タイトル 「けいはんな情報通信融合研究センター」を開設 人間中心の情報通信技術を目指して
中山 治人

図1 けいはんな情報通信融合研究センターの研究分野
開所記念シンポジウム
 近来の「IT革命」という言葉で象徴されるように、ネットワークを中心とする情報通信技術とその応用が社会で大展開する様相を見せています。このような社会の進展に併せて、ネットワークの性能を十二分に活用するアプリケーション技術やネットワーク利用のうえで人を支援するインタフェース技術の研究開発を推進すべく、通信総合研究所の2番目の研究センターとして、本年7月3日、「けいはんな情報通信融合研究センター」を関西文化学術研究都市(愛称けいはんな)に開設しました。
 当研究センターでは、高機能化・多機能化のための技術というよりはむしろ、人との触れ合い・人への優しさを大切にする技術「人間中心の視点からの技術」の研究開発を実施します。研究領域としては、図1に示すような、コミュニケーションの主体である人間のコミュニケーション特性に関する研究領域「人間情報」、最も自然かつポピュラーなコミュニケーションメディアである言語に関する研究領域「言語メディア」、情報量が最も多いコミュニケーションメディアである映像に関する研究領域「映像メディア」、これらの要素領域に基づく人と人/人とモノとのコミュニケーションを支援するインタフェースに関する研究領域「ヒューマンインタフェース」の4つを設定し、それぞれの研究領域において世界の最先端を切り開く先導的な成果の産出を目指すとともに、全研究領域の成果を反映した未来型ネットワーク社会の雛形を提示したいと考えています。
 なお、当研究センターの開所式・開所記念シンポジウムを10月31日に、オープンハウスを11月1日、2日に開催しました。シンポジウムの招待講演では、来春、大阪市にオープン予定のユニバーサルスタジオ・ジャパンのダグ・シーリー氏に「テーマパークにおけるIT革命 −ユニバーサルスタジオの挑戦−」という題で、また、特別講演では、京都大学の長尾総長に「グローバル化時代の情報処理技術と関西」という題でご講演をいただきました。シンポジウムには約300名の方々にご参加いただき、大変好評でした(写真1)。一方、オープンハウスでは、研究活動等をパネル展示やデモンストレーション等で紹介しました。今回のオープンハウスは、同じビルに入っているATR研究所群の研究発表会との同時開催でしたが、2日間で1200名にも及ぶ方々にご来場いただき、大変盛況なイベントとなりました。
 当研究センターはただ今草創期にいます。皆様方からのご支援・ご協力とともに、ご指導・ご鞭撻の程、切によろしくお願い申し上げます。


(けいはんな情報通信融合研究センター長)




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