西太平洋VLBI実験結果


浜   真 一

  

はじめに
 日本列島は図1に示すように4つの大きな地殻プ レートが接するところに位置しており、地球物理学 的にみてたいへん興味深い場所である。通信総合研 究所では、この4つのプレートの相対運動を測る目 的で西太平洋電波干渉計の構築を進めているが、こ の夏、太平洋プレート上にある我が国唯一の陸地であ る南鳥島と、初のVLBI実験を行った。写真は南 鳥島に設置された10mφアンテナである。


写真 南島島に設置された10mφアンテナ


図1 日本周辺のプレート及び実験参加局

  

実験の目的
 当所は、西太平洋電波干渉計計画の一環として、北 米プレート上にあると考えられている茨城県鹿島町 に34mφのアンテナを、また南鳥島に10mφアンテ ナを建設した。この二つのアンテナの間で定期的な VLBI実験を行ない、両局間の距離の変化を測定す ることによって、太平洋プレートが日本列島の下へ 沈み込む速度を日本国内だけの基線で求めることが できる。このようなプレートの動きは日本付近の地 殻変動や大地震の原動力であり、地震予知のための 貴重なデータを得ることができる。また世界的に見 ても、これまでVLBI観測を行ってきたマーシャル 群島のクワジェリン局が廃止された現在、太平洋 プレート上の数少ないVLBI局として南鳥島局は 重要である。
  

実験の概要
 実験は南鳥島・鹿島・中国上海の三局が参加し、 1989年8月に行なわれた。参加局は図1に示すよう に三つのプレートにまたがっている。
 南鳥島関連の実験日程を表1に示す。機材・人員 の輸送はアンテナを除くとすべて自衛隊の飛行機に よるしかなく、週一回の定期便と月一回の特別便の みである。日程の決定や変更等に際しては、その都 度自衛隊との事前の打ち合わせを行なった。南鳥島 局との通信は、インマルサットを用いた電話による 定時連絡ができ、非常に役立った。

表1 南鳥島関連の実験日程
89年3月10mアンテナを船で南鳥島へ
5月南鳥島でアンテナ基礎工事
6月アンテナ組み立て
7月実験機材を鹿島から搬出
7月フリンジテスト
8月24時間測地実験
8月実験機材を南鳥島から撤収
8月〜10月データ処理・解析

 南鳥島用10mφアンテナの特性を表2に示す。南 鳥島での観測機器の運用は、パーソナル・コンピュ ータによる自動運用ソフトウェアを利用した。南鳥 島局では水素メーザを使用せず、長周期成分をセシ ウム標準でロックした高安定度水晶発振器による小 型軽量の周波数標準を用いた。

表2 南鳥島10mφアンテナの特牲
鏡面精度0.8mm rms以下
受信周波数帯Sバンド 2200〜2320MHz
Xバンド 8180〜8600MHz
偏波右旋円偏波
給電方式Sバンド フロントフィード
Xバンド カセグレン
アンテナ雑音50k以下(E1<45゜)
マウント形式Az - E1(方位角−仰角)型
駆動測度10゜/ sec、E1 7゜/ sec
駆動範囲Az±360゜、E1 -2゜〜 + 182゜
耐風速60m/sec以上
受信機 (S)常温FET G/T=22.2dBK
受信機 (X)常温FET G/T=32.0dBK

 南鳥島ではいくつかのトラブルもあったが、関係 者の協力で実験を遂行することができた。
  

実験結果
 相関処理は鹿島センターで新しく開発したソフト ウェアで行なった。南鳥島局位置の初期値には海上 保安庁水路部によるSLR(衛星レーザ測距)の測定値 を用いた。Xバンド(8GHz帯)では良好な相関が得ら れた。しかしSバンド(2GHz帯)てば、個々のチャネ ルの相関は出たものの、バンド幅合成はうまくいか なかったため、Xバンドのデータのみを用いて基線 解析を行なった。この原因としては、位相校正信号 になんらかの不整合または位相校正周波数における 混信があったと考えられる。
 これらのトラブルにもかかわらず、表3に示すと おり基線長(アンテナ間の距離)で、3p程度という 高精度な基線解析結果を 得ることができた。誤差の 大部分は天頂方向の成分に 起因しているが、これは二 周波による電離層遅延の補 正ができなかったためと考 えられる。

