電気通信ネットワークの技術動向と課題


橋本 明

  

1. はじめに
 高度情報社会の基盤として電気通信ネットワーク は質的転換の時期を迎えており、従来の電話網に代 わって、より多彩なサービスを提供しうるサービス 統合ディジタル網(ISDN)の早期実現が世界的関 心事となっている。また21世紀のネットワークとし て通信に人工知能技術を導入した総合知的通信網 (UICN)の構想も提唱されている。多くの基盤技術 に支えられた通信網の将来形態を的確に予測するこ とは困難であるが、本稿では発展のトレンドをいく つかに分類し、今後の技術的課題について述べるこ ととする。

  

2. 電気通信網の発展過程
 通信網高度化の過程において今後実現される技術 的発展をサービスの改善という面から定性的に分類 すると次の3つの側面があると考えられる。

 まず第1番目はサービスの質的向上である。情報 メディアの多様化、処理機能の高度化により、今ま で人間の知恵を借りねばできなかったことが通信シ ステムによって実現される。この側面は特に生体情 報工学と電気通信の融合によって発展の基盤が築か れるであろう。

 2番目は、サービスの地域的拡大及び即応性の向 上である。これには、いつでも、何処でも、誰とで も可能な通信を指向した移動通信、サービス面で距 離と地域差を克服しうる衛星通信など電波の有効な 活用がキーテクノロジーとなる。

 3番目は情報伝送の高速化・大容量化という側面 である。光ファイバによる超多重伝送技術、周波数 の高密度利用に関する技術(移動通信における小ゾ ーン方式、衛星通信におけるマルチビームの活用)、 また時間軸を有効活用するパケット通信技術等もこ の範疇である。これらの成果は通信サービスを経済 的に提供する基盤の構築に貢献することになる。

  

3. 電気通信網の構成要素と課題

3.1 ディジタル化の展望
 通信綱を構成要素別にとらえると、情報の蓄積・ 変換・接続を行う“ノード”、ノード間をつなぐ“リ ンク”、及び端末から成り、ノード、リンクは更に 加入者系と中継系に分類される。

 図1は2000年における各構成要素のディジタル化 率の予測である。ディジタル化は中継系の設備が先 行しており、現在の通信網の資産構成において75% 以上を占める加入者系設備の大部分はアナログ方式 によって構成されている。2000年には中継系は100 %ディジタル化が完了し、加入者系もノード部分は 大半がディジタル設備になると予想される。一方、 加入者系リングのディジタル化率については、ISD N端末の全加入者に対する普及率が2000年において 15〜25%(加入者数にして1000万〜1500万)と予想 されるのでほぼこれと同じオーダーになるものと考 えられる。従って、今後のISDN発展の鍵は加入 者系のディジタル化にあると言える。


図1 電気通信網ディジタル化進展

3.2 端 末
 端末は人間の機能を如何に代行できるかという観 点から、全ての側面にわたって、今後改善すべき事 項は多い。将来高度なサービスをあらゆる階層のユ ーザーに普及させるにはマン・マシンインターフェ ース特に、プログラミング言語の改善、各種メディ ア変換技術、画像認識と立体画像通信、自動翻訳な どが重要な課題と考えられる。さらに端末のコード レス化についてもISDNに統合された広域移動通 信の先駆けとして精力的な研究が必要となろう。

3.3 リンク・加入者系
 わが国では既にISDNのユーザ・網間基本イン ターフェース速度(144kb/s)によるサービスが開 始されている。当面のISDNサービスはメタリッ クケーブルでも対処可能であるが、更に高速のサー ビスを提供するには光ファイバまたはマイクロ波帯 以上の無線方式を導入していく必要がある。

 一方移動通信網はサービスの広域化に大きなイン パクトを有しているにもかかわらずディジタル化の 進展は固定網に遅れをとっており、またISDNヘ の接続法、電波利用方針も今後の課題とされてい る。2000年における需要数予測によると、各種移動 端末の合計は1000万程度に達すると想定され、これ らの需要を賄う周波数帯の確保と固定網との接続は 加入者系ネットワークの大きな課題となる。

3.4 リンク・中継系
 中継系の大容量化については一対当り1Gb/s以 上を伝送しうる光ファイバの実現により、21世紀初 頭を想定した需要を賄いうる基盤ができつつある。 光ファイバについては更に大容量化の努力が続けら れている。また将来的には、高速のTDMAパケッ ト接続機能を有する広域無線(衛星または地上)方 式はISDNにおけるリンク・ノードを統合した機 能が期待できるので無線通信の新しい応用分野・研 究対象となるであろう。

