日本一正確なCRLの時計台


森川容雄

はじめに
 ヨーロッパの都市を訪問された方は、都市の中心 広場にある協会や市庁舎の塔に立派な時計があり、 時間がくると王様や貴族などの人形が出てきて踊り 出すのをご覧になったことがあると思います。この ような「からくり」時計はその町のシンボルとなっ ていて、観光客の目を楽しませてくれています。日 本でも最近デパートの正面などに似たようなからく リ時計を見かけるようになってきており、日曜日な どに家族連れが時計を見上げている風景を目にする ようになってきました。CRLでも、からくり時計 ではありませんが、新しい時計台が一号館正面のC RLロゴマークの下に完成しました。この時計台の 特徴は、日本で一番正確な時計台だということです。 御存じのように、CRLは日本標準時を定め、ラジ オ、テレビあるいはNTT117の時報サービスなど の基準を提供しています。この時計台は日本標準時 を決めている原子時計の信号で駆動されています。 つまり、日本標準時そのものを表示しているのです から、日本で一番正確なわけです。


 CRLニュースの読者ならCRLが原子時計で日 本標準時を定めていることはよくご存じだと思いま すが、今でも東経135度の明石の天文台の時計が日 本標準時を決めているものと思っておられる方がか なりいらっしゃいます。1967年の国際度量衡総会で 秒の定義がそれまでの天文時から原子時に変更され て既に四半世紀以上たつわけですが、いまだにこの ような誤解を耳にするのは我々のPR不足が原因で あると反省させられると共に、改めて一般の方々に 我々の仕事を理解してもらう努力がいかに大切かを 考えさせられています。これまでも、CRLは学会 発表の外に、一般公開や報道発表、あるいは研究発 表会などでその活動を一般の方々に公表してきまし たが、これまで以上に社会に対し我々のアクティビ ティを様々な形で紹介していく努力が必要だと思い ます。特に、今年の四月に小金井公会堂で行った科 学技術週間講演会のように、地元地域にも積極的に CRLの研究成果を公開していく努力を続けていく ことが大切でしょう。
 今回完成したCRLの時計台は、高輝度のLED 素子を使用したもので赤、オレンジ、緑の3色で日 本標準時の外に、いろいろなメッセージも表示する ことができます。表示文字数は1行7文字ですが、 メッセージをスクロールさせて表示することも可能 ですので、CRLのシンボルタワーとして地元地域 の市民へ向けて、CRLの研究成果をはじめ一般公 開などの各種イベントのお知らせなどにも利用でき ます。CRLが災害発生時の避難場所であることな ども地元の方々にふだんからお知らせしておくこと ができます。いろいろな、面白い使い方、楽しい使 い方が、考えられると思います。よいアイデアがう かんだら、是非企画課広報係へ提案してください。 「エッ!彼女にプロポーズしたいから、メッセージ を表示してほしい?」ウーン、広報係長に申し込ん でみてください。粋な取り計らいをしてくれるかも しれませんよ。
 冗談はさておき、今回完成した時計台をCRLの シンボルとしてCRLの関係者だけでなく、地域住 民のみなさまにも広く親しまれるものにしていきた いと願っています。

(標準計測部 周波数標準課)




入所三年目を振り返って
−染色体のダンスを初めて見る−

丁 大橋

就職
 博士課程も終りに近づいたある日、研究室の 助手の先生がある公募を見せてくれた。これは郵政 省通信総合研究所の求人だった。その中から自分と 関連の有るような無いような文字「生物情報」「生 体物性」をやっと見つけて、半信半疑の気持ちで面 接を受けた。実際のところ面接を受けた部屋には生 物の匂い一つしなかったが、(また予算申請中のせ いで)、研究者たちは本物の生物学者だった。これ が夢にも思わなかった郵政省での就職の始まりだっ た。それからあっと言う間にKARCでの三年が過 ぎた。今振り返ってみると、毎年一回引っ越しした (家、実験室、居室)ことを始め、平静な研究生活 のなかにいろいろなことがあった。

車軸藻から分裂酵母へ
生物学者にとって、研究の 目的によって最も相応しい研究材科を選ぷことは非 常に重要である。私は大学院で植物細胞間の物質輸 送を研究するために車軸藻を材科にしてきた。しか し、生物情報研では分裂酵母を主な研究材科とする ことになった。それは分裂酵母の染色体の数が他の 生物に比べるとはるかに少なく、遣伝情報の構築な どの研究に大変便利なためである。同じ生物と言っ ても車軸藻の細胞は長さ5〜10cm、直径約1mm なのに対し、分裂酵母は長さ6μm、直径3μmし かない微生物で、顕微鏡で覗かない限りその姿は見 ることができない。注意しないと、せっかく培養し たものに大腸菌などの雑菌が混入してしまい実験が 出来なくなってしまう。また、分裂酵母を研究材科 にするもう一つの理由として、培養条件を変えるだ けで、容易に雄と雌細胞の接合、さらに子孫を作る 減数分裂を誘導できるからである。ところが容易な 筈の減数分裂の誘導実験が実験室を新しいビルに移 した途端にできなくなった。細胞が不稔になってし まったのである。その後、約1ヶ月間まともに実験 できなかった。いまでもその原因は定かではないが、 どうも新築したビルの水に原因があるらしい。新し い建築材から細胞にとって有毒な科学物質が水にと け込み、このような水で培養した細胞の性関連遺伝 子か劣性変異を起こし、不稔になるということは十 分有り得ることである。このように慣れない生物種 を取扱いながら、この三年間は失敗と勉強の連続だ った。

染色体のダンスを初めて見た
 生物を生きたまま研 究することは生物学者の究極の夢である。生物情報 研究室で私の研究テーマは生きたままの細胞の染色 体の動態を可視化することである。当初のアイデア は染色体を構成するヒストンというタンパク質に螢 光色素をつないで、できた螢光ヒストンを細胞に入 れて染色体を可視化するというものだった。しかし、 酵母は小さいうえ、細胞壁があり、半年間努力して も螢光ヒストンを生きている酵母に入れることはで きなかった。そこで半分気分転換のつもりで、低分 子のDNAに特異的結合色素を使って生きている細 胞を染めてみた。ある螢光色素Hoechst33342が簡 単に細胞に導入できるだけではなく、生きている細 胞の正常な機能をほとんど阻害せず、細胞核を染め ることが実験しているうちに分かってきた。この色 素で減数分裂期の細胞を染めて生物情報研究室の3 次元多波長螢光顕微鏡につないだ高感度冷却CCD カメラで撮影するとなんと染色体が長い馬の尾みた いな形になって激しく動いているのが観察された。 今まで文献ではこの時期の核は色々な形があると記 載されているが、その色々な形は単に踊っている染 色体の姿のひとこまにすぎなかったのである。この 染色体の踊りを見たときの感動はこの三年間の研究 生活で一番忘れられないものの一つである。

快通な関西生活
 関西支所は交通の面で少々不便な こと以外、私にとって人に勧めたいとてもいい研究 所である。加えて私のいる生物情報研究室は女性が 研究者の半分を占め、日本では珍しい民主自由平等 な雰囲気を持つ職場である。皆さんに助けられなが ら本日まで来たが、これからもっと努カし、いい研 究をしたいと思います。

(関西支所生物情報研究室)




「勉強になりました」
−35次隊南極越冬報告−

岩崎 恭二、小原 徳昭

 第35次南極地域観測隊は平成5年11月14日に大勢 の人に見送られて晴海を出港した。35次隊では各種 の観測に加えて、昭和基地での通路棟建設や内陸ド ーム基地の建設等々、大計画が目白押しであった。 出航したその夜、「しらせ」は片舷30度余りという 35次で最大の動揺を記録し、慣れない我々を慌てさ せた。しかし、その後は平穏な航海が続き、レイテ 沖の洋上慰霊祭や恒例の赤道祭などを行い、オース トラリアのフリーマントルに寄港した。ここで生鮮 食科品や燃科を積み込み、一路南極昭和基地へと向 かった。暴風雨圏を無事突破し流氷や氷山が見え始 めると、各種オペレーションの最終調整なども行わ れるようになり、緊張が日増しに高まっていった。 我々は、12月下旬にへりで昭和基地入りし夏期作業 の準備を整えていた。ところが、「しらせ」は昭和 基地に近づくにつれ厚さ4mを越える氷に悩まされ、 ついに昭和基地沖約20kmの地点で接岸を断念する ことになった。「しらせ」が就航して10年余りであ ったが、初めての出来事であった。このため、予定 されていた輸送作業や夏期オペレーションが見直さ れ、沈まない太陽の下で連日連夜の作業が続くこと になった。特に、雪上車による氷上輪送は片道約5 時間の道のりを夜間に行うという過酷なものであっ た。また、夏期の一大事業である高床式通路棟の建 設でも隊員が一丸となって作業を行った。岩崎隊員 はサッカーで鍛えた粘リ腰でコンクリートうち、小 原隊員は器械体操で磨いたバランス感覚で鳶を行い、 作業に参加した。あっと言う間に1月が過ぎ、二人 とも真っ黒に日焼けした顔で、2月1日の越冬交代 を迎えた。


海氷上のルート調査

 越冬生活が始まるといよいよ本格的な観測が始ま る。電離層部門では、前次隊から引き続きの電離層 定常観測業務を行い、何度かトラブルやアンテナの 故障等も起こったが、観測に大きな支障を来すこと はなかった、宙空部門でも、超高層観測、観測衛星 受信、オーロラ光学観測、地磁気観測など多種の観 測を行い、価値あるデータを取得できた。厳しい自 然環境の中で様々なトラブルが発生したが、その度 に限られた環境で知力と体力を駆使して難局を 乗り切っていったことは、貴重な経験となり、 良い思い出となった。
 昭和基地は、夏の間は太陽が沈まず、草木の 縁がなく土が見えてほこりっぽい。万年雪の所 もあるが砂を含んでいて汚く、道路は雪解け水 が流れぬかるみ状態である。しかし、建物はカ ラフルで赤、青、緑、黄、銀といった、鮮やか な色使いである。一月後半から太陽は沈み始め る。
 冬になると、到来するブリザードで建物にド リフトが付き、一面の雪化粧となる。6月から 7月にかけて太陽が全く出ない時期 があるが、昼間は夕暮れ程度には明 るくなる。また、この頃はオーロラ がよく見え、寒い中、冷たいカメラ を振り回したのを思い出す。
 隊員は3棟の居住棟に寝泊まりす るが、岩崎隊員は各棟の定員の関係 で、一人電離層電離棟に住むことになっ た。基地での食事は、調理師である 調理部門の隊員が作るが、質、量と も充実したもので、我々にとっては 日本にいるときよりも豊かな食生活 であった。水は水槽に溜まった雪を 解かして作るため、量が減ると全員で雪入れ作業を した。そのおかげで旅行中以外は、ほとんど毎日風 呂に入ることができた。娯楽としては、ビリヤード、 ダーツ、将棋、麻雀、けん玉等の室内遊戯の他、海 氷上でのソフトボール、サッカー、バレーボール等 の屋外競技も各居住棟の対抗戦で行われた。最大の 祭典ミッドウィンター祭では、豪華料理、居住棟対 抗のスポーツ大会や演芸大全、カラオケ、多彩なバ ーの企画、屋台、露天風呂、送り火等々で大いに盛 り上がった。


