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令和2年度委託研究終了評価結果(概要)
採択
番号
研究開発課題名 研究
期間
(年度)
受託者
(◎印:
代表研究者)
総合コメント 総合評価
18501 高い環境耐性を有するキャリアコンバータ技術の研究開発

副題 5G時代に対応した大容量・低遅延・シームレスな光/ミリ波変換デバイスの開発と実証評価
H28
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R2
◎株式会社デンソー
目標はほぼ達成されており、知的財産や対外発表も十分行っているため、高く評価できる。また、世界初の内容や新しい知見も多く含まれており、十分高い成果を高い費用対効果で達成している。自動運転に代表される、移動体-無線-光ネットワークのシームレスな社会インフラの実現は、今後、ますます重要になっている。本研究成果の優れた部分を、ぜひ今後の発展に活かして頂きたい。
A
国立大学法人東北大学
学校法人早稲田大学
国立大学法人北海道大学
住友大阪セメント株式会社
日本電気株式会社
株式会社メガチップス
18701 脳機能補完による高齢者・障がい者の機能回復支援技術の研究開発

副題 外骨格ロボットと脳機能ニューロフィードバックによる身体および認知・感覚運動機能のICTを活用したリハビリテーションシステムの開発
H28
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R2
◎株式会社国際電気通信基礎技術研究所
各研究ユニットがもつ高い研究能力を活用し、多くの先進的な研究成果をあげた。目標への到達という点では十分とは言えない点もあるが、社会的状況と研究期間を考慮すると適切な達成状況である。リハビリテーション医療をはじめとした各領域での波及効果があると考える。項目間の連携については、健常者を対象とした萌芽的な研究成果が出始めているので、期間終了後も連携関係を維持しながら臨床応用につながる研究開発を進めていただきたい。ロボットリハビリテーションの臨床データ、高齢者の大規模データベースは学術的価値が非常に高いと考えられるので、本研究の波及効果を高めるためにも、公開と同時に研究者コミュニティなどへの周知をお願いしたい。
S
学校法人関西医科大学
学校法人兵庫医科大学
社会医療法人大道会
学校法人慶應義塾
国立大学法人東京大学
学校法人昭和大学
京都府公立大学法人
国立大学法人京都大学
国立大学法人広島大学
18801 空間多重フォトニックノード基盤技術の研究開発

副題 空間多重光通信技術を適用したスケーラブルフォトニックノードの研究
H28
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R2
◎日本電信電話株式会社
Beyond 5G/6Gにおける一層の通信の大容量化を実現すべく、日本が先導性を有する空間多重伝送用MCF技術の実用化を加速する上で複数の委託研究がこれまでに、また現在も進行しており、本プロジェクトはその中核の課題と認識している。MCFの普及は伝送のみならずスイッチングノードの構築が不可欠で有り、さらにシステム展開を可能にする一括光増幅や光コネクタなどの部品も地味でありながら不可欠の開発すべき要素である。本プロジェクトは空間多重フォトニックノード基盤技術の開発を目的として、各課題に対して技術的有意性を有する多くの企業、大学が参画して、それぞれの課題のみならず、課題間の連携や、さらに他の委託研究課題170や課題203とも連携しながら、技術的成果創出に加えて成果発表、特許出願、標準化活動等に対して目標を上回る120%の成果を達成し、将来のBeyond5G/6Gに対応可能な10Pb/s超のスループットへの展開への道を開いたことは、一層の情報化促進、日本の光技術の興隆を鑑みて本プロジェクトの大きな意義を有するところと考えられる。今後は更なる支援の元、MCFやそれをベースにしたフォトニックノード構築により、一気に実用化への展開を期待したい。
S
国立大学法人東海国立大学機構
株式会社KDDI総合研究所
日本電気株式会社
古河電気工業株式会社
学校法人千葉工業大学
19001 Web媒介型攻撃対策技術の実用化に向けた研究開発

