タイトル 研究往来 第7回 光技術部 光通信技術研究室
―光ネットワークの未来を担う―

写真 光技術部 光通信技術研究室 プロフィール
1995年発足。情報通信基盤技術に関するプロジェクトの一員として、光ファイバ通信システムに関する研究を行う。先頃着任した中條渉新室長のもと、6名の研究官が各々の研究テーマに取り組んでいる。


 今回の『研究往来』は初めての試みです。従来は研究官おひとかたに登場していただいてお話をうかがってきましたが、今回は研究室全員、室内で研究に励むみなさんに対談形式で取材を行いました。どの研究室にもそれぞれカラーがあるようですが、果たして、今回の光通信技術研究室は???


まずは、みなさんの自己紹介からお願いします。

和田 98年入所の和田尚也です。室長代理をやらせていただきましたが、もうすぐ新室長が着任されるので、ホッとしているところです(*注取材時、中條室長はまだ着任されていませんでしたので、ここには登場されていません)。研究内容を一言で言うと、今、携帯電話の「CDMAone」ってありますよね。あれの光ファイバ版と考えていただければわかりやすいかと思います。夏は釣り、冬はスキーが趣味です。
梅野 同じく98年入所の梅野健です。光通信のカオスの研究をしています。このメンバーのなかでは『セミナー係』ですね。2週間に1回、みんなで議論する場を設定しています。趣味は神田の古本屋巡り。休日はふたりの子どものよいパパしてます(笑)。
淡路 96年入所の淡路祥成です。役割はコンパ係です(笑)。
和田 彼は研究所の一般公開のときなんかも大活躍なんですよ。デザインを担当して、ポスターも作ってくれるんです。
淡路 イラストレーターになるのは挫折しましたが…。趣味は夜遊び、それと旅行とかのイベント企画ですね。
外林 97年入所の外林秀之です。30才で、研究室内では最年少です。シャイなので、喋るのはあちらにお任せします(仕事の関係で退席。かわって久利さんが登場)。
久利 96年入所、淡路さんと同期の久利敏明です。光ファイバ無線の研究に取り組んでいます。メンバーのなかでは、みなさんの研究の成果、論文を管理する係です。
和田 それから、今日出席できませんでしたが、入所が一番早い中村(守里也)さんがいます。この研究所のことを一番知っているので、いろいろな手続きのしかたを教えてくれます。


まず、みなさんの共通の楽しみからうかがいたいのですが。

和田氏(左)と梅野氏(右)

淡路 音楽ですかねぇ。
和田 久利さんが本格的ですね。
久利 学生オーケストラに入れてもらって、ビオラをやってます。ついこの間、コンサートをやったばかりなんですよ。


練習はどうされているんですか?

久利 昼休みに大会議室で。所内で楽器の練習をする人は、みんなそこでやってますね。


みなさん、聴きに行かれるんですか?

和田 行ったことあるのは私と中村さんぐらいかな。
淡路 いろいろ所用がありまして、なかなか(笑)。
久利 (少しスネたように)いいんです。そんなもんです。
和田 中村さんも音楽は好きですよ。キーボードを3台ぐらい持ってますから。外林さんはオペラおたくだし、淡路さんはカラオケ大魔王(笑)。うまいですよ。外国からお客さんが来たときなんか、カラオケに行くと彼が英語の曲ばっかり入れるんです。

外林氏

得意なレパートリーは?

淡路 最近、邦楽はあんまり聴いてなくて…。洋楽だと軽めですけど、TLCとか。梅ちゃんも絶対音感あるじゃない。
梅野 子どもの頃、ピアノを少しやっていたので。今、息子がバイオリンをやっています。


その他のみなさんの共通点は?

淡路 みんなお酒が好き!
和田 量の多い少ないはありますが。
淡路 中村さんはウイスキー、私は日本酒、でも、和田さんは日本酒はダメでビール、久利さんはにごり酒、外林さんはワイン・・。


そんなにみなさんの好みが違うと、コンパ係としてはセッティングが大変では?

淡路 誰かに合わせるか、自分の好みで決めるかですね。そんなに頻繁に行けるわけじゃないし、月に2回ぐらいですかね。
和田 はっきり言ってみんなの共通項って研究しかないような気がします…。研究を除くとバラバラですね。
淡路 でも、みんな仲はいいですよ。あんまり干渉しないだけ。みんな好き勝手にやってて、それでうまくいってるんですから。
梅野 みんな同世代だしね。必要なときはみんなで集まって話し合うけど。


研究面での協力などは?

梅野 基本はひとり1研究なので。手が足りないときは、お互いに助け合うこともありますが。
久利 研究テーマが広いですからね。
和田 この研究室のテーマは、大学ほど基礎ではないけれども、民間でやるにはリスクが大きすぎる。実用化されたときには経済効果も大きいのですが。
梅野 今、話題のCDMAだって、80年代に開発されているんですが、その時点では一般には誰も知らなかった。研究者の夢としては、自分の研究が産業を起こし、みんながそれを使い、社会生活の質的向上がはかられれば。少なくとも、私はそう思って研究に取り組んでいます。研究の成果は特許とかではっきり出るわけだし、研究機関同士の競争もありますし…。


研究室内がイヤな雰囲気になることなんかありませんか?

淡路氏(左)と久利氏(右)

梅野 1時間の予定のミーティングが大幅に延びることがあります。お互いの研究に対して徹底的に議論することがありますから。でも、手は出ませんよ(笑)。
和田 ときにはぶつかることがないと、お互いに理解できないですからね。でも、あとをひくようなことはありませんね。研究者としては、自分の言い分に信念を持っているわけですが、相手の方が正しいと認識したときに、それを素直に受け入れることが大事だと思います。


それでは、最後に一言ずつお願いします。

和田 室長さんが決まってホッとしました。でも、いい経験になりました。
梅野 光カオス通信がものになるように、頑張ります。
淡路 これからも変わらず、マイペースでいきます。
久利 私の研究は利用者に近いところの研究なので、早くものになって、活かされるようになればいいなと思います。これまでは前室長の北山研一さん(現大阪大学教授)の知名度で認知されていた研究室だったと思うんですが、これからは研究室の名前が世界に通用するようにしたい。そのためにも新室長のもと、一層頑張らなければ。


(取材・文 中川 和子)


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