3.5 ノード
 従来の通信網におけるノードの主たる機能は交換 機能であった。速度の異なる大量の情報を効率的に 処理するために、現在の電話交換で採用されている 回線交換に代わってパケット交換が主流となり、い ずれは放送信号のような広帯域信号を大規模に処理 する超多元広帯域交換機が出現しよう。また今後の ノードには各種情報の蓄積・交換・翻訳等を行う通 信処理機能が付加され、将来は人工知能技術が導入 されてUICNの中核として機能することになろう。

3.6 網トータル
 広帯域ISDNの骨格となる高速同期網の網間イ ンターフェースがCCITTで確立され、高速・広帯 域ISDNに対しても国際標準化が逐次進展してい る。一方、網が満たすべき品質・信頼性については 一部を除いて標準化研究はあまり進展しておらず、 今後検討すべき課題は多い。

 (2.,3.で述べた主要事 項を表1にまとめる)

表1 通信網各構成要素に要求される今後の課題

  

4. 移動通信網と ISDN
 近年移動通信網において もディジタル化の機運が高 まっている。移動通信網の ディジタル化に際しては固 定通信網で議論された諸々 の事項に加えて以下の諸点 を考慮する必要がある。

 (ア) 利用者から見たサービス上の改善点。

 (イ) 移動網単独で考えた場合の経済性。

 (ウ) 周波数有効利用に対する要求、劣悪な伝搬路 の克服など技術的条件。

 上記(ウ)のような条件がある場合、冒頭に述べたよ うな質の高いサービスを追求することばかりが発展 の方向とは限らない。帯域利用や価格の面で経済的 な方式を実現し、広範に普及させることによって利 便の向上を図るというアプローチも考えられる。

 移動通信サービスに固定網(ISDN)と同等のサ ービスが求められるかどうかは移動体の種類にも依 存するので、ISDNとの関連を一律に考えることは できない。移動体の種類に対して、ISDNサービス の早期実現を、サービスの必要性と技術的実現性の 二面から定性的評価を行って見る。サービスの必要 性の面では、電話以外の利用に対する需要が多いか 少ないかが一つの評価ファクタであり、技術的実現 性の面では、移動体の特性(速度、移動経路、移動 範囲等)から考えて高速移動に伴う伝搬路劣化の克 服が困難か容易か、及び電波需要へのインパクトが 大きいか小さいかが重要な評価ファクタとなる。こ のような観点から移動体システムはおよそ次の4グ ループに分けられよう。

 (a) 屋内及びその周辺をサービスエリヤとするコ ードレス端末。

 (b) 船舶・列車等長距離輸送を中心とするシステ ム。ISDNサービスに対する緊急需要は少ないと考 えられるが技術的には比較的実現しやすい。

 (c) 可搬型電話等近距離移動を中心とするシステ ム。固定網の補完手段としてISDNサービスに対 する需要も多いが、技術的にはやや困難を伴う。

 (d) (c)と同様であるが、移動速度、移動範囲、端 末需要数等から考えて技術面で相当の困難が伴う自 動車通信のようなシステム。

 これらのシステムがISDN化のトレンドに沿っ た今後のサービス形態を逐次問われていくことにな るが、例えば図2の如くISDNへの統合を段階的 に進めていくことも一つの方法であろう。


図2 ISDNへの統合時期の想定

  

5. むすび
 電気通信網の変革は、中継系から加入者系へと進 行している。研究者にとってこれまで以上に利用者 の側に立ったブレークスルーが必要であり、このこ とは通信系と人間機能との関わりを追求することに 帰着する。本稿の後半では移動通信網とISDNの 関連を取り上げたが、個々の要素技術の研究開発に 加えて、電波利用方針、端末・網間接続の標準化な ど政策面の課題克服も必要であろう。

(総合通信部 統合通信網研究室長)


南 極 越 冬 記


電磁圏伝搬研究室 稲森 康治

向井 裕之

 第28次南極地域観測隊(昭和基地越冬隊29名、あ すか基地越冬隊8名、夏隊15名)を乗せた砕氷艦 「しらせ」は、昭和61年11月14日に東京晴海埠頭を 出航した。途中、オーストラリアのフリーマントル 港に寄港し、その後南極へと向かった。

 今次隊のビッグプロジェクトは、昭和基地の西南 西約650qにある、あすか基地で、セルロンダー ネ山脈周辺の雪氷・地学観測を中心とする隊員8名 を初めて越冬させることであった。

 12月中旬に開始したあすか基地建設作業は、寒さ にまだ慣れぬ身体と、一日中太陽に照らされた真っ 黒な顔で、風の弱まるのを待っての深夜の作業や、 連日の雪上車による大量の荷物のピストン輸送(約 300t)であった。

 約6週間のあすか基地建設作業の末、昭和62年2 月8日に8名が越冬を開始した。我々、昭和基地越 冬隊は、あすか基地建設作業を1月4日まで行った 後、昭和基地へ向かい、1月9日に到着した。上陸 の感激を味わう暇もなく基地内には、○○セメント 会社、××運送、△△建設etc……と、多種の企業 が設立され、毎夕食後のミーティング終了後、今夜 は、○○セメント会社、明日は、△△建設と、とら ばーゆの連日であった。

 2月1日には、27次隊が帰国し、激しい夏作業も 峠を越え、28次隊の越冬が始まった。

 電離層定常観測である電離層観測、リオメータ観 測、オーロラレーダ観測等を稲森が担当し、超高層 モニタリング、マルチビームリオメータ、電磁環境 モニタリング等の宙空研究観測を向井が担当した。

 電離層定常観測は、越冬中、大きな故障もなく順 調にデータが取得できた。

 6月1日の夜に、電波の日を祝って電離層棟内に て祝賀パーティーを開催した際、28次隊での最高風 速49.3m/sのブリザードが到来し、外出禁止令が発 令されたため、数名が居住棟に戻ることが出来ず電 離層棟内で、楽しく一晩飲み明かした思い出がある。

 また、向井がチーフとなって観測した電磁環境モ ニタリングは、冬明けの8月に行った。この観測は、 携帯・車載無線用のVHF帯(149.25MHz)電波を基 地周辺で電界強度測定することであった。大陸氷床 上で距離測定の際は、巻き尺により、尺とり虫の要領 で数qに渡りテクテク歩いて測量した。厳しかっ たが南極大陸の大自然を踏み締める事が出来た。

 越冬中は、観測ばかりしている訳ではなく、週3 回映画上映、週3回バー開店、毎月1回誕生会、祝 祭日にもパーティー、旅行遠征隊の歓送迎会、南極 の冬至(6月22日)恒例のミッドウインター祭は4 日間連続お祭騒ぎ、各種氷上運動会、ペンギン・ア ザラシ観察等々思い出多い越冬生活であった。

 最後に、二人とも大きな事故もなく楽しい越冬生 活が送れ、南極越冬という貴重な機会を与えて下 さった皆様に感謝いたします。


めずらしいコウテイとアデリーペンギンのお散歩


≪随筆≫

東京の夏と父


森 忠久

 東京の夏の風物詩と言えば、まず夏祭を挙げる人 が多い。5月に始まる神田明神、浅草の三社祭り、 6月に入って赤坂の日枝神社の祭り、8月には深川 の八幡神社の祭り等東京の祭りを数えあげれば枚挙 にいとまがない。このような神田、浅草、深川と いったいわゆる下町の大規模で動的な祭りは、江 戸っ子気質の象徴でもある。

 しかし、広い東京は下町ばかりではない。東京の 山の手といわれる地域に生れ育った我々東京人に とっては、夏の縁日といわれるものの方が馴染みが 深い。この6月に明治生れの自分の父・母が相次い で他界した。特に父は、縁日をよく好んだ。縁日と は、神仏がこの世に係わりを持つ日であるが、神仏 事の都合で決まっているらしい。縁日は、夏に限る ものではないが、カーバイト、裸電球の露店が並ぶ 境内の舞台は、下駄とゆかた文化を保持していくに は欠かせないものである。

 毎月4日に開かれる巣鴨のとげぬき地蔵の縁日、 10日の虎ノ門の金比羅宮、28日の目黒不動等父 は、休日あるいは勤め帰りに、植木や風鈴等を手 に、戻ってきたのを想い出させる。