副題 Web媒介型攻撃の網羅的な観測・分析に基づくユーザ環境のセキュリティ高度化
H28
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R2
◎株式会社KDDI総合研究所
本研究は、IoTセキュリティ研究のパイオニア的な優れた研究プロジェクトとなったと言える。また、チームメンバーそれぞれが当該分野におけるトップリサーチャーで構成されており、このメンバーでしか達成することができない成果であったとも言える。特に、NICTサイバーセキュリティ研究室によるアニメーションとのコラボレーションなど、幅広く国民に対して周知するための仕組みを研究活動に取り入れ、実証実験の被験者を増やしていくなどの工夫も非常に評価できる点であり、全体的な研究経費からしても十分な費用対効果が見られると言える。研究当初に設定された研究目標においても定量的な視点においても数倍以上の業績が出ているだけでなく、ジャーナル論文、トップカンファレンス等アカデミアのみならず、プレスリリースや報道、受賞報告なども社会にエビデンスとして明確に示すことのできる成果物であり、また当該分野におけるビジネス界にも大きなインパクトを与えており、今後のIoTデバイスが急増する社会において、十分な意識変革をもたらすことにもなりうるだろう。
S
株式会社セキュアブレイン
国立大学法人横浜国立大学
国立大学法人神戸大学
株式会社構造計画研究所
国立大学法人金沢大学
国立大学法人岡山大学
19101 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題 IoTインタネットを支えるプライバシー保護ルーティング・輻輳制御技術
H28
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R2
◎国立大学法人大阪大学
プライバシーを保護する属性ルーティングにおいても実時間クラウドソーシング・アプリケーションにおいても、ほぼ計画通りの十分な研究成果を上げている。この2テーマの机上検討に加え、3つのユースケースに対して、テストベッド、シミュレーション、動作検証による実証実験を行っており、費用対効果の面でも妥当である。
プライバシーを保護する属性ルーティング、輻輳を発生させずに実時間クラウドソーシングを行うための大量データ収集可能なマルチパス輻輳制御を実現する技術を開発し、論文発表、知的財産の面で、研究計画時の目標をほぼ達成している。プライバシー保護ルーティングは、感染症対策としても活用できる部分が考えられ、今後実用化が進展すれば、社会実装につなげ波及効果が期待できる。結果としてかなり大きな成果が得られたと判断される。セキュアルーティングの実行には途中のルータすべてに本技術が実装されている必要があり、標準化、相互接続性確保に向けた取り組みが課題として残されているが、全体としては十分な成果が得られている。
S
パナソニック株式会社
19102 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題 高密度、高モビリティおよび超多数ノードを収容できるワイヤレスネットワーキング法の研究開発
H28
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R2
◎公立大学法人大阪
これまで盛んに研究されてきたセンサネットワークやアドホックネットワークの成果を拡張・改良したワイヤレスネットワークの方式に、位置推定、ドローンの位置・姿勢制御を組合せた新しい技術で、現在はまだニッチなスポーツ向けICT市場に、一石を投じた研究成果として評価できる。センサやデータ収集用ノードの開発や150名規模の実験も何とか実施しており、費用対効果も妥当と考えられる。
机上検討した、ワイヤレスネットワーキングと位置推定の技術を、150台のノードを利用し、運動会を模擬した環境で全ノードからリアルタイムに10秒毎に生体データを収集する実証実験を行ったこと、論文発表・知的財産について一部計画以上の成果を上げていることにより目標はほぼ達成している。波及効果創出については、今後開発した技術の高度化に加え、スポーツ向けICT市場の立上げ、スポーツ向けICT以上の有望なアプリケーション開拓の両面からの活動を進め、社会実装にこぎつけていただきたい。
ただ、本課題の目玉技術である画像解析によるノード位置追跡と通信プロトコルの連携によるプロトコルの性能向上(特に信頼性向上)については、有効に働く実アプリケーションについてさらに掘り下げて検討いただくことを期待する。
A
学校法人関西大学
学校法人明治大学
沖電気工業株式会社
株式会社ソリトンシステムズ
19103 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題 IoT の将来環境を創るセキュアで省電力な網内自己学習型ネットワーキング技術
H28
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R2
◎国立大学法人大阪大学
エッジコンピューティング、IoT/省電力センサ、機械学習の3技術について、それぞれ新技術を開拓しながら3技術の融合による新しい付加価値を生み出し、十分な成果を上げている。費用対効果もほぼ適切である。今後は、実証実験結果の詳細な解析を進めながら個々の技術の深化に加えて、実用化へのブレイクスルーを期待したい。
実用化への道筋作りは今一歩ではあるが、新方式の提案と実証、および外部発表を計画時を上回る件数行っており、目標はほぼ達成している。波及効果について、市場性と応用の広さからBEMS等への導入により研究成果の認知度をまず上げることが重要と考えられる。ビジネス向けのBEMS等での実績を足掛かりとして、コンシューマを対象とした省電力、低コストによる転倒検知、行動認識機能を実用化することにより、将来的に社会的インパクトと国民的利益につなげていただきたい。なお最終報告ではタイトルに含まれるセキュアの観点での検証は若干弱いようであるが,今後は特にセキュアプロトコルを組み込んだ場合の電力消費の評価は行っていただくことを期待する。
A
株式会社KDDI総合研究所
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
19104 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題:時空間ダイナミクスの記述を可能とする拡張Bow-Tie構造に基づく進化発展可能なネットワーク化情報処理基盤アーキテクチャの創出
H28
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R2
◎国立大学法人大阪大学
本実施テーマの内容から、設計原理確立の部分に比重が置かれており、この部分では成果は十分出ていると判断される。ただ、実ビジネス環境での検証にもう少し踏み込んでいただきたかった。費用対効果はおおむね適切と判断される。
学術的研究部分については、研究発表もほぼ達成といえる。一方実証部分については、実用化への努力は認められるもののやや未達成である。学術への貢献、新たな研究開発の発掘等については、有効性が何点か認められる。
A
19105 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題 社会インフラ高度化を促進する脳情報処理機構に基づく ネットワーク基盤の研究開発
H28
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R2
◎日本電信電話株式会社
本研究は、ベイズ推定とアトラクタの融合モデルを脳情報処理機構としているが、やはり論理的には多少飛躍があるのではないかと思われる。より明確な学術的論理的説明がほしい。また本研究において輻輳や過負荷状態を扱うネットワーク制御にBAMを選択した根拠の明確化は必要と思われる。これらを踏まえた上で、研究成果と費用対効果についてはおおむね妥当と判断される。目標の達成状況と波及効果については、おおむね大きな成果を出したと判断されるが、実ネットワークに近い環境での評価が不足しており、社会インフラなどへの波及効果はこれからであると判断される。
A
国立大学法人大阪大学
19106 未来を創る新たなネットワーク基盤技術に関する研究開発

