平成5年は、日本の経済、政治の世界において、
国際社会の一員としての責任が一層厳しく問われる
とともに、構造的矛盾が尖鋭化し、その変革が避け
られないという印象を強くした年であった。また、
高度情報社会に向かって進展するなかで、社会生活
の隅々において価値観が一層多様化し、「変化」は日
常的なものとなっている。研究の世界においても、
基礎的、先端的研究を進めることが今や一般的スタ
ンスとなってきている。このようななかで、当所は
今年度センター・オブ・エクセレンス(COE)を将
来目標に掲げたが、これは妥当な選択であったこと
は明白である。そのために解決すべき課題は山積し
ているが、幸い多額の補正予算を得たことにより、
その一歩は確実に踏み出したと考えている。次に、
予算や研究基盤整備などの現状に触れながら、当面
する課題のいくつかについて所見を述べたい。
補正予算による基盤整備
平成5年は補正予算に始まり、補正予算に暮れた
年であった。4年度41億円、5年度一次60億円、二
次52億円、合計153億円の補正予算を、限られた要員
事情のもとで臨戦体制で取り組んで来た。これによ
り、老朽化施設の更新、研究環
境および研究基盤整備を大々的
に進めている。研究環境には外
部の研究者との研究交流用の施
設も含めるなど、将来のCOE化
を睨みながら進めている。これ
らの補正予算は、砂漠の中にお
ける慈雨に等しい素晴らしい贈物であるが、逆に言
えば国研における研究環境、基盤の脆弱な現状を物
語っている。
当所は、このような多額の補正予算がついたまれ
な国研の一つであるが、昭和62年度補正予算のとき
と同様、これを短期間に処理する能カを示している。
これは、当所研究者の旺盛な意欲と、それを支える
総務および企画部門スタッフの前向きの姿勢による
ものであるが、その背景に、当所の組織的柔軟性か
らくる対応能力の高さがある。この能カは数々の
ビッグプロジェクト等をこなすことを通して培った
ものであり、組織的制約を越えて、基本的に開かれ
た形で組織が運営されていると言える。これは、
COE化を進める上でも重要な条件である。
来年度予算、増員、組織改正要求
平成6年度予算の内示は越年となり未だ明らかと
なっていない。要求額は88.8億円であり、今年度予
算73.0億円に対し15.8億円増である。増額要求のう
ち、VLBIによる首都圏広域地殻変動観測施設整備関
係の約8億円部分については、5年度の二次補正で既
に前倒しが認められている。新規項目は、COMETS
後継機関連の「次世代の通信・放送分野の研究開発
衛星の研究開発」のみである。上記のVLBI以外は全
体的に漸増というところである。
増員については、要求枠そのものが4名と少ない
なかで、総務庁の査定段階でも厳しい状況に直面し
てきた。理由は、増員が必要な場合は、従来のプロ
ジェクトを整理して対処することが基本であるとい
う、スクラップ・アンド・ビルドの考えによる。我々
の基礎・先端研究のアクティビティが、スクラップ
のみでは対応できないほど急速に高まっている事実
を理解してもらうよう努めている。一名でも多くの
増員を期待している。当所の必要研究要員は現在の
291名に対し、少なく見積もってもう100名、できれ
ば倍増したい状況にある。
組織改正については、時空技術研究室と高速移動
通信研究室の2つを要求している。前者は上に述べ
た数十億円の規模で進めている「首都圏広域地殻変
動観測施設整備」に、後者は予算額か10億円台に急
速にふくらんできた周波数資源開発に、それぞれ組
織的に対処するものである。
COE化の課題−アウトプット
上に述べた補正予算による様々な整備は、当所の
目指しているCOEの達成に必要な研究リソースの
点で大きく前進することは明らかである。今後は、
これらの整備された研究環境・基盤施設等をどう有
効に活用し、COEを目指すにふさわしいアウトプッ
