国立研究開発法人情報通信研究機構は、観測している超低周波音(インフラサウンド)データをオープンデータ化し、6月から日本気象協会のWebサイト『インフラサウンド・モニタリング・ネットワーク』を通じて、他機関の観測データと共に公開を開始しました。

 『インフラサウンド・モニタリング・ネットワーク』は、2021年3月30日から日本気象協会が無償公開している微気圧振動観測データの公開サイトです。これまで、岩手県の3地点、三重県の3地点、愛知県の3地点,潮岬、菅平に加え、NICTがデータ提供を開始した宮城県仙台市にあるレジリエントICT研究センターの観測データが利用可能でした。この度、宮城県で2地点目となる東北大学青葉山キャンパスでの観測データをNICTから追加公開しました。

 微気圧情報と一般的な気圧情報との違いは、主にその分解能にあります。気圧情報を時間的にもレベル的にも高い分解能で観測したものが微気圧情報です。これにより、従来の気圧情報を観測したデータからは見ることが出来ない大気現象を捉えることが可能になります。インフラサウンドは、大規模な被害に繋がる極端な自然現象の力が大気に作用して発生することが知られています。インフラサウンドの観測装置を設置して常時観測することで、いつ起こるか分からない極端な自然現象によるデータを逃すことなく捉えることができ、また、将来再び起こり得る同様の災害に対して有効な備えを講じることが可能になると考えられます。

 多地点での観測は、信号の発生源の推定に繋がることから、今後も観測点を増やして行く予定です。
Webサイトのキャプチャの一例(宮城県の2地点の観測データ)
Webサイトのキャプチャの一例(宮城県の2地点の観測データ)

本件に関する問い合わせ先

レジリエントICT研究センター

西村 竜一

E-mail: sis_fsnアットマークml.nict.go.jp