 我が家はどういう訳か、王子電車と呼んでいた都 電荒川線沿線の巣鴨、雑司ヶ谷、板橋に居を移しな がら大正から今日に至っている。国電山手線の駅名 で言えば、大塚、目白、池袋附近ということにな る。自分にとっては、東京大空襲の戦禍をはさん で、子供時代を過した雑司ヶ谷は特に印象が残って いる。今はさびれているといっても、良く言えば、 昔の風情を残している雑司ヶ谷には、王子電車、雑 司ヶ谷墓地、縁日と秋の万燈祭りでにぎわう鬼子母 神があった。植木、盆栽の立ち並ぶ夏の縁日は、庭 を愛した父の思い出にもつながる。山の手の庶民の 典型と思われる戦前の雑司ヶ谷の家、戦後長く住ん でいた板橋の家には、木立ちの下に、防火用水とは 別に2〜3の大きな水がめが置いてあった。このか めを満たす水は雨水である。つゆの時期等このかめ に睡蓮の葉を浮かべ、めだかを泳がせていた。明治 生れは、庭木と水がめと風鈴で、夏の涼を呼ぶすべ を良く心得えていた感じがする。

 「きんぎょきんぎょーめだかに、キンギョー」の 中では、私はめだかを勧めたい。しかも透明なガラ スケースではなく、めだかは、かめで育てるに限 る。めだかの泳ぐ姿は、そのスタイルからみても涼 しげである。一ぴき何万円とかいうめだかは聞いた ことがない。短命なのだろう。冬、かめの水が全面 凍結してもかめの底に息をひそめ、春にはちゃん と、ひとまわり小さい小めだかを誕生させてくれ る。

 東京の夏の夜は、縁先の線香花火と隅田川の花火 が欠かせない。私は、花火には、思い出を語る話と てないが、出生が月島であった父は、隅田川に架か る多くの橋の名を諳んじていた。父が、隅田川を語 るのは、花火ではなく、明治から、大正、昭和の時 代を、橋を通じて語る場合である。関東大震災の教 訓を得て頑丈につくられた三連アーチの厩橋、隅田 川十三橋とよばれる橋の中で最も美しい吊橋形式の 清州橋、隅田川のしんがりの勝閧橋は、日露戦争の 戦勝にちなんで名付けられたらしい。

 一年ほど前、或る方の趣向で、両国橋近く、神田 川に架かる柳橋のふもとから屋形舟を繰り出し、隅 田川の橋の下を何本もくぐった。もっとも、屋形舟 の中はカラオケ大会ではあったが。

 東京の隅田川には、歴史を語る橋が多い。父が他 界し、私の記憶の中にある東京の夏も、明治は遠く なりにけりであろうか。

 昭和63年文月

(次長)


短 信

料学技術会議 情報・電子系科学技術の研究開発基本計画策定を開始

 科学技術会議(議長:内閣総理大臣)は、諮問15号 「情報・電子系科学技術に関する研究開発基本計画につ いて」を受け、同計画の答申策定に着手した。答申は、 21世紀を見通して、今後おおむね10年間に行なうべき研 究開発を総合的、体系的にとらえ、その目標の設定及び 推進方策の提示を行うものとされている。

 科学技術会議は、政府の科学技術政策の総合的な推進 に資するため、法律にもとづいて総理府に設置された内 閣総理大臣の諮問機関である。諮問15号の審議は、情報 ・電子系科学技術部会及び同分科会において行われる。 当所では、電気通信フロンティア研究など同分野の研究 を推進していることから、部会、分科会にそれぞれ所 長、企画調査部長が専門委員として審議に参加している。

 参考までに、同会議から出された最近の答申を以下に 示す。これらはいずれも国立試験研究機関のみならず、 我が国の科学技術振興の基本方向を示すものである。

10号答申「ライフサイエンスにおける先導的・基盤的技 術の研究開発基本計画」
    (昭和59年4月)

11号答申「新たな情勢変化に対応し、長期的展望に立っ た科学技術振興の総合的基本方策」
    (昭和59年11月)

12号答申「科学技術政策大綱について」
    (昭和60年12月)

13号答申「国立試験研究機関の中長期的あり方」
    (昭和62年8月)

14号答申「物質・材料系科学技術に関する研究開発基本 計画」
    (昭和62年8月)

極限分解能に挑戦

 今年度、創設された科学技術振興調整費「国際流動基 礎研究」(全体で8課題実施予定)の一課題として、当 所から提案した「極限分解光イメージング技術に関する 研究」が採用された。本研究制度は、一省庁及び一研究 機関の枠を越えた研究であること(省際性)、外国人研 究者も参加すること(国際性)、将来広い波及効果を持 つ基礎研究であること(基礎性)が必要とされ、優れた 研究リーダーを中心として、人中心の運営を図ること等 が特徴である。

 本研究では、宇宙通信部有賀規室長を研究リーダー とし、大型望遠鏡とレーザ技術を駆使して、極限の分解 能を持つイメージング技術の研究を行なう。研究では、 赤外域で取得する映像について、大気擾乱の影響を補正 する技術の研究を行ない、ついで赤外へテロダイン干渉 技術に挑戦する。研究の主要施設として、宇宙光通信地 上センターの口径1.5m望遠鏡が使われ、内外の研究者 十数名が参加する。


テレビジョン学会丹波高柳賞論文賞受賞

 5月28日、総合通信部放送技術研究室都竹愛一郎研究 官は、標記論文賞を受賞した。
今回の受賞対象となった論文の題目及び概要は次のと おりである。

テレビジョン学会誌 昭和62年7月号掲載
概要:テレビジョンゴースト波を高速かつ高精度で測定 する装置の研究開発を行なった。この装置により、大気 の屈折率の変化によるゴースト波の位相変動を明らかに し、さらに送信アンテナやピルの僅かな揺れを捕えた。

 本研究は、航空機によるフラッタ障害の解明や、位相 変動を伴う同期放送の混信妨害の測定及び評価への貢献 が期待される。

郵政研究所

 郵政研究所は、中長期的観点から郵政省の政策に関す る基礎研究を行うシンクタンクとして、6月10日付で、 郵政省飯倉分館内に設立された。
 同所では、
 (1) 郵政事業に関する基礎的な研究調査
 (2) 事業用品の研究、改良、考案、試験等
 (3) 郵政に関する文化の啓発普及
 (4) 上記各号に掲げる事務に関する資料及び情報の収 集、整理等
を行うこととしており、そのために、
 第一〜第三経営経済研究部
 情報システム研究部
 技術開発研究室
 附属資料館
の4部、1室1資料館が設けられている。
 当所では、衛星通信の郵政事業への応用の研究等のテ ーマについて連携を強めていくことにしている。

中山郵政大臣稚内電波観測所を視察

 中山正曄郵政大臣は北海道北部の通信事情の視察の ため宗谷地方を訪れた。6月21日、稚内空港に到着した 大臣は金子俊明北海道電気通信監理局長ら一行約30名 の人たちと共に宗谷岬の平和の塔を訪れたあと、当所稚 内電波観測所を視察された。観測所では、鈴木誠史研 究所長から稚内電波観測所の概要説明があり、本土最 北に位置する稚内での電波・電離層観測の重要性を強調 すると共に、当所の電波観測所間で構成される観測ネッ トワークを用いた衛星電波の多点観測等の研究観測計画 も紹介した。

 その後、大臣は電離層観測施設を見学され、電離層観 測機や6月から本格的に運用を開始したイオノグラム自 動処理端末について説明を受けられ、電波擾乱予報のテ レホンサービスについては興味を示され質問もされた。 翌22日には、フェリーで利尻・礼文島へ渡り、島の郵便 局、電報電話局等を視察のあと23日に帰京された。

ロゴ決まる

 今、民間企業では経営理念や、企業イメージの定着を 図る為に、CI(コーポレートアイデンティティー)戦略 が盛んである。お堅いイメージのある大学でもUIたけ なわ。
 それにあやかって、 という訳でもないが電 波研究所が通信総合研 究所と衣替えしたのを 機に、ロゴを作ろうと いうことになった。
 部長会議メンバーの ポケットマネーを財源とする、賞金の獲得をめざして、 否、我こそは美的センスの持ち主なりと、寄せられた作 品はなんと138点。所内いたるところ支所、観測所から も、研究職も行政職も、老若男女を問わず、応募し、な かには自薦、他薦もかまびすしく、事務局への陳情組も 出た由。


 全所での人気投票の動向も加味して、スポンサーであ る部長会議で基本デザインを選定、最終的にはプロのデ ザイナーの手を借りてようやくロゴが完成した次第であ る。
 ロゴのデザインについては商標登録を行うが、今後は このロゴを基軸に広報活動を展開していきたいと、広報 担当者の弁。