表3 基線解析結果(VLBI座標系)

 今回は受信部の増幅器が 不調でシステム雑音も高 かった。またSバンド系に 問題があり、電離層遅延の 補正ができなかった。次回 はこれらを改善し、さらに 高い測位精度を得ることを 期待している。
  

おわりに
 今回実験のため南鳥島に行ったメンバーは、次々 と訪れた台風のため本土に帰るのが二週間も遅れて しまった。たび重なる日程の変更は、時間のロスや 手続きのやり直しだけでなく、当人の生活的負担も 大きなものがあった。また現地の機械類は限られて いるため、K-3型データレコーダのような大きく 重いシステムを毎回運送するのはたいへんである。 潮風による塩害も大きな問題である。
 次回の実験ではSバンドの問題を解決し、また台 風の来ない季節は行なう予定である。データレコー ダも、カセットテープを用いた小型軽量のK-4型 を利用することにより、実験の負担を軽減すること ができるであろう。K-3とK-4のデータレコーダ の比較を表4に示す。

表4 K-3とK-4のレコーダ比較

 最後に、現地でお世話になった自衛隊及び気象庁 の方々、またこの実験を支えて頂いた当所の関係各 位に謝意を表します。特に台風の中でのアンテナ駆 動に協力して頂いた方々には頭の下がる思いです。

(関東支所 鹿島宇宙通信センター 第三宇宙通信研究室 研究官)

VLBI(Very Long Baseline Interferometry):超長基線電波干渉計



旅の仲間たち
−「あけぼの」衛星による磁気圏イオン観測−


佐 川  永 一

  

待ちに待った誕生
 平成元年2月22日、午前8時30分、約1か月にわ たる鹿児島宇宙空間観測所(KSC)での準備期間のの ちに打上げられた第12号科学衛星(EXOS-D)は3 時間30分後には地球を1周して人口衛星となり、打 上げに参加した人の投票をもとに「あけぼの」と命 名された。英語の’Aurora’には明け方という意味 がありオーロラを観測目的としている衛星にふさわ しいきれいな名前となった。この衛星の開発に携 わった人たちにとってはこれまでの長い準備期間の 苦労を忘れる一瞬であった。衛星は極域の現象を観 測するためには選ばれた軌道傾斜角75度、遠地点高 度約10,000qの予定軌道に入り大成功の打上げであ った。
  

誕生にいたるまで
 人口衛星による観測が実現されるまでは長い年月 が必要である。「あけぼの」の場合も例外ではない。 昭和56年に東北大学大家教授や現在当初の客員研究 官でもある京都大学木村教授を中心にオーロラと地 球磁気圏の探査を目的とするEXOS-D衛星(第12 号科学衛星)計画が非公式にスタートし、その後昭 和59年からは文部省宇宙科学研究所の正式なプロ ジェクトとして動き始めた、EXOS-D衛星の目的は いまだに多くの謎を秘めているオーロラを作り出す メカニズムを観測することにあり、電場、磁場、プ ラズマの測定器やオーロラを撮影するカメラなど9 種類の観測機器が搭載機器として選定された。この 中の一つとして当所とカナダの国立研究院NRC)ヘ ルツベンダ天体物理研究所のB.A.Whalen博士を 中心としたグループが共同で磁気圏プラズマの中の イオンの組成とエネルギー分布を測定する機器 (SMS)を搭載することになった。昭和58年に当所と NRCは予備的な打合せを行い、59年にはWhalen 博士らが来日して当所や宇宙科学研究所との打合せ を開始した。日本の、特に宇宙科学研究所での、人 工衛星の製作過程は米国などのやり方に較べると手 工業的であり、カナダ側は最初はとまどったようで あったが徐々に慣れてきて、このシステムのフレキ シビリティに感心しながら順応していった。


写真 「あけぼの」衛星(宇宙科学研究所より提供)

  