トを出していくかである。最近行われた国研に対す
るアンケートの結果も考慮して、当所の外部発表論
文数を現在の約2倍に速やかに高めることを目標と
したい。そのためには、優秀な人材の確保・育成が
必要である。昨年、ある会合で、小田稔前理化学研
究所長は「一級の研究者が1/3いれば、あとは自
ずと回っていく」と言われたが、我々も国際的に通
用する1/3の優秀な研究者を確保することが人材
面での目標になろう。
COE化のもう一つの条件である優秀な人材の確
保のためには、単に職員としてだけではなく、研究
交流などの形で当所に研究者を結集することが非常
に重要である。現在、当所には外国人研究者が年間
30名ほど滞在し、また研修生は今年度約60名を受入
れている。研修生のうち80%は修士、博士過程を含
む学生である。民間との関係も現在強化しようとし
ている。共同研究も重要であり、現在200件以上にも
なっている。うち80件は外国とのものである。これ
らを一層活発化する上で、今回補正予算で整備する
研究環境・基盤施設等は、大きなカを発揮するもの
と思われる。
研究人材の育成には、部長、研究室長などによる
指導の強化が引き続き重要である。また、研究のイ
ンセンティブを一層働かせることが必要であるが、
これに該当するのはこれまで我々上層部による部長、
課室長に対するプロジェクト・ヒアリングが主で
あった。そのため、本年より新たに「個人研究成果
交流会」を実施することとした。これは各分野が主
催し、課室長を含む全研究者が年間の研究等の成果
報告や今後の計画、予算の希望などをだし、研究者
同士が互いに切磋琢磨する方向でディスカッション
するものである。参加は原則オープンである。これ
は、欧米の進んだ研究所で一般的に行われているピ
アレビュー(同一専門分野数名の研究者による評
価〉を参考にしたものである。効果的なインセンティ
ブが働くことを期待している。
変革の時代の基礎先端研究
(研究領域の融合化)
現代は多様化の時代、変革の時代である。我が国
の経済構造が膨大化するとともに、経済的役割、志
向も重厚長大なものから軽薄短小ヘ、それに伴って
価値観も多様化し、社会生活における考え方は大き
く変化しつつある。また、政治経済の世界も政官業
の癒着した「日本株式会社」的構造が国際的な批判
にさらされ、バブル崩壊後の経済不況からの脱出を
困難こしている原因の一つと指摘されている。規制
緩和、リストラクチュアリングの言葉が、毎日の新
間を賑わしている。「変革」し続けることか、社会の
定常状態になりつつあるとも言える。
基礎・先端研究においては、もっと早くからこの
ような社会状況を反映してきた。もともと創造的研
究の世界はホモジニアスと相反する、豊かな個性の
世界である。さらに、現代の先端研究は、社会変化
の多様性を反映して研究の境界領域が大きくゆらぎ
始め、いわゆる境界領域/融合領域の研究が一般的、
必然的になりつつある。これは、既存の領域区分の
考え方では科学技術の進展に対応できなくなり、こ
れまでとは異なる総合的視点から新たな領域設定を
試みることにより、現代的科学技術上の諸問題に対
処する必要があるためである。東大の吉川教授はそ
のような考えから「人工物工学」、「人工環境学」を
提唱している。当所における研究の中にも、領域の
融合化傾向が多くみられる。
(個性の発揮とディスカッション)
昨年12月1日に、クディラ&アソシエイト会社社
長のクディラ氏をお招きして、「異文化間のコミュニ
ケーション」という講演をしていただいた。日本滞
在38年の豊富な経験に基づいて、日本人の特質:集
団性、一致性や類似性を好む傾向、コミュニテイの
人間関係に主に依拠し、表立ったディスカッション
などを避ける傾向を、多くの例を上げて語られた。
これは研究面でいうと、我が国の得意なキャッチ
アップ型の研究には向いているが、基礎的創造的研
究にはあまり向いていない。創造的研究は、豊かな
