タイトル Y2K対応について
渕井 享、栗原 則幸、大野 浩之

 当所におけるコンピュータ西暦2000年(Y2K)問題の対応にあたっては、年度当初、当所が保有するシステムについて、対策に要する経費を特別予算として計上しての対策に始まり、8月の末には問題発生の可能性を含めた総点検の実施、模擬テストの実施等が行われ、すべての対応が完了していることが確認されました。
 その後の取り組みとして、2000年を迎えるにあたっての危機管理体制の検討が11月中旬から行われ、当所における年末年始の出勤体制について検討を行った結果、周波数及び標準時の提供面で標準計測部、宇宙環境情報の提供面で平磯宇宙環境センターにおいて、1月1日の午前0時と午前9時(世界協定時)に出勤体制をとりました。
 また、併せて、停電時における対応と所内外への連絡・調整のため、総務部の関係職員も出勤しました。
 さて、新しい年2000年の午前0時を迎えたその状況はというと。

 西暦2000年を迎える日本の標準時を決定し、その時刻情報が正しく刻まれ、そして全国に正確に通報されることを確認するのが標準計測部スタッフの任務です。リアルタイムでのテレビカメラ取材が続く中、当所3号館3階「時計室」で創られた西暦2000年の"時(とき)"は、普段と変わることなくいつものように流れていきました。テレフォンJJY OK!、国際時刻比較システムOK!、計測システムOK!、計算機システムもOK!、遠く離れた福島長波局と茨城短波局からも元気なスタッフの"問題なし!"の元気な声が届きました。日本の標準時を安定に、そして信頼性高く供給することに威信を懸けた当所のY2K対策は、我々の完全勝利で幕を閉じました。

 西暦2000年問題とは別に、年末年始に不正アクセス(サイバーアタック)が大規模に行なわれる可能性が指摘され、内閣官房では専門家チームを結成して不測の事態に備えました。
 通信総合研究所からは大野がこのチームに参加し、大晦日から元旦にかけて首相官邸や総理府別棟にて徹夜で対応しました。結局この時は何も起こりませんでしたが、いずれ官庁に対するサイバーアタックがあるだろうと思いました。しかし、わずか3週間後に予想が現実になるとは予想だにできませんでした。

(総務部庶務課長、
標準計測部周波数標準課長、
通信システム部非常時通信研究室長)


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