副題:防災・減災学的知見に基づくICTシステムの知的化に関する研究開発
H28
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R2
◎国立大学法人東北大学
本プロジェクトは災害フェーズをResponseからrecoveryまで分け、各フェーズでネットワークの接続性状態をモニタリングし、状態変化に応じて自律的再構築技術と自律的再構成技術を組み合わせて通信資源管理を知的に実行するという枠組みを提案しており、この点は評価できる。ただ災害復旧の初期対応に相当するResponseの検討が不十分であり、検討分野は学術的検討に留まっている。費用対効果としては適切と判断されるが、効果の部分は、もう少し現実的な大災害を想定したものであって欲しかったと思われる。
目標の達成状況としては当初目標に対して達成していると判断されるが、研究途中での見直しがあってもよかったと思われる部分がある。波及効果については、現状ではどの程度あるかは判断できない。
得られた成果としては、学術的には論文誌で高く評価されており、技術としては一定レベル以上のものであると判断される。ただ、災害対策という現実感に対しては、まだ遠い位置にあると思われる。
A
19701 多言語音声翻訳高度化のためのディープラーニング技術の研究開発

副題 深層学習によるマルチモーダル文脈理解と機械翻訳の高度化
H30
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R2
◎国立大学法人東京工業大学
対話・新語・マルチモーダル翻訳という挑戦的な課題設定であるが、多くの研究発表と受賞など含めて目標を超えた学術的な成果が得られており、研究経費に十分見合った実績である。
ビジネスシーン対話コーパスの構築は目標以上に進んでおり、研究成果も高いレベルで得られている。ニュース翻訳も実務に照らし合わせた評価を行っており、実用化を十分考慮している点など応用展開への期待も大きい。全体として基礎研究としての目標を十二分に達成していると判断される。
S
国立大学法人東京大学
国立大学法人愛媛大学
日本放送協会
一般財団法人NHKエンジニアリングシステム
株式会社時事通信社
19801 次世代ウィンドプロファイラの実用化に向けた研究開発

副題:ウィンドプロファイラにおけるACSシステムの実証評価
H30
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R2
◎住友電設株式会社
クラッタの抑圧比が期待以上に達成されており、ドップラー領域におけるデータ品質が非常に優れていることが示されていることから、成果としては十分であり、費用対効果も妥当であると判断される。
目標の達成状況と波及効果については、定量的な目標が明確に達成されており、社会的インパクト・国民的利益も大きい。
将来展望も開けた立派な成果であるが、大きなブレイクスルーを成し遂げたという「感じ」があまりしない。研究用途の大型大気レーダで報告されているACSの効果を運用機で実証するために、技術課題を一つ一つ解決したという内容だからであろう。今回ACSの雑音低減効果が期待以上にあることについて実証できたが、所要の雑音低減効果を維持しながら部品の簡素化を図るなど、なお検討を継続していただきたいものである。今後、気象庁等において採用されていくものと思われ、それが予報精度の改善に繋がっていくことは容易に想像される。
S
20001 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発

副題:信州伊那谷におけるLPWA(LoRaWAN等)鳥獣罠センサーの高度活用
H30
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R2
◎国立大学法人信州大学
委託研究としての研究成果、費用対効果、目標の達成状況については、他地域の関係者にとって参考になる具体的な成果をあげた。一方で、波及効果や事業の普及にあたっては、「事業責任者の明確化」「特許クリアランスと防衛含む特許取得を含む知財戦略」「技術革新(新サービス)のキャッチアップ」という課題が残されている。
トータルとして、ここで開発した技術により鳥獣罠見回り時間・コスト・工程を50%以下にした成果は高く評価できる。またここで得られた成果は、信州伊那谷におけるLPWAセンサーの高度利活用という題目で、MCPC Award2020 ユーザ部門特別賞を受賞している。
S
新光商事株式会社
伊那市有線放送農業協同組合
ソフトバンク株式会社
20002 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発