個性に基づき、先端性が故に、いろいろな研究者と
の活発なディスカッションや交流が不可欠だからで
ある。我々がCOE化を目指す場合、このような面か
ら正さないと、創造的な研究において貢献できる多
くの人材を確保するのは因難であろう。
個性を養うという意味でも重要なのは、ディス
カッションの習慣である。欧米諸国は、多民族の交
わり、融合、侵略・被侵略の歴史の中で、コミュニ
ケーションを成立させるためのディスカッションの
習慣と能カを培った。日本では、そのような経験を
ほとんどもたずにこれたため、日本人同士の定まっ
た人間関係により、いわゆるアウンの呼吸でやれた
のである。コミュニケーションあるいはディスカッ
ションとは「双方向」のやりとりを意味する。我々
はこれが苦手であり、「一方向」的になりやすい。す
なわち、意見を述べる場合、直接相手と噛み合った
形の議論を避けるようにし、自己の見解を「一方向」
的に述べる形をとる。直接的な意見のやりとりによ
る相手との軋轢を避けるためである。
「一方向」は、トップダウン的な指示、報告、ある
いは定まった価値観をべースにした場合に多くみら
れる。しかし、現代は価値観が極めて多様化し、様々
な変革が求められている。また、我が国の国際化が
急速に進んでいるような状況の下では、「双方向」的
な意思の伝達、ディスカッションは不可欠である。
そのための能カを身につけるには、普段に研究以外
の社会的出来事などにも関心をもち、視野を広め、
判断力を養い、自己の見解をもつよう心がけること
が大切と思われる。このことが、ディスカッション
を行う場合の基本となる、「相手の言わんとすること
を理解する」能カを養う。
我々は官僚機構という本来トップダウン的組織に
あるから、議論を避ける傾向と組み合わせると容易
に「一方向」的な指示、あるいは指示待ちの状況に
陥る。これは、創造的研究あるいは一般に変革を進
める上で大きなマイナスである。研究室においては、
ディスカッションの習慣をもつことが是非とも必要
であるが、それには、部長、室長など上の者がその
ための能力をつける必要がある。幸なことに、最近
は結構ディスカッションのできる研究者が入所して
きているので、彼等がその方向で大いに伸びていく
環境作りが大事である。当所も、この面でも大いに
変わっていくものと期待している。
上記のクディラ氏の講演「異文化間のコミュニ
ケーション」の結論は参考になる;
1)互いを個性をもった存在として認識する
2)その中に一致点、類似点を見出だすようにする
3)互いが相違することをエンジョイする
4)これらについて学ぼうとする意欲を常にもつ。
特に、3)が含蓄のある言葉である。
当所の研究者が、豊かな個性で伸び伸びと力を発
揮し、外部の研究者ともオープンな形で活発に交流
を進めるように、環境作りを進めたい。
(所長)
▲図1 1993年2月19日JERS-1と同期したパスに沿ってのオホーツク沿岸のSLAR映像
なお、本航空機実験は、宇宙開発事業団と当所と
のSARに関する共同研究の一環として実施された
ものであり、関係各位に感謝いたします。
(地球環境計測部長)
▼図2 北海道佐呂間湖沖における流氷観測実験(平成5年2月19日)時における航空機搭載マイクロ波映像レーダ(SLAR)の飛行コース及びJERS-1搭載合成開口レーダ(SAR)の観測領域(平成年月日及び平成年月日の両日を示す)
《研究部招介シリ−ズ》
総合通信部の誕生と位置ずけ
総合通信部は昭60年の組織改正で誕生した。同年
に施行された電気通信事業法により、NTTとKDD
が独占していた電気通信サービスが開放され、自由
競争の時代に入った。郵政省の電気通信部門は3局
体制に移行し、政策官庁へと脱皮を図った。研究所
もそれに呼応し、国立研究機関としての役割の変化
を認識し、行政施策に積極的に責献する姿勢を組織
改正で示した。総合通信部は、「有無線を統合した総
