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フランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)と研究協力覚書を締結

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2014年11月21日

独立行政法人 情報通信研究機構

NICTとフランス国立情報学自動制御研究所(以下「INRIA」、CEO: Antoine Petit)は、平成26年11月20日(木)に、NICT本部(東京)において、情報通信技術分野、とりわけ、サイバーセキュリティ及び新世代ネットワークの分野における研究協力の枠組みを定めた研究協力覚書を締結しました。

INRIA Petit CEO(左)とNICT坂内理事長(右)
INRIA Petit CEO(左)とNICT坂内理事長(右)

NICTとINRIAは、サイバーセキュリティ及び新世代ネットワークに関する技術に共通の関心を持っています。特に、サイバーセキュリティ分野では、サイバー攻撃対策の研究を行うため、サイバー攻撃関連情報を共有し、情報分析及び解析手法の向上などに向けて協力します。また、新世代ネットワーク分野においては、新世代ネットワーク技術である情報指向ネットワーク技術(ICN/CCN)やネットワーク技術を評価するための次世代シミュレーター及びテストベッドの研究開発を行います。これら両分野における連携によって、NICTとINRIA双方の研究レベルの向上と研究の加速が見込まれます。

また、今回連携する両分野以外においても、INRIAはコンピューターサイエンスの分野で多岐にわたる研究を行っており、今後、NICTとINRIAは本研究協力覚書の締結を基に、その他の連携可能な共通のテーマを模索しながら、情報の交換、研究者の交流、共同研究及び研究集会の開催等を行い、効果的に研究協力を深めていく予定です。

用語解説

INRIA (Institut National de Recherche en Informatique et en Automatique)

フランス国立情報学自動制御研究所
1967年に設立された経済・財務省及び国民教育・高等教育・研究省傘下のコンピューターサイエンスを専門とするフランスで唯一の国立研究機関。研究分野は多岐にわたり、主な分野はネットワーク、自動制御、画像処理等が挙げられる。2013年度における職員数は4,471人(科学者3,449人を含む)、予算は€233百万(36%は自己資本)

サイバー攻撃対策の研究
図1NICTERがとらえた日本及びフランスへのサイバー攻撃の様子
図1 NICTERがとらえた日本及びフランスへのサイバー攻撃の様子
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NICTでは、サイバー攻撃の観測・分析・可視化技術の研究開発を行っている。インターネットで発生する様々なセキュリティ上の脅威を迅速に把握し、有効な対策を導出するための複合的なシステムであるNICTER(ニクター)及び組織内のマルウェア感染や外部からの攻撃についてアラートを送信するシステムであるDAEDALUS(ダイダロス)等の研究開発を行っている。

情報指向ネットワーク技術(ICN/CCN)の研究
図2IPアドレスベースの通信と情報指向ネットワーク
図2 IPアドレスベースの通信と情報指向ネットワーク
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NICTでは、新たなネットワーク技術である「情報指向ネットワーク技術(ICN/CCN)」の研究開発を行っている。情報指向ネットワークでは、ユーザーはコンテンツ名を識別子としてネットワークから情報を取得する。これにより、現在普及しているIPアドレスベースの通信に比べて、迅速かつ効率的に情報を取得することが可能となる。
また、ユーザーの利便性に貢献するだけではなく、将来的に、ネットワークやサーバー資源の有効活用による通信効率の向上や省エネルギー化にも貢献することが期待されるため、NICTでは、この技術の実用化に向けて研究開発を推進している。
 

本件に関する 問い合わせ先

国際推進部門 国際連携推進室

小山 泰弘、蔭山 有生
Tel:042-327-7557
Fax:042-327-5321
E-mail: