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コグニティブ無線システムの広域実証実験に向けて藤沢市産業振興財団と共同研究契約を締結

500台のコグニティブ無線ルータを用いた市町村規模の電波資源選択制御

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2010年4月27日

独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、コグニティブ無線システムの広域実証実験に向けて、財団法人藤沢市産業振興財団(理事長:塩田 豊永)と共同研究契約を締結しました。この実験は、藤沢市を中心に約500台のコグニティブ無線ルータを設置し、これにより提供されるワイヤレスインターネット接続環境を利用する実験協力者を一般から募り、コグニティブ無線システムが持つ電波資源の選択制御機能の検証と運用方法の確立を行うものです。 NICTはこれらの実験の結果を通し、さらに、利用者がより高速のデータ通信や安定した通信サービスを享受できる社会を目指します。

背景

NICTでは、安心・安全な社会の実現に向けた無線ネットワークに関する研究開発の一環として、あらゆる端末が広域に展開されたコグニティブ無線システムを用いて自由に無線インターネット接続ができる社会インフラの実証実験を計画しています。このコグニティブ無線システムはNICTが研究開発を進めてきたものであり、電波利用状況に応じて最適なインターネット接続方式が選択されるため、利用者は複数の接続方式を意識することなく、無線のみでインターネット接続が可能になります。しかし、社会インフラとしての実証はこれまで行われていないため、NICTは財団法人藤沢市産業振興財団と共同研究契約を締結し、実証実験を行うことにしました。

期待される成果

この実証実験では、藤沢市を中心とする地域を対象に約500台のコグニティブ無線ルータを設置し、NICTに設置するサーバと連携して制御を行うことで、地域全体の観点からユーザに対して最適な無線通信によるインターネット接続が可能であることを実証していきます。500台もの機器を市町村規模で広域に展開するコグニティブ無線システムの実験は、世界でも前例がありません。通信量や制御方式の解析結果を基礎的なデータとして獲得するとともに、コグニティブ無線システムが持つ電波資源の選択制御機能により、各端末の通信速度が向上することを検証するテストベッドとして運用します。さらに、システム構成や運用方法についての検討結果を公表することで、合理的なコグニティブ無線規格の策定や新無線通信産業の創出への貢献が期待できます。この技術を検証・確立することにより、子供や老人の見守り、公共コンテンツの配信、交通の支援など、各種アプリケーションが利用可能な地域社会インフラとしての検討を進めていきます。

今後の展望

NICTが検討してきた高速で効率が良い無線利用を可能にするコグニティブ無線システムの方式を導入し、地域全体の観点からその効果を実証します。将来的に仮想移動体サービス事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)が事業展開する場合も想定しながら、最先端通信方式としてのコグニティブ無線システムの運用方法の確立を行います。コグニティブ無線システムのテストベッドにとどまらず、安心・安全のためのインフラとして応用する方法を検討していきます。

補足資料
図1 安心・安全な地域社会インフラを支えるコグニティブ無線技術
図1 安心・安全な地域社会インフラを支えるコグニティブ無線技術
図2 コグニティブ無線ルータとサーバによる無線資源選択
図2 コグニティブ無線ルータとサーバによる無線資源選択
図3 500個のコグニティブ無線ルータ(藤沢市周辺)とサーバ(NICT横須賀)による構成
図3 500個のコグニティブ無線ルータ(藤沢市周辺)とサーバ(NICT横須賀)による構成

用語解説

コグニティブ無線システム

コグニティブ無線技術

コグニティブ無線技術とは、無線機が周囲の電波環境を認識し、その状況に応じて、他のシステムに干渉を与えることなく、周波数帯域,タイムスロット等の無線リソースを適宜利用することにより,利用者が所望の通信容量を所望の通信品質で周波数の有効利用を図りつつ伝送を行う無線通信技術です。コグニティブ無線システムは、コグニティブ無線技術を用いて無線通信を行うためのシステムです。


コグニティブ無線(ワイヤレス)ネットワーク

コグニティブ無線ネットワークは、コグニティブ無線技術を適用した無線アクセスネットワークであり、認識された利用可能な無線システムの中から、混雑が小さい、などの電波利用状況に適した無線アクセスおよびネットワーク経路を選択する機能を持っています。コグニティブ無線ネットワークには、図に示すような「ヘテロジニアス型コグニティブ無線技術」と「周波数共用型コグニティブ無線技術」に基づいた2つのアプローチが考えられています。

コグニティブ無線技術

コグニティブ無線システムに関するプレスリリース 関連記事
http://www.nict.go.jp/press/2009/02/26-1.html
平成21年2月26日「IEEE 1900.4標準仕様の策定が完了 ~ 世界初のコグニティブワイヤレスネットワークに向けた基礎アーキテクチャ ~」
http://www.nict.go.jp/press/2009/03/03-1.html
平成21年3月3日「世界初のコグニティブ無線規格(IEEE 1900.4)準拠のモバイル無線ルータ ~ 周囲の電波利用状況に応じて、端末に適切なモバイル接続環境を提供 ~」
http://www.nict.go.jp/press/2009/05/07.html
平成21年5月7日「周波数共用型無線通信システムの基礎試作に成功 ~ 空き周波数を利用するコグニティブ無線基地局とコグニティブ無線端末 ~」

<研究内容に関する 問い合わせ先>
新世代ワイヤレス研究センターユビキタスモバイルグループ 原田 博司、村上 誉、石津 健太郎

Tel:046-847-5098
E-mail:

<広報 問い合わせ先>
総合企画部広報室
報道担当 廣田 幸子

Tel:042-327-6923
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