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広告効果が確認できる、ネットワーク活用型広告配信実験を開始

インタラクティブな広告配信技術の可能性を検証

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2010年12月8日

独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」。理事長:宮原 秀夫)、ナシュア・ソリューションズ株式会社(以下「NSC」。代表取締役:中村 康彦)、芝浦工業大学(以下「芝浦工大」。理事長:五十嵐 久也)は、北海道岩見沢市(以下「岩見沢市」。市長:渡辺 孝一)と共同で、ネットワークを利用して配信した広告の効果把握により、次回の広告をさらに効果的にするインタラクティブ広告配信システムの実験を行います。本広告配信システムの特徴は、店舗が作成・配信した広告を閲覧した住民が来店した際に、来店確認や購買確認を電子的に行うことで、広告効果を直接確認できることです。実験によって、ネットワークを活用した広告配信技術による地域活性化や経済効果、無線ネットワークの機能検証等を行います。

なお、本実験は総務省のSCOPE地域ICT振興型研究開発「地域ビジネスのためのユーザコンテキストに基づくリアルタイム広告配信システムの研究開発」の一環として実施します。

背景

地域経済活性化は国の重要課題のひとつであり、その中で地方の商店街の活性化も大きな課題となっています。近年のネットワークや携帯電話の普及により、 ICTを活用した広告配信やオンラインショッピングサービスなどが効果を上げる中、地域商店街は店主の高齢化やネットワーク整備・利用の遅れなどにより、 ICTの効果的な活用による集客活動が十分ではない状況にあります。

また、従前の新聞折り込みチラシ等による広告は、どのような人が見て、どれ位の人数が購買したか等の効果を把握することがまず不可能でした。最近では、電 子メールの広告もよく使われますが、事前に個人情報を登録する場合が多く、煩わしさと個人情報漏えいの懸念が課題となっていました。

実験の概要

今回の実験は、NICT開発の無線ネットワーク(NerveNet )を岩見沢市に敷設、NICT、NSC、芝浦工大共同で開発した広告配信システムを岩見沢市4条通り商店街の店舗が利用して広告配信します。実験参加者は岩見沢市近郊在住者が対象で、ウェブサイトから参加登録する形式です。場所と期間は以下の通りです。

(実施場所)北海道岩見沢市岩見沢駅前、北海道岩見沢市4条通り商店街
(実施期間)2010年12月13日~2011年3月末日
(参加登録方法)http://townguide.sntrial01.jp/ から登録


参加店舗には、広告の作成、入力、配信と来店者対応機能を備えた店舗用端末を設置します。各店舗用端末は、NerveNetを経由して岩見沢市自営ネット ワークやインターネットと接続します。実験参加消費者には、個人識別用の専用電子タグ、または固有のID番号が配布されます。参加店舗では、店舗用端末を 利用した広告配信や、消費者が来店や購入する際の認証等を行います。

本実験では、消費者が各店舗にて電子タグまたはID番号の提示(認証)により、煩わしい登録作業無しで、 個人情報漏えいの心配なく、広告に基づいたサービスが受けられることを確認します。また、この認証行為により、広告発信者側の各店舗では購買層並びに広告 効果を広告配信システムより簡単に把握できることも確認します。さらに、システム全体が有効に機能することも検証します。

期待される成果と今後の展開

今回の実験を通じて、ネットワークを活用した新しい広告配信技術が、地域における住民と店舗の結びつきをより強めて地域活性化に資する経済的効果を発揮することが期待されます。また、今回の実験によって得られる知見を基に、本システムの実用化に向け、継続的な実サービスを提供可能な技術を確立すべく、さらに研究開発に取り組んで参ります。

技術 解説

今回の実験で用いるシステムは、広告配信システムと無線ネットワーク(NerveNet)から成っています。

  • 広告配信システムは、各店舗の端末上で簡単に広告を作成して、即座にネットワーク全体の端末に配信することができます(図1)。また、広告受信者が事前に嗜好情報を登録しておくことにより、広告受信者の嗜好に応じた広告のみを配信することができます。加えて個人認証識別には、総務省が利活用を推進中の950MHz帯電子タグを用いることで、速やかな個人識別と、来店者数把握や広告効果測定を実現しています(図2)。
  • 店舗用端末と岩見沢市ネットワークとを接続するためにNerveNetを敷設しました(図3)。無線で相互に接続できる複数の通信装置を地域に配備(図4)することで、安価に通信エリアを構築することができます。また、端末だけでなくサーバも接続することができるため、インターネット不要でアプリケーションサービスを提供することもでき、低コストでセキュリティの高いネットワークとサービスが実現できます。そのため、自治体や再開発エリアなど様々な単位で様々な目的で敷設される自営ネットワークとして活用するのに適しています(図5)。

本実験では、新しいネットワークを活用した新しいアプリケーションの一つである広告配信に関して、情報提供側、情報受信側、ネットワーク運用側の各者が参画して広告配信技術とNerveNetの実用化に向けた技術評価、ノウハウの蓄積を行い、継続的な実サービスを提供する体制の確立を目指します。
具体的には、以下に示すポイントを本実験により検証することを目的としています。

  • 広告配信による地域経済の活性化
  • 地域情報サービス基盤モデルの確立
  • 無線基地局の設置と運用ノウハウの蓄積
  • システムの敷設、運用、利用者モデルの確立
  • 継続的なシステム運用に必要な関係者間の協力関係の確立
  • 安定的で実利用可能なシステムに不可欠な更なる開発項目の抽出

図1 店舗側からの広告配信のイメージ
図1 店舗側からの広告配信のイメージ
図2 消費者側における広告受信サービスの利用イメージ
図2 消費者側における広告受信サービスの利用イメージ
図3 敷設した無線ネットワーク及び実証実験区域
図3 敷設した無線ネットワーク及び実証実験区域
図4 岩見沢市に配備したNerveNetの基地局とアンテナ
図4 岩見沢市に配備したNerveNetの基地局とアンテナ
図5 NerveNetの概念図
図5 NerveNetの概念図

用語解説

SCOPE(Strategic Information and Communications R&D Promotion Programme)

戦略的情報通信研究開発推進制度の通称で、総務省による情報通信技術(ICT)分野の研究開発における競争的研究資金制度です。

NerveNet

NICTが新世代ネットワーク研究のひとつとして開発している無線ネットワーク技術です。地域問題解決と生活向上を担う地域社会基盤の実現のための技術を開発しています。

新世代ネットワーク

インターネットの改良だけでは解決が困難な社会問題の解決や、人や社会の潜在能力の開花とそれによる生活の質や生産性の向上を可能とする、白紙から新しく設計されたネットワークです。NICTを中心としたAKARIアーキテクチャ設計プロジェクトでは、2020年以降の実用化を目指し、全体設計および要素技術の研究開発をすすめています。
※ 参考URL:http://akari-project.nict.go.jp/

<本件に関する 問い合わせ先>
NICT新世代ネットワーク研究センター
井上 真杉

Tel:042-327-7506
E-mail:

岩見沢市企業立地情報化推進室榎本 尚司

Tel:0126-25-8004
E-mail:

ナシュアソリューションズ株式会社実藤 亨

Tel:03-3341-6003
E-mail:

芝浦工業大学工学部通信工学科 森野 博章

Tel:03-5859-8254
E-mail:

<実験への参加方法>
<報道関係 問い合わせ先>
NICT総合企画部 広報室 廣田 幸子

Tel:042-327-6923
E-mail: