本文へ
文字サイズ:小文字サイズ:標準文字サイズ:大
  • English Top

NICTが開発した無線モジュール「NICT Hyper Wi-SUN 4」が、規格認証団体Wi-SUNアライアンスによるHAN認証を世界で初めて取得しました!

  • 印刷
2015年12月3日

国立研究開発法人 情報通信研究機構

NICTがプロモータメンバとして寄与する規格認証団体Wi-SUNアライアンス*1による無線機認証試験において、NICTが開発した無線モジュール「NICT Hyper Wi-SUN 4」が、物理層、MAC層、およびインタフェースの側面から、HEMSアプリケーション用標準通信プロトコルECHONET Lite*2の HAN拡張*3実現のための認証要件を満足することが世界で初めて確認されました。本無線機は、上記プロトコルを実現する世界初の無線機として2015年1月にNICTによって開発されたものです。

認証要件について
無線モジュール「NICT Hyper Wi-SUN 4」
図 無線モジュール「NICT Hyper Wi-SUN 4」

  • 物理層
    • 物理層における認証要件とは、無線信号伝達時の電波の性質や、ビット系列の順番等に関する無線データ形式の規定が守られ、正しい無線のやり取りが行われることです。
    • 今回、物理層に関する試験では、IEEE 802.15.4g規格をベースとする通信データ形式の正常な送受信が確認できました。
  • MAC層
    • MAC層における認証要件とは、無線機同士がそれぞれの存在を検知しながら、無線信号同士の衝突低減等を目的とする通信網を自律的に構築することです。
    • 今回、MAC層に関する試験では、各無線機が自律的にIEEE 802.15.4e規格に準拠する通信網を形成する動作が確認できました。
  • インタフェース
    • インタフェースにおける認証要件とは、想定するアプリケーションに準じた、上記物理層・MAC層の機能を前提としながら、端末同士の認証等のよりユーザに近い機能の制御を効率的に行うことです。
    • 今回、インタフェースに関する試験では、PANA(Protocol for carrying Authentication for Network Access)プロトコルを用いた正常な端末間認証の動作が確認できました。

図に、無線モジュールの外観を示します。無線モジュール「NICT Hyper Wi-SUN 4」は、将来他の無線モジュールの認証に際する「基準器」としての機能も予想されることから、今後のスマートメータ用無線機の急速な普及化に寄与することが期待されます。

*1 規格認証団体Wi-SUNアライアンス
無線機等の製品が特定規格に適合することを認証し、証明となるシールやロゴ等の発行を認可する団体。本証明によりユーザが適合機器を正しく分別し使用することが可能となる。同時に本証明は、異種無線機間の相互接続性を保証するものである。スマートメータ用無線の規格認証団体は、Wi-SUN(ワイサン: Wireless Smart Utility Network)アライアンスの名称で、2012年1月24日に設立された。

*2 HEMSアプリケーション用標準通信プロトコルECHONET Lite
ECHONET Lite(エコーネットライト)は、エコーネットコンソーシアムが策定したHEMS(宅内エネルギー管理システム)アプリケーション用標準通信プロトコルである。2012年2月24日、経済産業省により、スマートメータや家庭内機器とHEMSをつなぐ日本国内での標準プロトコルとして推奨された。

*3 HAN拡張
HEMSにおけるHAN(宅内家電網: Home Area Network)動作を実現するための機能拡張であり、複数家電に搭載された端末間認証、および中継を実現可能にする。今回の認証で試験されたのは前者の複数端末間認証である。

本件に関する問い合わせ先

ワイヤレスネットワーク研究所
スマートワイヤレス研究室

児島 史秀
Tel:046-847-5084
E-mail:

広報

広報部 報道担当

廣田 幸子
Tel:042-327-6923
Fax: 042-327-7587
E-mail: