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1. 趣旨

国立研究開発法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。)は、情報通信分野注1に関し、最新の技術及び研究情報の共有、技術水準の向上並びに人材育成に寄与するとともに、研究及び技術開発の推進及び国際協力に貢献するため、海外研究者の招へい事業を行っています。本事業は、国際交流プログラム及び国際研究協力ジャパントラスト事業の2つの事業によって海外研究者招へいを実施しており、この募集は、両事業を合わせて実施しています。
 
注1:ここで情報通信分野とは、通信、情報処理、電子などの狭い意味での情報通信だけではなく、電磁波計測による気象・地球環境観測や宇宙探査、人間の脳機能 の解析、未来のICTを支える先端的デバイスの開発、生体システムの研究などを広く含む広義の情報通信分野を指します。
 
国際交流プログラムは、大学、公益法人及び民間企業等の研究機関を対象としていますが、(ただしNICTは除く)国際研究協力ジャパントラスト事業は、民間企業の研究機関のみを対象としています。
民間企業の研究機関が応募する場合には、両事業に応募したものとして扱います。

2. 概要

情報通信分野の研究開発にあたり、海外から来日する研究者(以下「招へい研究者」という。)を受け入れて共同研究を実施する国内の研究機関(以下「受入機関」という。)をNICTが募集します。本事業の採択までの流れは、次のとおりです。
受入機関は、招へいしようとする研究者及び研究のテーマ、その他必要事項を記載した提案書類をNICTに提出します。
NICTでは、受入機関から提出された提案を、外部有識者から構成される審査委員会で評価し、その結果を踏まえ、NICTにて採否を決定します。
採択された招へい案件については、NICTから招へい研究者に対し、定められた支給条件・支給方法で渡航費、滞在費等の招へい費用を支給します。なお、本事業は研究費用を支弁するものではありませんので、ご留意ください。
 
国際交流プログラムと国際研究協力ジャパントラスト事業の比較を下表に示します。
 
国際交流プログラムと国際研究協力ジャパントラスト事業の比較
  国際交流プログラム 国際研究協力ジャパントラスト事業
財源 NICT 民間篤志家資金による公益信託の運用益等
事業実施主体 NICT単独 NEDOと合同で実施
応募資格

大学等、公益法人、民間企業の研究機関     (ただしNICTは除く)

民間企業等
支給内容 別表に記載

3. 提案要領

(1)提案資格
提案者は、情報通信分野の研究及び技術開発又は学術的な活動を行うために海外研究者の受入を希望する国内の研究機関等注2とします。民間企業注3は、国際研究協力ジャパントラストと国際交流プログ ラムの両制度の採択対象となりますが、民間企業以外の研究機関は、国際交流プログラム制度での採択対象となります。

注2:研究機関等とは、大学(高等専門学校、大学共同利用機関法人等を含む)、民間企業、その他の公益法人等の研究を行う機関を指します。ただしNICTは除く。 
注3: 民間企業とは、国、地方公共団体、独立行政法人、特殊法人、特別認可法人、公設試験研究機関及び大学 等学術研究機関以外の者をいいます。
 
(2) 招へい研究者の要件
招へい研究者は、次の各号のいずれにも該当する者 であることが必要です。なお、提案者は、受入れようとする海外研究者に対し本制度の条件や遵守事項を伝え、 本制度の下での共同研究の意思を確認の上、応募願います。
  1. 受入機関において一定期間(12ヶ月以内)研究又は学術・啓発活動をすることが可能である者。なお、招 へい開始は令和6年4月1日以降の年度内とします。
  2. 情報通信分野の研究及び技術開発に関し優れた識見を有する外国人研究者(原則として海外の学術研究機関に所属している研究者)、我が国の博士号に 相当する学位を有する者、又はこれと同等の研究能力を有すると認められる者。外国に5年以上在住の日本国籍を有する者であって、当該国の学界で活躍している研究者も含みます。なお、十分な実績があると認められれば博士課程在籍中の研究者も対象となります。
(3) 提案書類
提案者は、下表の提案書類(A4版、様式1~4)を作成の上、その電子ファイル(Microsoft Word バージョン不問、押印不要)を9項の提案書類の提出先及び連絡先へ、“電子メール”により提出してください。提案者が大学等の場合は様式4を提出する必要はありません。
  なお、書類提出の後、NICTから受領確認の通知がない場合は、提案書類の提出先へ必ずお問い合わせください。
    
   注:公印は省略しますが、応募機関の必要な手続を済ませてからご応募ください。


提案書類
1. 海外招へい研究者受入提案書 様式1(Word)
2. 海外招へい研究者受入希望説明書 様式2(Word)
3. 招へい研究者調書 様式3(Word)
4. 受入機関概要 様式4(Word)


(4) 募集期間
令和5年6月8日(木)~9月7日(木)午後5時(必着)
 
(5) 募集締め切り
令和5年9月7日(木)午後5時を必着とします。締め切りまでに提出されなかった提案書類は、理由の如何を問わず無効となります。この日を必着としますので、十分な余裕をもって提出して下さい。
 
(6) その他の注意事項
  1. 提案書類の提出後、提案者側の都合によりその内容を変更又は補充することは原則として認められません。
  2. 提案書類を提出いただいた後、NICTから提案者に対し、追加資料の提出を求めることがあります。

4. 招へい費用支給条件、遵守事項等

(1) 招へい費用支給条件
招へい研究者のクラスに応じ、「別表」の支給条件により招へい費用を支給します。国際交流プログラムと国際研究協力ジャパントラストで給費条件が異なりますので、ご注意ください。なお、招へい研究者のクラスは、審査委員会の審査結果に基づいて決定されます。クラスS、AAとCは、国際交流プログラムのみで設定されています。
 
クラスS
 世界的権威のある賞を受賞する等の特段に顕著な業績を有し、当該分野で現在も指導的立場にある者(例えば、日本国際賞等の国際的に著名な賞の受賞歴のある研究者、大学の学長、またはこれに準ずる職位にある研究者。) 
 
クラスAA
顕著な業績を有し、当該分野で現在も指導的立場にある者(例えば、著名な賞の受賞歴のある研究者、研究所長・学部長、又はこれに準ずる職位にある研究者。)
 
クラスA
優れた研究業績を有する研究者又は高度な専門的知識を有する者(例えば、大学教授、又はこれに準ずる職位にある研究者。准教授クラスの職位であっても、優れた業績のある研究者。)
 
クラスB
上記以外の博士号を有する研究者又は専門的知識を有する者
 
クラスC
研究実績を有する大学院博士課程在籍中の者

 

別表[PDF形式 297KB]

(2) 招へい研究者の遵守事項
招へい研究者には、次の各号に掲げる事項を遵守していただきます。
  1. 招へい期間中は、日本国への入国目的以外の活動を行わないこと。
  2. 招へい期間中は、日本国法令を遵守するとともに、受入機関の規則及びその指示に従うこと。
  3. 研究計画の変更を要する事態が発生した場合は、速やかに受入機関と協議すること。
  4. 招へい期間を変更する場合又は招へい期間中に一時出国する場合には、短縮日数分又は一時出国の日数分の滞在費等を減額されても異議を唱えないこと。ただし、受入機関と連名により国際会議で発表するための短期の出国等の場合であって、NICTが認めるときは、滞在費の減額を行わない。
  5. 招へい期間中に得た研究成果の取扱いについては、受入機関と招へい研究者の間で協議の上、決定すること。
  6. 招へい期間中に、招へいに関して問題が生じた場合には受入機関と招へい研究者の間で誠実に協議し、問題の解決を図ること。
  7. 帰国に先立ち、受入機関から指示された時期までに研究報告書を受入機関に提出すること。
  8. 招へいの成果により研究発表等を行う場合には、受入機関の発表にかかわる定めに従うこと及び本制度による成果である旨を明示すること。
 
(3) 受入機関の遵守事項
受入機関には、次の各号に掲げる事項を遵守していただきます。
  1. 採択された場合は速やかに招へい研究者に通知し、招へいを受けることを確認する等招へい研究者等との意思疎通を行い、辞退のないようにすること。
  2. 研究計画の変更を要する事態が発生した場合は、速やかにNICTに対して通報するとともに、研究計画変更申請書をNICTに提出(軽微な変更の場合を除く。)し、その指示に従うこと。
  3. 来日までの招へい研究者との連絡調整、空港への送迎、宿舎確保その他の招へい研究者への支援について責任を持って行うこと。
  4. 招へい期間中に得た研究成果の取扱いについては、受入機関と招へい研究者の間で協議の上、決定すること。
  5. 招へい期間中に、招へいに関して問題が生じた場合には受入機関の責務によるものとして、招へい研究者と誠実に協議の上、解決を図るものとし、必要と認められる場合にはNICTに連絡してその指示に従うこと。
  6. 招へい研究者から研究報告書を受けた上、これを含めた研究成果報告書を招へい研究者の帰国時までに取りまとめてNICTに提出すること。

5. 採択予定人数及び機関

令和6年度公募の採択予定人数及び個々の招へいにおける招へい期間は以下のとおりです。
(1)採択予定人数(国際交流プログラムと国際研究協力ジャパントラストをあわせて)
8名程度(採択予定人数は、採択案件の招へい費用により変動することがあります。)
(2)招へい期間及び招へい開始日
招へい期間は、原則として12か月以内です。今回の募集では、令和6年4月1日から令和7年3月31日までの期間における招へい開始が対象となります。国際交流プログラムと国際研究協力ジャパントラストのいずれも、招へい期間が令和7年3月31日を越える提案も可能です。

6. 選考と通知

(1) 評価
提案に対しては、NICTが設置する外部有識者から構成される審査委員会において、以下の評価基準によって評価を行います。提案者が民間企業で国際交流プログラム及び国際研究協力ジャパントラストの趣旨を両方とも満たす場合、審査委員会においてどちらの制度を利用するかを決定します。
  1. 情報通信分野の研究の進展への寄与(活動内容及び招へい対象者について)
    • 我が国及び諸外国の情報通信の研究の進展に資するものであること。当該研究による成果の重要性・波及効果等。
    • 招へい対象者が情報通信の研究及び技術開発(通信・放送基盤技術の研究及び技術開発を含む)に関して優れた見識を有すること。
    • 招へい対象者が我が国の博士号に相当する学位を有するか又はこれと同等の研究能力を有すると認められること。
  2. 受入機関の適格性
    • 情報通信分野の研究及び技術開発(通信・放送基盤技術の研究及び技術開発を含む)を行う国内の研究機関であること。
    • 当該海外研究者と共同で研究及び技術開発又は学術・啓発活動を行うこと
    • 当該海外研究者の適切な受入体制が構築されていること
  3. 研究計画又は活動計画の具体性
    • 当該研究成果の活用に関する方向性
    • 研究又は啓発活動計画が具体的であり、共同研究体制が適切であること
(2) 採択案件の決定
審査委員会で評価し、その結果を踏まえて、NICTにて、令和6年度招へい事業の採択案件を決定します。NICTは採択にあたって条件を付することがあります。
 また、応募状況等によっては、招へい期間をご提案より短縮していただくこともあります。


(3) 選定結果の通知
  選定結果は、令和6年1月下旬までにNICT から提案機関に文書で通知します。
  また、NICTのホームページに選定結果を公表します。

7. 終了審査

招へいが終了した後、国際交流プログラム審査委員会により終了審査を受けます。
終了審査においてコメントがあった場合は、開催機関又は開催責任者の所属する機関へ通知します。