副題:福井県小浜市のブランド鯖養殖現場へのIoT導入とAI分析および市場分析から導く養殖事業最適化モデル創出のための研究開発
H30
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R2
◎公立大学法人福井県立大学
本研究は、地域ブランドである小浜のサバの復興という地域課題をICTによって解決を目指すものであり、研究体制も水産業、特に魚の養殖に関する基礎研究、サバの養殖現場におけるデータ収集、さらにはサバに関する消費者出口まで、幅広く実施体制が確立されており、第一次産業におけるデータの利用として、生産から流通までを対象としていることは評価できる。したがって、研究成果、費用対効果、目標の達成状況については、自然環境の変異、コロナ禍等の悪要因を加味すると妥当であると考える。
一方で、データ不足を補える、へい死や病死数、月齢(潮汐)、周辺携帯電話基地局の気象ビッグデータ等有意化できるデータも取得可能であったことと、これらを加味した新たな分析の工夫余地があると考え、最終報告ではこれらについて記載を期待する。また、最終目標としていたAIによる新たな養殖モデルの創出には到達できなかったことは残念であるが、収集・蓄積したデータや成果を基に、さらなるデータの追加、成果のとりまとめや連携を進め、知的財産保護や論文執筆といった、さらなる成果を目指していただきたい。
A
フィッシュ・バイオテック株式会社
KDDI株式会社
田烏水産株式会社
20003 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発

副題:デジタルコミュニケーションを駆使した小規模自治体における市民協働型まちづくり
H30
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R2
◎国立大学法人東京大学
本研究開発の狙いである「市民協働型まちづくり」は、ゼロからのスタートであり、しかも住民が意識を高め自分達で自立して動き出すまでにはかなりの時間が必要である。この3年間でその下地を作っただけでも、都市計画的には十分と考える。研究成果と費用対効果に関して、その価値は十分にあろう。一方、純粋に情報通信技術の研究開発という観点では高く評価すべきものはあまりなく、オープンソース化、オープンデータ化が今後の課題として残されているのに加え、シミュレータ実装におけるNGSI(FIWARE)等を通じての都市OSとの連携なども実装を期待したい。
なお、必要性が認識されつつある都市のデジタルツインに資する研究開発と実証を、実フィールドで行えている点は極めて高く評価されるべきである。
A
一般社団法人社会基盤情報流通推進協議会
株式会社まとめる専門家
20004 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発

副題:過疎地域の学校をAIが支援する遠隔協調学習システムで結ぶことにより地域課題の解決に対応する取り組み
H30
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R2
◎公立大学法人山梨県立大学
義務教育現場(小学校)における実証実験が異なる小学校間、異なる授業形態で複数行われ、大変意欲的なものである。特に、今後小中学校がネットワークで繋がれるGIGAスクール構想等の動きもあり、遠隔授業の良い例となりうることは高く評価できる。対面授業に匹敵する生き生きとした協調学習を、遠隔で行うことはなかなか困難であるが、タブレット端末と達成度評価システムを使用することにより、高いレベルで実現できたと考えられる。また、他学校でも導入容易なシステムによる横展開(キットの頒布)が行われており、費用対効果、波及効果の点で十分な成果が上がっていると考えられる。
今後は、タブレットを用いて得られる、対話だけでは得られなかった意見や引っ込み思案の児童の発言を引き出せるなどの特性も期待できる。また、今後の小中学校におけるデータの収集、利活用の事例としても重要である。
一方、AIによる児童の達成度評価は、利用した教師の評価などがまだ得られておらず、有効性の確認は今後の課題である。
A
国立大学法人上越教育大学
学校法人五島育英会
学校法人日本大学
株式会社デジタルアライアンス
20005 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発

副題:犯罪オープンデータを活用したデータ駆動型犯罪予測手法の開発と市民・自治体向け犯罪予測アプリケーションの構築
H30
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R2
◎株式会社Singular Perturbations
犯罪データの解析手法に関しては、現在利用できるデータを用いた解析にとどまっている。一方で、各地・各レベルのパトロールの実務にも使えるアプリケーションを開発し、実証実験を行っており、十分な費用対効果が得られている。
当面は、犯罪という限定された範囲の課題を扱うものであるが、見回り、防犯という実社会の応用において、ユーザーとの契約手続きが進んでおり、目標は十分達成されている。
S
20006 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発

副題:中型無人航空機データ利活用によるインフラ・公共施設維持管理、森林管理、災害対応、人命救助、データ利活用人材育成分野の地域課題解決のための情報通信技術の研究開発
H30
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R2
◎一般財団法人長野経済研究所
ドローンを用いた松くい虫被害木の検索技術は、塩尻市という一自治体にとどまらず、全県・全国にも適用できるものであり、費用対効果は十分なものがある。
目標は国際的に発表できる程度に達成されており、波及効果が期待できる。
しかしながら、三つの研究課題「高精度映像、画像データ伝送技術の研究開発」、「ブロックチェーン技術を活用したデータ記録システムの研究開発」、「データ利活用人材育成指導モデルの研究開発」をどのように統合するのか、たとえば誰がドローンからデータを取得し、解析し、蓄積するのか、誰がデータの流れを監視・制御し、蓄積する実務を担うのか、全部の小・中・高校におけるデータ利活用教育を誰がどのように進めるのかがはっきりしない。また、それらに受託者である塩尻市など自治体や長野経済研究所のような地域的な研究機関、あるいは(地元)民間企業がどのように関わるのかという全体のスキーム、あるいはビジネスモデルがあまり明確に打ち出されていない。最終報告書において展望を示すべきである。
A
国立大学法人信州大学
20007 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発