合的な電気通信に関する研究を進める部』として、
位置づけられた。
総合通信部の基礎資料と研究内容
部は3研究室(統合通信綱・通信系・放送技術)
と業務係で構成される。職員数21名(内2名は出向
中)、研修生14名,特別研究員1名,アルバイト1名
である。平均年齢が35才(研修生を除く)と若く、
外部からの研究参加者が多いのが特徴である。
部の研究内容を概括的にどらえると、次のように
分類される。
通信の形態からは、
予算から分類すると、主に「電気通信フロンティア」
と「周波数資源の開発」で運営している。
検討課題として「通信と放送の融合」があり、研究
テーマの抽出などを行っている。各室の研究の
identityを示すキーワードは次のとおりである。
人材育成と社会的貢献
研究は人であり、人材育成は部の最重要事項であ
る。研究テーマと進捗は個人毎に各室での指導があ
るが、部レベルで研究推進会議によるチェックを
行っている。更に、客員研究官の先生によるレビュー
を頂いている。会社でいう社外重役で、身内だけだ
と同情などが入り絶対価値にたつ指導が出来ない弊
書を防ぐためである。3つ児の魂百迄で、始めて研
究室に配属になった新人に適切な指導をし、3年を
メドに論文一遍を完成させる経験をさせたいと願っ
ている。
新人には、主任研究官になる前に学位を取得し、
役職に応じて社会貢献をするよう要請している(T
型人間)。更に、学位取得者は、もう一つ自分の専門
領域を持つよう要請している(π型人間)。1つで
は、専門バカで終わる可能性があるが、2つだと独
創人間の栄誉を獲得できる。
部の研究談話会では、1人年間3件位の発表を要
請している。1回の内容が不十分でも、3回だと外
部発表が可能になる。ここでの議論を活発化させ、
学会・審議会でも、議論できる人材を育てるのが目
的である。身内だけの集まりで意見交換できない人
間が、学会で質間できるはずがない。更にこの場は、
通信のあらゆる分野の発表が行われるので、T型や
π型の横棒の養成に役立つはずである。
研究者の完成の次は、社会的貢献である。部の役
職者は、本省・他省庁・学会・大学・業界のさまざ
まな課題の解決に貢献している。人なし・金なし・
時間なしで、悲鳴をあげる場合もあるが、研究所・
部設立の原点を見失うことなく、オピニオンリーダ
としての寄与、或いは、社会の牽引力を果たすべき
寄与をして欲しいと願っている。
最後に、研究も社会的貢献も、面白くなければ良
い成果は出ない。知之者 不如好之者。好之者
不如楽之者。一度しかない人生。積極的に楽しく生
きようではないか−−−が部長のメッセージである。
(総合通信部長)
《趣味シリ−ズ》
(電磁波技術部 光技術研究室)
山中 幸雄
早いもので、3度目の干支を迎えることとなりま した。思い起こせば、30代の前半は2年間の本省出 向、1年間の海外長期出張と研究所から離れた時期 が長く、あっという間に過ぎ去った感じがします。 その間に研究所をとりまく状況も大きく変わりまし た。昨年末、ようやくもとの研究室に復帰したので、 これで少しは落ち着いて研究ができると喜んでいる ところです。今年は、かねてからの課題に加え、新 しいテーマにも積極的に取り組みたいと思っていま す。それから、長年続けているテニスも最近さっぱ り上達しませんか、体カ維持のためにも今年は頻繁 に研究所のコートに足を運びたいと思っていますの で、皆さんよろしくお願いします。
小林 秀由紀
早いもので、入所して18年目。今年で3回目の年 男になります。新年の抱負は?と言われても、毎年 特に決めたこともないし、ましては他人に公言した ことなどないのですが、今年は、鹿島に単身赴任し て、4月で丸3年になるので、東京に戻ったら、今 まで色々と迷惑をかけた分、「家族サービス」に務め ようと思っています。
三富 奈緒子
1994年戊年の年女ということで、新年の抱負を語 るよう依頼されてしまった。小学生の頃は毎年宿題 で書いていたが、何を書いていたのかは思い出せな い。でもきっと決まり文句は「今年こそ、・・・・ しよう」だと思う。
飯塚 幸義
今年は私の干支と勤めてから30年になる。月並み な表現になるか、もうそんなになるのかという感じ がする。昨年7月の異動で約11年ぶりに本所会計課 勤務となったが、仕事の方法が余りにも変化してい るのに驚いている。事務屋の机といえば筆記用具、 電卓、それに書類というのが従来のスタイルであっ たと思う。それが今はパソコンに置き換わっている ではないか!それも、ここ数年間での変化であっ たと記憶している。テレビゲーム全盛の中で育った 若者が多い職場の中にあって、新しい機械に興味は あっても使うことに躊躇するするのは、算盤と電卓 で仕事をしてきた私だけであろうか?、その私にも、 近々パソコンを配備してくれるとのことなので、今 年は是非パソコンを覚えてみたいと思っている。
情報通情技術研究交流会 (関西支所長)
所内文化展開催される
▲出典写真「所内に咲くホタルブクロ」
去る12月16日及び17日の両日、講堂において恒例
の文化展が開催された。作品数は昨年度より若干下
回ったものの、どの作品も素晴らしい出来映えであ
り、来場者からの讃賞の声が聞かれた。 (総務部庶務課管理係長)
関西支所恒例餅つき大会1
(関西支所・管理課長)
▲杵を振りあげ「ヨイショッ!ヨイショッ!」
(AC・Net)関西支所で開催
AC・Netは、関西地域の情報通信関連の研究者や
技術者などのヒューマンネットワークづくりを目指
した交流組織である。関西支所が事務局となり、多
くの企業や自治体、大学の関係者が参加して平成2
年の9月に発足し、毎月講演会を中心とした例会を
京都、大阪、神戸で開くなど、活発な活動を続けて
いる。
会員の関心領域は大変広く、これまで36回の例会
を開いているか、情報通信に関連する基礎から応
用・実用までの研究や開発は勿論、経済や文化人類
学、科学技術研究のあり方などのテーマもとりあけ
研究所などの見学も行っている。
去る12月20日の第36回会合は、関西支所で約35名
の参加で開催された。テーマは、分子素子技術・ナ
ノテクノロジーの分野での基盤技術である有機分子
膜の分子配向制御・高機能化・電子物性測定の研究
についてで、神戸大の上田裕清助教授と東工大の岩
本光正助教授の講演と活発な討論が行われた。
なお、講演に先立ち、関西支所のナノ機構研究室
など関連部門の見学会も行われ、講演後の懇親会も
なごやかに進められた。
なお、投票の結果上位から6点が優秀作品として
表彰された。
宇宙科学部 巌本巌写真「所内の野草」合作
地球環境計測部 森弘隆
企画部 淡河貴美子 着尺「反物(三点)半纏」
宇宙科学部 加藤久雄その他「自作コンピュータ
ミュージックシステム」
総合通信部 岩間美樹 手芸「編み込みアフガン」
宇宙通信部 小山田哲也 その他「やきいも・つぼ
(研修生)(ゴーレムの)梅干し入れ
木彫り・かえる」
標準計測部 市野芳明 油絵「白浜燈台」
関西支所は今年で発足5周年を迎えるが、年末年
始の行事として餅つきが恒例となってきた。
支所には現在9名(正職員6名、フェローシップ
3名〉の外国籍研究者が在籍しているが、彼等にも
この行事は大変好評である。
職員が交替でつきあげるが、やせていても上手な
人、体格が良くても下手な人、要領が悪く失敗作も
あった。新人を中心に何人も挑戦したが、まさに昔
とった杵柄、年長者の方に軍配が上がった。
大根おろしの辛味餅、あんこ入り大福、干し海老
をつき込んだ赤い餅と、食堂の人を中心に、アルバ
イトの人たちも含め女性陣奮闘した力作が完成。
当日の昼食はつきたての餅入りお雑煮で、何杯も
お代わりする人も見られた。
このような行事は、自由でのびのびとした先端研
究センターの雰囲気にマッチして、研究活動にもは
ずみとねばりがつくというものである。