衛星の運用
 「あけぼの」の観測データは内之浦(KSC)以外 に南極の昭和基地、カナダのPrince Alberta、ス ウェーデンのEsrangeと四か所の地上局で受信さ れている。この中で衛星に指令を送るのは内之浦の みで、相模原市にある宇宙科学研究所の衛星運用セ ンターとオンラインで結ばれリモートコントロール ができる。運用計画に基づいて衛星へのコマンドを 作成し、衛星を運用する仕事は搭載機器の担当者が 交代で行っている。従来の衛星では運用はKSCで 行っていたために担当者は鹿児島まで出張する必要 があったが今回の衛星ではこの点は楽になってい る。しかし、衛星の機能が複雑化しているために仕 事はなかなか大変で、衛星の限られた資源と四つの 地上局、それに搭載されたデータレコーダを有効に 使って観測するためにかなりの時間をかけて運用予 定を調整しなくてはならない。それでも工夫した運 用の結果はすぐにデータの質となって現れるのでや りがいのある仕事でもある。
  

SMSの観潮データ
 オーロラ磁気圏での低エネルギーイオンは全体の エネルギー収支に対して寄与する割合は小さいが、 磁気圏の活動を理解する上できわめて興味深い観測 事実を示すことが知られている。特に低高度の電離 層で生成される0.1eV程度のエネルギーを持つイ オンが磁気圏からエネルギーを得て100eV以上に 加速されて磁気圏に流れていく現象は、1970年代後 半の衛星観測までは誰も予想していなかった。図1 に示したSMSの観測データは磁気圏へのイオンの 流れをとらえた例である。観測は6月21日に南極上 空の高度10,000q付近で行われたもので、このと き衛星は地球磁気圏に太陽からのエネルギーが直接 侵入してくる「カスプ」領域を通過していた。図1 ではイオンのフラックスを濃淡で表し、濃いとこ ろが大きなフラックスに対応している。SMSは衛星 のスピンを利用してイオンの角度分布を計測してい るが、プロトン(H+)と酸素原子イオン(0+)は SMSが磁力線方向を向いたときに大きな値となり、 イオンフローの存在を示している。 このようなイオンのフローは極地方 の上空では頻繁に観測されており磁 気圏内のプラズマのかなりの部分が 地球に近い電離圏から供給されるこ とを示している。


図1 SMSで観測された極域のイオンフローの例

  

仲間たち
 「あけぼの」はオーロラを中心に 地球磁気圏の総合的な探査をめざし て9種類の高機能の観測機器を搭載 している。これまで打上げられた衛 星による観測の成果を引き継ぎ、新 たな成果を挙げるためにはすべての 観測データを総合的に解析していく 必要がある。たとえば、図1のSM Sの観測データもこれだけでは全体 の構造が見えないが、磁場の観測データはこのとき に磁気圏と電離圏の間に磁力線に沿った強い電流が 流れていたことを教えてくれる。これによってイオ ンフローが磁気圏の活動と密接につながっているこ とが理解できる。さらにオーロラをつくる電子、プ ラズマ波動、オーロラ画像などのデータを参考にし た解析からSMSの観測した現象をより深く理解す ることが可能になるであろう。
  

これから…
 「あけぼの」は誕生してからまだ1年経っていない いが、きわめて健康で精力的に観測を続けている。 観測器の担当者も運用の重圧はあるものの送られて 来るデータに刺激されて懸命にがんばっている。 1990年代の国際的な太陽地球間現象の大プロジェクト であるSTP計画の先駆けとして世界的にも注目さ れている。今冬には衛星の遠地点が北極上空に回っ て来るために長時間の観測が可能になるとともに地 上からの観測との共同実験も予定されており、観測 の第一の山場を迎える。この時期にむけてSMSチ ームとしても機械の調子を最高度にチューニングす るための日加共同実験を予定している。SMSがほか の仲間たちとともにできろだけ長い期間良質のデ ータをプレゼントしてくれることを期待している。

(電波応用部 宇宙環境計測研究室長)




≪職場めぐり≫

研究室の新たな飛躍をめざして


標準測定部 測定技術研究室

 当研究室の名称の「測定」と類似の「計測」がつ いている研究室がある。「測定」と「計測」はどう 違うのであろうか。「計」も「測」も訓では「はか る」である。「分量や寸法を調べる、大小や軽重を 知る」ことを意味する。測定は計測の基本である基 本単位の何倍あるかを知る行為またはその結果であ る。行為には技術を伴う。「どうしたら測りたいも のが測れるようになるか」、「測りたいものが確かに 測れているか」の手段、方法を見出すのが「測定技 術」である。

