タイトル 温湿度制御機能付き電波暗室の整備
宮澤 義幸
写真 装置外観
写真 装置内部

 通信総合研究所では、無線機器の高精度測定技術確立のため、平成10年度に温湿度制御機能付き電波暗室を整備しました。
 本設備は、発泡ポリエチレンを素材とする電波暗室を大型チャンバーでくるむサンドイッチ構造でできており、従来では困難であったアンテナ一体型無線機器の特性を、温度及び湿度を変化させながら計測することが可能な、世界初の設備となっています。
 従来、アンテナ一体型無線機器の特性を計測する場合は、電波暗室等で加工する前のアンテナ特性を計測し、アンテナ接線を引き出した状態で、温湿度を変化させながら送受信機の特性を測定していました。しかしアンテナを取り付けた状態との差異が大きく、より高精度で計測できる設備及び技術が求められていました。
 本設備を用いて、携帯電話やPHSなど、ますます小型軽量化するアンテナ一体型の無線機器の特性をより高精度で計測する技術を確立するとともに、遭難救助用のEPIRB(非常位置指示無線標識)及びレーダートランスポンダーの型式検定試験等も行う予定です。
 主な仕様は以下のとおりです。

(標準計測部測定技術課審査認証係長)
仕 様
温湿度制御部
外寸:長さ9.3m 幅5.5m 高さ4.6m
内寸:長さ9.1m 幅5.3m 高さ4.1m
温度制御:−30℃〜+70℃(±0.5℃で制御可能)
湿度制御:30%〜95%RH(±0.3%RHで制御可能)
電波暗室部
シールド面寸:長さ8m 幅3.5m 高さ3.5m
室内最小寸:長さ6.8m 幅1.9m 高さ1.9m
クワエットゾーン(3m内 不要入射特性)
400MHz(−23dB)〜10GHz(−50dB以下)


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