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横須賀ITSセンター
高橋 鉄雄

  私の職場は、通信・放送機構(TAO)の横須賀ITSリサーチセンターです。 センターの場所は、品川駅から京浜急行久里浜線に乗り快特(一番速い電車)で約1時間、YRP野比駅で降り、バスで10分の横須賀リサーチパーク(YRP)内にあり、YRP2番館の隣り、松下通信YRP研究所の向かいに位置します。建物は平屋で広さは約1,200m2の広さがあります。

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▲写真1 横須賀ITSリサーチセンター外観

 プロジェクトの正式名称は、「ITS実現のための情報通信技術の研究開発」であり、その使命は、高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems:ITS)の早期実現のための研究開発を進めることで、高度な情報通信技術を駆使して、単に移動手段であった車を「動くオフィス」に変えることを目指すものです。
 ITSは情報通信、道路、車両、交通など広範な分野に及ぶものであるため、その研究開発は関係4省庁(総務省、警察庁、経済産業省および国土交通省)で取組まれていて、本センターでの研究開発は情報通信を所管する総務省の研究開発の一環として推進しているものです。平成11年度から始まり、3年間の短い期間でITSの有用性を社会に発信するとともに、我が国における情報通信の標準化に貢献し、研究成果を海外にも発表しようと計画しています。

写真2
▲写真2 光無線融合アクセス系試験システムと筆者
     
 本研究開発の特徴の一つに推進体制があげられます。5名の学識経験者(大学教授)をプロジェクトリーダー及びサブリーダーに、16名の研究員を三つの研究グループに分けて研究開発を実施しており、その研究課題とは、
  • ワイヤレスエージェント技術の研究開発
  • 光無線融合通信システム技術の研究開発
  • ワイヤレスマルチモード端末技術の研究開発
と、なっています。

16名の研究員は通信事業者、通信機器メーカー、自動車メーカーなどの企業から派遣されており、研究員と事務局兼務で国立の研究所から1名が委嘱されています。また、年齢も20歳代〜50歳代と幅広く、まさに世に言う「産学官連携プロジェクト」の典型であり、TAOの直轄研究として相応しい形態と言えるでしょう。

 リサーチセンター開設後約一年半になりましたが、この間の成果は、特許6件の申請、論文発表は現在投稿中を含めて58件(海外27件を含む)、また来訪者は1,047名(32%は海外から)と大変な数となっており、国内外から通信・放送機構がITS-RCを経営し、ITSの研究開発を推進していることが認知されつつあります。
 研究員は民間16法人から一人づつの出向・委嘱であるため、相互の意思疎通を図ることが大切であり、毎月何らかの交流行事を取組んでおります。(ソフトボール、駅伝大会、三浦マラソン、各種交流会等)現在、センター一丸となり13年度末の成果公開を目指し奮闘しています。
(ホームページhttp://www.yrp-its.tao.go.jp/

(通信・放送機構 横須賀ITSリサーチセンター事務局長)

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