 当研究室の設立は1985年(昭和60年4月)であ る。設立以来、人事の往来が多かったにもかかわら ず、先輩はVHF帯からSHF帯までの電磁界標準、 電力標準を中心とする研究・開発に精力的に取り組 んできた。現在、研究室の構成メンバーは二名で、 いずれも昨年夏異動してきたこともあって、研究テ ーマも従来の経緯を尊重しながら、社会のニーズに 応えるべく新たに開拓している。今年度は大きく分 けて四つの項目に取り組んでいる。その第一に、較 正検定課が進めている1〜5GHz帯電界強度測定器 較正装置の整備に合わせ、電界標準の確立、システ ムの構築をめざしており、主として塚田主任研究官 が担当している。第二に、VHF‐UHF帯電界強度の 精度測定技術に関する研究、電界標準の国際比較の 準備を較正検定課の協力を得て進めており、主とし て徳重が担当。第三には、電波防護素材の測定・評 価法に関する研究で、これは郵政本省からの協力依 頼に対応するものであるとともに、東京理科大との 共同研究のテーマにもなっている。第四には、電気 通信技術審議会の「電波防護指針委員会」測定・推 定分科会作業班に属し、防護指針に関する測定、推 定、防護法についての策定の取りまとめを行ってい る(徳重担当)。

 以上の課題を遂行するには現在の二名のメンバー では荷が重いが、較正検定課との共同、関係研究 室、本省の協力を得てなんとか切り抜けていきたい とがんばっている。もう一人、若手研究者が是非欲 しいというのが本音である。

 将来は、高度情報化社会に対応できる電磁波の標 準計測技術に関する研究を推進したいと意欲を燃や している。

 仕事以外のことを紹介すると、塚田主任研究官 は、きちょうめん、律儀、まじめを絵に書いたよう な人、がさつ者の徳重(筆者)はいつも助けてもら いながら研究室を運営している。趣味といえば、塚 田主任研究官はテニス。軟硬式両刀使いができる希 少価値のあるメンバーである。家庭では、ホームス テイのお世話をしたことがある国際親善派。英会話 も相当年季が入っている。一方、徳重は一尺八寸の 竹をこねくりまわし、どうしたらプロのような音色 になるか、永遠のテーマを追っかけているものの、 職場の皆様の昼休みの貴重な憩いの時間に「毎度お 騒がせ」している。

(徳重寛吾)


左から 塚田、徳重




今使っている1Vは来年から0.999992Vになる


標準測定部較正検定課

 1990年(平成2年)1月1日から電圧及び低抗単 位の大きさが変更されます。
 我が国の電気諸量の基本となる標準として、ジョ セフソン効果を使った電圧標準(ジョセフソン定数 2e/h=483594.0GHz/V)及びクロスキャパシタを用 いた絶対測定による抵抗標準を採用してきました。
 1988年10月の第77回国際度量衡委員会(CIPM) に於いて、新しい抵抗標準として量子化ホール低抗 標準が採用され、また、ジョセフソン電圧標準及び 量子化ホール低抗標準の新しい協定値としてジョセ フソン定数Kj-90=483597.9GHz/V、フォン・クリッ ツィング定数Rk-90=25812.807Ωが採用され、1990 年1月1日から電圧及び抵抗単位の大きさが変更さ れることとなりました。今回の協定値の採用によ り、現在の電圧値に対しては約8ppmの修正が必要 ですが、低抗値については0.1ppm程度と極めて小 さいので修正の必要はありません。
 当所において実施している無線設備の機器の較正 のうち、標準電圧電流発生器及び高精度の直流電圧 電流計は較正値に影響を受けることとなりますの で、1990年1月1日を期して下記のように取り扱う こととします。
(1) 1990年1月1日以降の較正値は、新しい電圧単 位に基づいて値づけを行います。
(2) 1989年12月31日以前の較正値については、1990 年1月1日以降に次回の較正を行うまでは、その 較正値に0.999992を乗じた値を使用して下さい。
御不明の点は下記にお問い合わせ下さい。
 標準測定部較正検定課第一技術係
 (電話 0423-21-1211 内線7574)