転がる太陽

 春になると野外調査旅行が頻繁に行われ、生物、 地学部門等の野外調査支援に積極的に参加した。海 氷上での海洋生物の調査やペンギンルッカリーの調 査、大陸沿岸の露岩地帯を縦走しての岩石サンプリ ングなど様々な活動支援を行った。南極の大自然の 中での調査旅行は、毎日が驚きと感動の連続であり 忘れ難いものとなった。さらに春には、各種イベン トも企画され、氷上の上でのソーメン流しやバーベ キューパーティなどを行い、大いに楽しんだ。また、 登山やペンギンルッカリーヘの遠足に参加し、南極 の自然を満喫した。
 夏間近の11月になると36次隊出航の知らせが届き、 あっと言う間の1年であったことに驚かされた。36 次隊を乗せた「しらせ」は順調に航海を続け、12月 18日にヘリ第一便が昭和基地に到着、24日のクリス マスイブには念願の接岸を果たした。昨年接岸出来 なかったこともあり、基地から間近に見えるしらせ に驚きと感動を隠せなかった。36次隊に対しても隊 を挙げて熟烈な歓迎となった。夏期作業では、35次 隊も支援を行い、昨年果たせなかった通路棟の完成 を遂げることができた。


昭和基地

 南極の壮大な自然の中で一年余りの越冬生活をし てきた。その中で、とかく忘れがちな衣食住やコミ ュニケーションなど人間社会の基本的な営みの大切 さ、有り難さを肌で感じた。そして、その基本に立 ち帰って、改めて自然科学の研究や技術開発などの 意義を考えることができた。あっという間の一年で はあったが、学ぶことが多い南極越冬生活であった。 このような貴重な機会を与えて下さった関係各位に 心から感謝いたします。

(第35次南極地域観測隊 電離層部門、宙空部門)


西オングル島無人観測基地





≪研修生滞在記≫
CRLに滞在して

橋本 徹

 私は神戸大学工学部計測工学科4回生の学生です。 平成6年の6月より研修生として通信総合研究所関 西先端研究センターに通い、超電導研究室に所属し ています。そして、こちらで研究したことを卒業論 文としてまとめることになっています。はじめのこ ろは前期の講義が少し残っていたために週に3日、 後期になってからは講義もほとんど終わったために ほぼ毎日こちらに通っています。最近は、学校に行 くことがほとんどなくなったので大学のことは電子 メールで連絡してもらっています。また、家から学 校までは2時間近くかかっていたのですが、こちら には約20分で来ることかでき、自分の時間ができる ようになり充実した日々を送っています。
 こちらに来ることになったのは、4年生になって すぐの研究室配属のオリエンテーションの時に、研 究室の先生が、”僕の研究室に来ると何人かは通信 総合研究所に行ってもらいます。”と言って資科を 見せてくれたのがきっかけでした。それまではいく つかの候補は決めていましたが、漠然としか考えて いなかった僕の考えが一つになり、研究室に配属さ れた後、実際に見学をしに来たことでその思いはま すます強くなりました。そして、運よくこちらに来 ることができました。こちらにきてはじめのころは 分からないことか多く、何をすればいいのか分から ない日々が続きました。指示された本や論文を読ん だり、装置の使い方を教えてもらったりしているう ちに日時が経過していきました。大学では、勉強不 足だったので、本や論文を読んでいてもさっぱり分 からないことも数多くありましたが、一つずつ勉強 しています。
 現在、取り組んでいる研究は、テラヘルツ用のア ンテナの研究です。そのためのステップとして、100 ギガヘルツ帯でスケールモデルを作ってリターン ロス特性、インピーダンス特性等を調べています。 アンテナとしてはミリ波、サブミリ波帯の検出器の ハーモニックミクシング用のアンテナ素子として有 望なログペリアンテナを使っています。これから測 定と並行して論文としてまとめようと思います。
 こちらにきて驚いたことは何もが学校と比べもの にならないほど新しいということです。また、一人 一人のスペースも学校とは比べものにならないくら い広くて快適です。学校の研究室ではスペースの関 係で居室と実験室が一つになっており、一人一人の スペースが狭く、いろいろなものがところ狭しと並 べられています。そういうことを考えると私は非常 に恵まれているのではないかと思います。また研究 室の方もみなさん親切で、仕事で忙しいにもかかわ らず、なにか分からないことやトラブルがあるごと に丁寧にアドバイスをいただきました。
 昼休みにはテニスをして楽しんでいます。大学で はテニスサークルはたくさんありましたが、私は所 属していませんでしたので、こちらに来たときには 全くの初心者でした。はじめのころはサーブも入ら ない状態で試合になりませんでしたが、今では何と か試合と呼べるようなレベルにまで上達しました。 テニスを通して超電導研究室の方だけではなく、ほ かの研究室の方や管理課の方にも親切にしていただ いています。
 私は通信総合研究所で研修生として過ごしたこと で大学では経験できないような貴重なことをたくさ ん経験できたと思います。





