2022年度 実践的サイバー防御演習「CYDER」の受講申込受付を開始

2022年5月17日

国立研究開発法人情報通信研究機構

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICTエヌアイシーティー、理事長: 徳田 英幸)ナショナルサイバートレーニングセンターは、2022年度の実践的サイバー防御演習「CYDER」*1の年間開催日程を発表し、本日から受講申込みの受付を開始しました。最新情報は、CYDERのWebサイトにてご確認ください。
*1 CYDER(サイダー): CYber Defense Exercise with Recurrence(サイバー防御反復演習)
*2 今回のご案内は、CYDERをスムーズにご受講いただけるように、年間開催日程の予定をお知らせするものです。状況によっては、今後、内容に変更があり得ることをあらかじめご了承ください。

1 CYDERについて

集合演習のイメージ

NICTナショナルサイバートレーニングセンターでは、政府のサイバーセキュリティ戦略等に基づき、国の機関、地方公共団体、重要社会基盤事業者や民間企業を対象に、2017年からCYDERを開発・実施しています。CYDERは、NICTのサイバーセキュリティ研究で得られた技術的知見と大規模計算環境を最大限に活用した体験型の実践的サイバー防御演習であり、セキュリティインシデントが発生した際の対応手順や事前の備え等について学ぶことができます。

2 演習プログラムについて

CYDERの演習プログラムは、「事前学習(基礎知識の習得等)」と「演習」で構成されています。演習では、組織のネットワーク環境を模した仮想環境で擬似的に発生させたサイバー攻撃に対して、具体的な対応の検討や、実際にツールを操作して対処を行う実践課題に取り組みます。課題を通じて「セキュリティインシデントの発生から事後対応までの一連の流れ」をロールプレイ形式で経験し、対応手順と具体的な対処を体験的に学ぶことが可能です。演習で体験する攻撃シナリオは、最新のサイバー攻撃事例に基づいたリアリティのある構成が特長であり、「平時の備え」や「被害を抑えるための対応」等に関して実務に活かせる気づきが得られる内容となっています。

3 2022年度 CYDERコース概要

ご自身の受講目的等に合わせてコースをお選びいただくことが可能です。

1) 集合演習
会場で実施する「集合演習」は、グループでの検討課題があり、講師・チューターの即時のサポートが受けられる、CYDERの主流な演習形式です。学習レベル別で3コースを提供します。

コース名
(レベル)
受講対象者 身に付くスキル
Aコース
(初級)
・情報システムに携わり始めたばかりの方
・インシデントが発生した際の対応者
・インシデントへの備えを学びたい方
・事前の備えとして何をすればよいかを理解できる
・インシデント発生時の対応の流れを理解できる
・ベンダーからの報告書を読み解くことができる
・コミュニケーションの重要性を理解し、適切に情報共有できる
Bコース
(中級)
・情報システム管理者・運用者
・情報システムの調達・企画・開発に携わる方
・インシデントが発生した際の対応者及び対応の指揮・管理に携わる方
・パソコン、サーバー、ネットワーク機器等のログを監査できる
・CSIRTメンバー、上司、ベンダー等と適切に情報共有し、主体的にインシデント対応ができる
・自組織のセキュリティポリシーを見直すことができる
Cコース
(準上級)
・セキュリティ対策・管理業務を統括する責任者
・インシデントが発生した際の対応を統括する立場の方
・予防的にインシデント対応業務の負荷軽減を検討する立場の方
・インシデント対応時に集まる情報を、その背景を含めて読み解くことができる
・インシデント対応時やその前後において、CSIRTメンバー、上司、ベンター等に適切な指示・報告・調整を行うことができる
・自組織のセキュリティポリシーを想定し、適切な対策を導入することができる

2) オンライン演習
オンライン標準コースとオンライン入門コースの2コースを提供予定です。「オンライン演習」の各コースは、他の受講者と協調してグループ課題に取り組む集合演習との併用を想定した、個人学習向けの構成となっています。集合演習の予習復習等、基礎知識の確認にご活用いただくことをお勧めしています。

コース名
(レベル)
受講対象者 身に付くスキル
オンライン
標準コース
(初級)
・情報システムに携わり始めたばかりの方
・インシデントが発生した際の対応者
・インシデントへの備えを学びたい方
・事前の備えとして何をすればよいかを理解できる
・インシデント発生時の対応の流れを理解できる
・ベンダーからの報告書を読み解くことができる
オンライン
入門コース
(入門)*3
・情報システムに携わり始めたばかりの方
・インシデント発生時の対応の学習をこれから始める、または、始めたばかりの方
・集合演習Aコースの受講に必要な最低限の知識(情報システムや情報セキュリティに関する基本的な知識)を持って、インシデント発生時の対応に備えることができる