副題:生活行動データとバイタルデータを活用した健康状態の自動分析技術による地域包括型介護予防システムの研究開発
H30
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R2
◎株式会社シーイー・フォックス
IoTによる、高齢者の生活行動とバイタルデータの自動収集、これらデータによる健康状態の自動分析、および分析結果に応じた対応方法の配信、の3つの開発項目が統合された結果が期待されたが、コロナのためであろうができていない。今後の研究に期待する。
今後、個人の生体モニターと環境モニターからの個人への自動化された介入が、複数回の検診で評価されることを期待する。高齢者への説明会の方法に関して、単に参加者募集よりも検診と健康増進の目的を前面に出すことが効果があるとの報告は興味深かった。関心事に直接的に訴える方法は実際の研究目的でもあり、今後有効な方法と言える。
ここで開発されている技術は、高齢者と非接触で必要なデータを自動的に取得するものであり、コロナ環境では非常に期待される技術であった。京大によるIoTゲートウエイの開発は、その第一歩となりうる。ぜひ、医療機関、老人ホームでの実験継続を期待したい。
B
国立大学法人九州大学
国立大学法人京都大学
国立大学法人九州工業大学
20008 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発

副題:スマートフォン用双方向性睡眠教育アプリを用いた子育て支援と乳幼児睡眠データ収集システムの構築
H30
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R2
◎国立大学法人大阪大学
研究成果は十分に得られている。COVID-19の影響を保健師に向けての教材開発、新たなねんねナビ普及のための活動などに当てることで、研究の遅滞がないだけではなく、新たなコンテンツの準備や多拠点での展開に昇華させ、非常に効率的に研究成果を出している。社会的な効果も期待できる。
利用者の視点に立った使いやすいシステムを構築しており、継続して利用できるものが構築されている。今後もデータ収集を重ねることで良質な睡眠DBの構築を期待でき、新たな睡眠と脳科学に関する研究への展開が望まれる。計画以上の学会発表がされ、発表も評価されている。また、ねんねナビの運用、子育て支援が複数の地域で拡大し、それに応じた結果を得ている。社会的な広がりを目指し、地域の保健師への教育も進めている。
S
20009 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発

副題:エッジコンピューティングによる過疎地域インフラデータの収集と利活用
H30
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R2
◎国立大学法人大阪大学
エッジコンピューティング基盤が移動しながら収集したデータに対し前処理を行い、移動に応じて適切な通信形態を選択する手法と組み合わせたシステムとして提案し実証実験まで行った点が高く評価できる。エッジコンピューティングにおける一つの可能性を提示した課題として、今後の展開も期待したい。また、香南市との連携を積極的に進め、定期運行バスへのシステムの実装を実現し、インフラとしての機能を示せたことは高く評価したい。他の地域でも利便性のあるシステムとして分かりやすい事例となっている。
S
株式会社スペースタイムエンジニアリング
20010 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発

副題:スマート自転車とオープンデータを活用した道路インフラ維持システム
H30
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R2
◎学校法人早稲田大学
スマート自転車というユニークな着眼点に基づく研究課題であり、LiDARや演算装置を消費電力を測定したうえで実用的な範囲で実装し、スマート自転車をシステムとして組み上げ、実証実験まで進めたことは評価できる。また、当初予定していた道路損害状況の検出のみならず、コロナ対策としての歩行者密度測定にもチャレンジした姿勢は、プロジェクトを進めるなかでの環境変化に柔軟に対応したものと評価したい。国際会議で初めて実施された、Global Road Damage Detection Challengeに参加し、成績は中位であったものの世界的レベルでのプロジェクト成果の検証にトライした積極的姿勢は評価できる。論文発表を積極的実施し,今後さらにハイレベルの国際会議への投稿へ向けて学術的貢献も期待したい。このように、概ね目標を達成し、さらにコロナ禍で大学がロックダウンされた状況において実証実験を実施したこと、コロナの影響により歩行者密度測定という新しい応用にトライしたことは評価したい。
A
20101 異分野データ連携によるスマートモビリティ基盤の研究開発

副題:環境×交通データの連携によるモビリティリスク情報生成・流通プラットフォームの実証的研究開発
H30
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R2
◎株式会社アイ・トランスポート・ラボ
研究計画で掲げた成果目標を限られた予算の中で効果的に達成した。様々なモビリティリスクに対処するためのプラットフォーム構築、データの収集と分析、実証実験など、当初の研究計画自体が優れていたことに加え、これを実現するために十分な実力を持った研究分担者がチームを構築したことで、期待通りの研究成果と費用対効果が得られたものと考えられる。論文や特許などの数が一部目標までに達していない部分があるが、今後対応があるものと考えられる。異分野情報を統合的に扱う本研究の成果は、激甚化した自然災害の頻発など、モビリティリスクがより重要になっている今日の社会的要請に合致するものである。実用化に向けても検討が進んでおり、社会的なインパクトを持つ成果が得られている。
S
国立大学法人東北大学
株式会社オリエンタルコンサルタンツ
国立大学法人東京大学
学校法人慶應義塾
株式会社ゼンリンデータコム
20801 HTSにおける電波と光のハイブリッド衛星通信技術のための研究開発