8. その他

(1) 不正行為への対応
提案内容の虚偽等、不当・不正な行為・手段が判明した場合、採択決定後であっても採択決定を無効とし、事実の公表等を行うことがあります。
 
(2) 安全保障にかかる技術取引規制について(海外への特定技術の提供について)
我が国においては、国際的な平和・安全の維持を確保する観点から、外為法(外国為替及び外国貿易法)に基づき、安全保障上機微な技術や貨物に係る輸出管理を実施しています。
外国企業等や外国人研究者または外国の政府・企業等から強い影響を受ける者(日本人、外国人に関わらず)に対する技術・情報の提供については、日本国内で行われる場合であっても経済産業大臣の許可が必要となる場合がありますので、規制内容について事前にご確認ください。
なお、許可が必要となる技術・情報の提供範囲は「外国為替令」の「別表」に列記されています。
詳細は経済産業省 貿易経済協力局貿易管理部 安全保障貿易管理課のホームページ(https://www.meti.go.jp/policy/anpo/index.html)をご参照下さい。
法令上、外国人研究者に対する技術・情報の提供についての安全保障に係わる責任は、受入責任者と受入機関にあります。外為法をはじめ、関連する法令を遵守して受け入れてください。
 
 (相談窓口)
安全保障関係輸出管理全般 安全保障貿易管理課 TEL:03-3501-2800
申請手続等 安全保障貿易審査課 TEL:03-3501-2801
(3) 個人情報の取扱い等
提案書類に含まれる個人情報については、「独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律」及びNICTの「個人情報管理規程」に基づき厳重に管理し、本プログラムの業務遂行のために利用(データの電算処理及び管理を外部の民間企業等に委託して行わせるための個人情報の提供を含む)します。
招へい研究者の氏名・国籍・所属機関、研究課題名、受入機関、受入責任者の氏名・職名が公表されることがあります。また、以下の目的で個人情報を使用する場合があります。予めご了承ください。
  1. 本制度の充実のために調査のご協力をお願いする場合
  2. 本制度の公募情報をご案内する場合
(4) 招へいの成果に係わるお願い
招へいによる研究交流又は共同研究の進展の具体的な成果を目標として本プログラムを実施することとしております。
そこで招へい期間中及び終了後の共著論文、外部への研究発表、共同研究契約等がより一層図られますようご留意のうえ、共同研究活動を実施されますようお願いします。また、招へい期間終了後の招へいによる成果の把握につきましてもご協力お願いします。

9. 提案書類の提出先及び連絡先

国立研究開発法人情報通信研究機構
デプロイメント推進部門 研究成果事業化支援室 国際交流プログラム担当

E-mail: int_progアットマークml.nict.go.jp

【注意事項】
この公募は、令和6年度及び令和7年度当初予算の成立が前提となります。このため場合によっては、海外研究者の個別招へいの取りやめも含め、変更等が有り得ることを予めご承知置きください。
また、採択予定人数は、年度予算又は採択案件の経費により変更することがあります。
 
★国際交流プログラムの趣旨
国際交流プログラムは、情報通信に関し、我が国及び世界の研究者の国際交流を促進することにより、最新の技術及び研究情報の共有、技術水準の向上並びに人材育成に寄与するとともに、研究開発の推進及び国際協力に貢献することを目的としています。
 
★国際研究協力ジャパントラスト事業の趣旨
日本国内において民間が実施する通信・放送基盤技術注4の研究及び技術開発を支援すること、また、当該分野の国際研究協力を積極的に推進し、世界の科学技術の進歩及び経済の発展に寄与することを目的として、通信・放送基盤技術に関する試験研究に携わる海外の研究者を我が国に招へいします。
なお、招へい費用は、我が国の個人や法人の方々のご寄付による公益信託資金(信託銀行が受託し運用)の運用益等から支出されています。
 
注4: 通信・放送基盤技術とは、電気通信業及び放送業(有線放送業を含む。)の技術その他電気通信に係る電波の利用の技術のうち総務省の所掌に係るものであって、国民経済及び国民生活の基盤の強化に相当程度寄与するもの。