる予定であったが、プロジェクトの途中で中間点光子対源を用いたほうが量子もつれ生成速度が10-100倍上がることを見出し、方針の転換を実行した。さらに、そのための要素技術の開発にも成功した。要素技術開発においては困難な課題に挑戦し、量子ドットスピンの初期化、1ビットゲート、2ビットゲート、シングルショット射影測定、波長変換などを着実に実証した。学術的なレベルの高さはNature、 Nature Physicsなどに論文が発表されたことからもうかがえ、投入した研究経費に十分見合った成果が得られた。
量子もつれ中継技術の将来を展望する上でも、本成果の意味は極めて大きいと考えられる。今後、本研究で理論的に示された技術的提案が実証されていくことを期待する。
S
158ウ 量子もつれ中継技術の研究開発
課題ウ 超伝導技術に基づく多ビット量子もつれ制御と光インターフェース技術
H23
|
H27
◎東京大学
5年前では将来像がみえていなかった状態にもかかわらず、適切な計画と実施体制を整え、その内容を様々な状況に応じて柔軟に改善しながら研究開発を進めてきた。このような基盤技術の研究開発にも委託研究の枠組みが有効に作用し、費用対効果の極めて高い成果が得られたことは今後の委託研究の方向を考える上で重要である。
一部未達の目標もあるが、原因究明を真摯に行い、解決策が見えている。本委託研究によって超伝導量子ビットと他の量子ビットの研究者との交流ができ、さらに進んだ研究基盤の構築ができたことは特筆すべきである。今後、本研究で得られた新概念を発展させ、実用性を高めていくために継続的な研究を強く望む。また、計測技術への応用などの方向への発展も期待したい。
S
NTT
東京医科歯科大学
横浜国立大学
159 高い臨時設営性を持つ有無線両用通信技術の研究開発 H24
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H27
◎KDDI研究所
本研究課題は、技術先進国かつ災害の多い日本が率先して取り組むべきものであるが、多くの研究成果が十分に高い費用対効果で得られた。具体的には、最終目標に掲げる高い臨時設営性を備えた有無線通信技術の伝送、ファイバ無線の自動切換え技術の実現、さらにファイバ伝送を間に介した無線リンクの多段接続の検証にまで至った。特許出願・標準化も含めた成果発表数も多く、世界初の研究成果が複数得られていること、当初目標にはなかった分野への応用も期待できる成果があったことなど、今後の世の中への波及効果も高いと考える。
S
大阪大学
日立
富士通
住友大阪セメント
早稲田大学
トリマティス

総合評価の評価点 S:非常に優れている A:適切である B:やや劣っている C:劣っている