副題:電波と光の中継システムの交換効率の研究
H30
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R2
◎日本電気株式会社
当初の目標は全て達成され、再生中継方式によるRF-光変換方式における、空間光伝搬の実験、シミュレータを用いた特性評価ができる環境が整備された。今後、開発装置を用いた特性評価、光伝搬路のゆらぎによる減衰が伝送特性に与える影響を評価、ならびに実用化に向けた課題の明確化を期待する。
A
21001 次世代モーションキャプチャシステムの研究開発

副題:カメラ画像シミュレーョンによる3次元筋骨格配置の推定
H30
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R2
◎株式会社スリーディー
単眼カメラの画像のみで精度良く3次元筋骨格配置を推定できる技術を開発しており、優れた研究成果が得られている。研究課題の費用対効果も適切である。将来的に広い応用が見込まれ、社会的インパクトも期待できる。一方で、実用化に向けては実データでの検証など更なる研究開発も必要である。成果に関する知財の獲得、学術を含む外部発表、開発したシステムやデータのオープンソース化・商用化も期待したい。
A
21101 多言語音声翻訳高度化のための統合的深層学習の研究開発

副題:統合型機械翻訳技術の研究開発
R1
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R2
◎凸版印刷株式会社
研究課題 197(採択番号19701)と密に連携し先進性の高い技術を取り入れつつ、短い期間で実用化に向けた適切なプラットフォーム構築による実証実験を実施しており、投入した研究経費に見合った成果が得られている。
利用者による評価とフィードバックも実施しており、今後の実用化、普及に向けた取り組みとして、目標を十分に達成している。
翻訳精度評価に関しては整理して、学術的な成果として発表する方が、成果の意義をより深めることができ、より大きい波及効果が期待される。
A
マインドワード株式会社
21201 次世代MCM超小型光トランシーバの研究開発

副題:マルチコアファイバとVCSELアレイを用いた次世代MCM超小型光トランシーバの研究開発
R1
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R2
◎国立大学法人東京工業大学
本研究開発が対象とする5Gおよびそれを支えるマイクロデータセンタ関連技術において、大容量化、スケーラビリティ、小型実装、低消費電力化への要求を満たすアプローチとして、MCF技術を用いた本研究課題で多くの成果が得られ、費用対効果も非常に大きい。一部未達の項目もあるが、それを大きく上回る成果を得ており、目標は十分達成したといえる。波及効果も極めて高いと考える。
S
富士ゼロックス株式会社
富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
21301 脳波(事象関連電位)-fMRI同時計測に関する研究開発

副題:認知課題下の脳波-fMRI同時計測を用いた事象関連電位による脳情報通信技術の開発
R1
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R2
◎国立大学法人大阪大学
新型コロナウィルスの感染拡大が進む中で、頭皮脳波、頭蓋内脳波、fMRI の同時計測という極めて挑戦的な内容に取り組み、データ取得に成功しており、費用対効果の点で十二分に成果をあげている。
プロジェクトオフィサーと相談して研究計画を練り直し、データ取得に力点を置いたことが、結果的に良かったと考える。
安全性の検証を進めながら、ノイズ低減のための手法とノウハウを蓄積しており、こうした点でも高く評価できる。現時点での論文、知財等の成果は少ないが、取得データの公開方法についても具体的に検討を行っており、今後に期待できる。
A
株式会社国際電気通信基礎技術研究所
21401 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第2回)

副題:中国中山間地域の農業振興に資する地産地消型スマートフードチェーン構築のためのクロノロジー(時系列)型情報共有技術の開発
R1
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R2
◎国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
システム開発の完成度は計画通りであるが、その実施報告については、実際に得られたであろう多数の実データがうまく取り込めていない印象がある。さらなる考察や報告の工夫を考えられたい。研究計画の変更やシステム開発については、妥当であったと考える。一方で得られたデータの解析や報告について工夫の余地が残っているが、研究成果と費用対効果は,妥当な結果である。
システム開発については、十分に達成できているが、AIを活用できるレベルにまでデータの収集が、期間内で困難であったこと、当初想定していなかったデータ項目の追加にまで至らなかったことは、残念である。
本研究で開発した、バリューチェーン全体の特許を取得する事は、今後の優位性に資すると考えられるので、積極的に検討いただきたい。
また、生育・収穫予測の重要性を実需者が理解し、需要予測AIアルゴリズムの精度向上を図るためのデータピックアップポイントを増やすことに理解を得られたことは、今後のスマート農業普及への良いリファレンスになったと考える。
A
日本ユニシス株式会社
21402 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第2回)

副題:放牧を活用した乳製品高品質化による酪農産業の競争力強化
R1
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R2
◎国立大学法人宇都宮大学
牛の活動状況センシングにおいては、LoRaベースのネットワークシステムでの可用範囲を提示できたこと、加速度センサーから摂食、歩行、休憩についてアノテーションできる見込みを得たこと、pHセンサの電波生体透過についての適解を見いだせたこと等、十分な研究成果といえる。また、酷暑時の牛の夜間を含めた行動と摂餌、牛乳品質に関連性を見出したことは、放牧効果の新しい知見として期待できる。酪農牛の行動データなど有用なデータの公開も準備しており、ぜひ積極的に進めて欲しい。
牛乳の高品質化といった目標は、従前のコスト以外の加価値(機能性食品、テロワールブランド)の可能性を見いだせており評価できる。
S
栃木県酪農業協同組合
学校法人中央大学
21403 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第2回)

副題:エッジコンピューティング環境を利用した動物のリアルタイム自動行動分類システムの開発
R1
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R2
◎国立大学法人北海道大学
動物園の維持管理は人手不足等で今後困難になることが予測され、また、世界的に動物園の使命が自然保護や希少動物の支援など変化するなか、本研究は管理の省力化にも、グローバルなデータ共有という観点からも重要である。
推定精度の向上、事前処理の簡易化、低コスト化など、まだ多くの課題があり、実用化に向けて精力的に努力していただきたい。また、他機関(動物園、動物を扱う大学、研究機関等)とのデータ連携も重要な課題であるが、どのようなデータを連携し、どう活かすか明らかになっていない。
新型コロナの影響で動物園が閉園になるなど、全体にスケジュールがずれ込んでおり、研究推進が困難な状況にあることは理解できる。得られたデータから、特定の動物における行動分類等の目的は達成されたが、今後も引き続き、動物園との連携によるデータの取得と飼育員等からの行動分類結果の評価、データ取得と利用に関する評価などが求められる。
B
株式会社テクノフェイス
21404 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第2回)

副題:山梨におけるビッグデータ利活用基盤構築とその有効性に関する実証実験
R1
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R2
◎エリアポータル株式会社
最終的な成果の中では、データ連携および連携のためのデータ共有基盤の構築は、今後取り組むこととなっている。一方で、個別のテーマのなかには良い成果が得られているものもあり、今後はこれらの成果をいかに統合しつつ、データ収集と連携による利活用に関し、地域ならではの特性を活かしつつ検討いただきたい。特に、地域特性を考慮したデータの連携とは何かという点が明らかになると、波及効果なども含めて期待できると思われ、地域の他のステークホルダーとも情報交換をし、現在の成果の展開を検討いただきたい。
開発した各種データ収集システムは、今後も社会実装しつつ継続して改善・改良していただきたい。
A
国立大学法人山梨大学
山梨県富士山科学研究所
一般社団法人山梨県情報通信業協会
公益財団法人山梨総合研究所
日本電気株式会社
21405 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第2回)

副題:構造適応型深層学習によるコンクリート構造物のひび割れ検出とドローンを活用したリアルタイム検出・可視化システムの開発
R1
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R2
◎公立大学法人県立広島大学
当初目標とした構造適応型深層学習によるコンクリート構造物のひび割れ検出とドローンを活用したリアルタイム検出・可視化システムの開発は、十分実用に耐えるものと考えられ研究成果と費用効果は十分にある。
広島県立大学と県行政部門の協力により本課題の主題である「地域課題解決のための実証型研究開発」に応えた構造適応型深層学習アルゴリズムの提案であり、そのアルゴリズムの切り出しによる製品の展開が想定される。また、その一つのサービス展開であるコンクリート構造物のひび割れ検出とドローンを活用したリアルタイム検出・可視化システムの開発にも成功している。
A
三井共同建設コンサルタント株式会社
21406 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第2回)

副題:にぎわい創出と安心安全のための中部おもてなしプラットフォームの構築
R1
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R2
◎国立大学法人東海国立大学機構
当初目標とした平常時と災害時のそれぞれの異なるサービスを運用可能なプラットフォーム構築を実現しており十分な費用対効果を得ている。
平常時と災害時のそれぞれの異なるサービスを運用可能なプラットフォーム構築ができた段階である。平常時のサービスにも様々な事業形態があり、さらに災害時の運用は自治体が運用すべきサービスである。それも各地域により運用形態やポリシーが異なることも想定される。まずは、その様な実情を考慮した中部圏サービスを展開するためにもサービス運営側の積極的な参加と共に開発側は運営側が簡単に扱えるためのドキュメント化やユーザフレンドリーなプラットフォーム提供形態が望まれる。
A
特定非営利活動法人位置情報サービス研究機構
21407 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第2回)