*3本コースは現在開発中であり、受講対象者・身につくスキルについては、内容に変更があり得ることをあらかじめご了承ください。なお、本コースについて申込受付開始の連絡をご希望の方はCYDERのWebサイトのお問い合わせフォーム(https://cyder.nict.go.jp/inquiry/)よりお申込みください(お問い合わせ内容欄に、「オンライン入門コース開始連絡希望」とご記入ください)。申込受付開始後、速やかにご連絡を差し上げます。

4 2022年度 CYDER開催概要

1) 対象者*4: 情報システム担当者、セキュリティ管理者、CSIRT要員等
*4 オンライン演習は、集合演習の予習復習等を目的として受講される方や、「会場が遠い」等の事情があり、集合演習のご受講が困難な方を対象としています。
2) 開催日程等
集合演習: 全国47都道府県において合計100回程度開催予定(別紙参照)。
 コース名 レベル  開催時期  主な対象組織 予定開催数  開催エリア
Aコース 初級 7月〜2月 全ての組織 64回 全国47都道府県
B-1コース 中級 10月〜1月 地方公共団体 20回 全国11地域
B-2コース 1月〜2月 国の機関、指定法人、独立行政法人、重要社会基盤事業者等 13回 東京・名古屋・大阪・つくば
Cコース 準上級 10月〜2月 全ての組織 3回 東京
 
オンライン演習: オンライン標準コースは、5月24日より受講申込み開始及び開講予定。受講可能期間は7月19日まで*5
オンライン入門コースは、2023年1月開講予定。
*5 土日祝日及び集合演習の開催日(7月12日)を除きます。
 コース名 レベル  開催時期  主な対象組織 開催エリア
オンライン
標準コース
初級 5月〜7月 全ての組織 全国
(職場・ご自宅等)
オンライン
入門コース
入門 1月〜2月 全ての組織 全国
(職場・ご自宅等)
 

3) 受講費用

所属組織 対象コース 期間 費用(税込)
国の機関、地方公共団体等*6に所属されている方 全コース 事前学習 1時間程度

演習 1日間
無料*7
上記以外の法人・団体に所属されている方 Aコース
Bコース
オンラインコース
1受講  77,000円/人
Cコース 事前学習 1時間程度

演習 2日間
1受講 121,000円/人
 
*6 国の機関、地方公共団体、独立行政法人、指定法人(特殊法人・認可法人のうち、サイバーセキュリティ戦略本部が指定する9法人)。ご所属の法人・団体が無料対象かどうか不明な場合は、CYDERのWebサイトのFAQ(https://cyder.nict.go.jp/faq/)をご確認ください。
*7 無料受講の対象組織であっても、年度内に複数回受講される場合には一部制限がございます。詳細はFAQをご確認ください。

5 新型コロナウイルス感染症対策

新型コロナウイルス感染症対策として、内閣官房・厚生労働省からの提言等に基づき、以下の衛生管理態勢の下で演習運営をします。

<対策内容例>
・例年よりも広い演習会場を選定し、受講者同士の距離を1 m以上離して座席を指定。かつ、収容率が50%以下となるように徹底
・講師・チューター・受講者に対する検温の実施
・ 講師・チューター・受講者に対する会場での不織布マスクの常時着用及び消毒液等による手指消毒の徹底
・CO2センサー・サーキュレーターを設置し、室内の換気を徹底
・受講者間にはアクリル板を設置
・使用する機材(PCやマイク等)・会場設備(机やドアノブ等)の消毒

(参考) 2022年度の新たな取組について

上記に加え、本年度より以下のとおり「出前CYDER」「CYDERサテライト」の取組を試験的に実施します。
<出前CYDER>
集合演習をご受講いただく際、開催会場まで長距離移動を要するため、演習の所要時間に加えて移動時間も必要となる等、地理的・時間的な負担が大きいとの声を数多くいただきました。そこで、従来のようにNICTが各地にあらかじめ用意した会場にお越しいただくだけでなく、ご用意いただいた会場にNICTが赴く形の「出前CYDER」を実施いたします。本年度は試験的に、北海道(幌加内町)と高知県(須崎市)にて、近隣の地方公共団体にご所属の方を対象として秋頃に実施予定です。
<CYDERサテライト>
これまで集合演習は都市圏の演習回の受講希望者が多く、ご要望にお応えして同じ都市で複数回の開催を行ってきました。一方、講師・スタッフの人数には限りがあり、全ての受講希望に対応することは難しい面もありました。そのため、複数会場を結んで同時開催する「CYDERサテライト」を新設して効率化を図り、より多くの需要に応えることを目指すこととなりました。本年度は試験的に、近畿総合通信局において11月に実施予定です。

別紙: 2022年度CYDER集合演習開催日程

Aコース


B-1コース、B-2コース、Cコース

本件に関する問合せ先

サイバーセキュリティ研究所
ナショナルサイバートレーニングセンター
サイバートレーニング事業推進室
Tel: 042-327-5612

広報

広報部 報道室