短 信




平成2年1月1日(JST)に「うるう秒」挿入


 標準電波JJYで通報する日本標準時は、国際間の申 し合わせにより、平成2年1月1日午前9時00分00秒の 直前に1秒遅らせる調整が行われる。
 現在、標準時(協定世界時)は原子時計群から決定さ れているため、地球の自転に基づく時刻とズレを生じ る。うるう秒は、このズレを修正するために行なわれる もので、1972年に制度が発足して以来、今回は2年ぶり 15回目にあたる。
 うるう秒調整の決定は、国際報時局(フランス)、次 いで国際度量衡局に移管され、更に1988年からは新しく 発足した国際地球回転事業(IERS)によって行なわれ るようになった。IERSは、VLBIやSLR等のハイテ クを駆使して地球回転を精度よく監視し、うるう秒調整 の決定を下す。今回の調整は、IERSにとって初めての 勧告と言うことになる。
 当所の標準電波制御システムは、昭和63年に更新さ れ、うるう秒調整は、あらかじめ実施日を指定すれば、 自動的に8時59分59秒の次に8時59分60秒を挿入する機 能を有しており、このシステムにとっても初仕事となる。



稚内で赤いオーロラを観潮


 10月21日、平磯宇宙環境センターの太陽地球環境予報 は急始型地磁気擾乱の継続中を伝えていた。稚内地方は 連日雨の天気であったが、当日は珍しく良く晴れてい た。20時45分頃、稚内電波観測所北側の家並の上空に深 紅の光を目撃。すぐにオーロラと分かる光であった。オ ーロラの上限は仰角10度以下であったが、東西方向には 30度以上広がっていたようである。稚内市街は北に突き 出た岬の海岸線に沿って発達しており、その先端にはノ シャップ燈台がある。市街の南端にある観測所付近は街 の明りのため、オーロラを観測するには不向きであった。 そのため同日21時過ぎ、平磯センターにオーロラ発生の 報告をした後、稚内市の東約15qの暗い海岸で待機し ていたところ、23時15分頃再びオーロラが現れ、弱い光 であったが写真撮影に成功した。同夜の電離層観測デー タには特異なE領域のエコーが見られ、ETS‐2衛星から の電波にきわめて強いシンチレーションが観測された。



関西支所へ情報系の2研究室が移転


 当所の関西支所は、電気通信、情報処理分野における 基礎的、先端的、創造的な研究開発の拠点となることを 目指して、今年の5月に神戸市に設立された。以来、支 所長以下数名が赴任し、支所の立ち上げを進めてきた。
 このほど、既設庁舎(2階建て)の改装等が終了した のに伴い、10月11日付けで知覚機構研究室と知識処理研 究室とが移転した。現在、同支所は総勢13名となり、生 体の優れた情報処理、知的機能に学ぶ研究や、将来の情 報通信ネットワークと利用者との高度のインターフェイ スに関する研究が本格的に進められる体制が整った。
 平成2年度には新庁舎が建設され、未開拓電磁波や超 伝導研究などの研究室も移転し、より一層の充実化がは かられる計画であり、地元を始め広範な関係者の期待が 高まっている。



電波研親ぼく会開催


 第18回電波研親ぼく会は、好天に恵まれた10月21日(土)、 OBと現職員約160名が集い開催された。
 総会では、新会長(畚野所長)から、21世紀の高度情 報社会に向かって、通信・情報・電波の各分野でのCRL の研究成果に多くの期待がかけられていること、その ために先端的で独創的な研究テーマの発掘、それに対応 できる組織の見直し、予算の獲得などに努力しているこ と、また、特にその第一歩として関西支所を発足させ、 既に研究活動を始めた旨の報告があった。
 懇親会では、元所長の上田氏の乾杯で始まり、あち こちで3人、5人と固まりができ、懐かしさいっぱいで 時間のたつのも忘れてなごやかな歓談が続いた。
 なお今回、要望により会員の現況をのせた消息集の発 行と研究所の動向を知りたい方に研究所ニュースの配布 を行うこととして好評であった。
(親ぼく会の名称は、先の全体幹事会で「電波研親ぼく 会」のまま継続することに決定された。また、正式決定 は別途行うが、次回の親ぼく会の開催は来年の10月第3 土曜日を予定したいと代表幹事の報告があった。)