副題:LPWAと3次元センシングを活用した病院・介護現場における負担の軽減
R1
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R2
◎凸版印刷株式会社
褥創検知と介護・看護の負荷軽減に期待したが、コロナ禍とは言え、目的が達成されたとは言えない。LPWAについても折角医療機関での実験であれば、医療機器への影響調査を積極的にすべきであった。
波及効果は現状の結果では期待できない。現状システムの特性吟味と有効性確認が早急に求められる。
B
21408 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第2回)

副題:重症心身障害児の微細な反応を検知し、解析結果をお知らせするシステムの研究開発
R1
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R2
◎学校法人四国大学
特許出願、発表論文数はほぼ予定通りであり、研究成果はあった。予定されていた実証が十分にできない状況下ではあったが、一定の知見が得られた。今後の展開に期待したい。引き続きデータの収集と、ヒアリング等を行い、補完していただきたい。費用対効果はコロナ禍を考えれば妥当といえる。特に今回の症例を見ると、パルスオキシメータの低い呼吸器疾患の患者が含まれ、コロナに対しては注意が必要な例と思われる。
目標達成状況に関しては、採用した方法、技術は有効であるといえる。今後、実用性のある目的、社会的に必要な不快状況、例えば排便、痛みなど、より実証が困難な状況の判断を対象にすべきである。そういう不快の検知こそが、社会的に意味があり、実用性のあるシステムとなる。
A
21409 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第2回)

副題:スモールモビリティによるラストワンマイル達成のための混雑環境でもロバストな不可視地図のオープン化
R1
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R2
◎国立大学法人宇都宮大学
具体的目標である地図データの構造化、スモールモビリティの自動運転実証実験においてinvisible MAPの効果が実験的かつ定量的に示されていない。技術的成果のアピールが弱く、費用対効果は高くない。
実施計画書に明示されている目標が成果報告書内には提示されておらず、コロナ禍の影響を考慮しても、達成状況は高いとは言えない。さらに、地図作成、利用において地方自治体との連携を目標としていたが、これも50%程度の達成度となっている。
不可視環境情報を用いた不可視地図の利用は、今後のスモールモビリティにおいて有用であると考えられる。しかしながら、本研究開発では、不可視地図の作成およびそれを用いた自動走行の実現のいずれも、不可視地図の重要性を成果として明示的に出せていない。今後、定量的な評価を行ない、不可視地図の有効性を具体的に示す必要がある。また、市や県との協議、データ利用の具体的な策が明らかになっていない。この点は、ビジネスプロデューサーを研究代表者が兼ねる体制の問題かも知れない。
B
21410 データ連携・利活用による地域課題解決のための実証型研究開発(第2回)

副題:レンタカー走行データを活用した訪日外国人との共生エコシステムの研究開発
R1
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R2
◎国立大学法人九州工業大学
コロナ禍で訪日外国人によるレンタカー利用が全くない状況に陥ったにも関わらず、GPSロガーの開発を進め、レンタカー事業者に実装した社会実装まで進め、研究成果と費用対効果を高めるよう務めており、この点で評価できる。また、訪日外国人がまだ多くいる時期に通信ナビから得られた情報をもとに今後の訪日外国人とのエコシステム構築に向けての分析を進めており、今後の展開に期待したい。特許と学会発表で、一部目標に達していないが、今後訪日外国人の数が回復し、レンタカーを使用した際のデータ連携の観点で本課題を発展させた形での発表に期待したい。
A
株式会社コロプラ
21501 光ネットワーク物理層における障害復旧能力の抜本的向上に向けた装置種別集約と装置設定継承自動化に関する研究開発

副題:光ノードの品種集約と装置設定の継承簡略化技術の開発
R1
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R2
◎日本電気株式会社
2年間の限られた研究期間内において、着実に研究開発を進め,当初の目標設定を上回る性能を達成している。また,実現した技術の社会実装に向けた取り組みについても、キャリア等にヒアリングを行い,高い実用性を確認している。さらに想定していた用途を超える平時での幅広い展開も期待される。以上より、総合的には誠に優れた研究内容と技術成果と判断される。
S
21601 サイバー攻撃ハイブリッド分析実現に向けたセキュリティ情報自動分析基盤技術の研究開発

副題:機械学習に基づくサイバー攻撃情報分析基盤技術の研究開発
R1
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R2
◎国立大学法人九州大学
2年の研究において当初の計画が着実に遂行されており、ほとんどのテーマについては十分な成果を挙げられている.一部結果の精度が目標に到達しなかった部分についても、その原因を明らかにするなど、研究の視点から適切に対応し将来に繋げている。これらを総合的に見て、十分な研究成果を得られたと判断する。論文発表も適切になされ、波及効果という視点でその役割を担ったと判断している。以上から、良いプロジェクトであったと判断している。この研究をここで終了することなく、連続的に進めることが当該分野の国際競争力を増すものであると考えており、NICTとの協力や、総務省の研究プロジェクトの場で研究の進展を期待する。
A
学校法人早稲田大学
国立大学法人横浜国立大学
国立大学法人神戸大学
総合評価の評価点 S:非常に優れている A:適切である B:やや劣っている C:劣っている