≪CRL滞在記≫
警察庁から通信の研究??

佐々木 雅祥

 皆さん、こんにちわ。警察庁から2年間の予定で こちらで研究を行っている佐々木です。平成5年4月 に来ましたので、平成7年3月末には警察庁に戻る こととなりました。「警察庁から通信の研究??」 と思われる方もあると思いますが、警察も身近なと ころでは、パトカーの無線機やお巡りさんが所持し ている携帯無線機といったところで無線通信を利用 しています。滞在記ということですが、あまりご存 知ないことと思いますので、最初に私の職場の紹介 を簡単にしたいと思います。

警察通信ってなに?
 警察庁には通信関係を専門に扱う局として、「情 報通信局」があります。そして、ここを項点として 全国の管区警察局と府県警察等に通信部が置かれて いて、全職員数は約4,000名に及んでいます。また、 通信施設としては全国の警察を結ぶ自営の無線多重 回線網や広域捜査に威カを発揮する警察版ディジタ ル移動電話であるWIDE通信システム、その他計算 機を利用したシステムなどが相互に接続され運用さ れています。私達は時代の進歩に伴う犯罪の広域 化・巧妙化・多様化に対して通信という立場から警 察活動を支えています。そして、近年目ざましく発 展している通信技術を警察活動に導入するための努 カを続けています。堅い話はさておき、このような 理由で、私は通信のうち特に陸上移動通信について の研究を行うため、こちらの研究所へ来ています。

研究あれこれ
 最初、通信方式研究室へ来た頃は、本当に驚きま した。パイロットシンボル、トレリス符号化変調、 アダプティブアレーなど聞き慣れない単語も次々と 出てきて、警察で通信を担当してきたとはいえ、こ れまでの勉強不足を痛感させられました。しかしな がら、研究室の皆さん、特に神尾研究官には細部に わたりご指導を項き、現在まで研究を続けることが できました。
 こちらでは、陸上移動通信における同一チャネル 干渉波除去の研究を行っています。この研究は、セ ルラ方式における周波数利用効率のより一層の向上 を目指したものです。「警察とあまり関係ないので は?」と思われるかも知れませんが、警察において もやはり周波数が不足していますので、この研究は 非常に有益だと思っています。
 こちらの研究室で非常に良いことだなと感じてい ることがあります(とは言っても他の研究室につい てはよくわかりませんが)。それは気軽に誰とでも 研究内容等について討論できるところです。改めて 私が言うまでもないことですが、とかく研究をして いると自分の殻に閉じ込もりがちになります。研究 室のこの雰囲気は非常によい刺激になっていると思 います。その一方で、例えば共通談話会などでは活 発な議論や意見がないものもあり非常に残念に感じ ました。同一分野の研究者が研究室や部を越え、よ り活発な意見交換ができればよいと思います。
 また、私はこちらの研究所で初めてLAN環境で ワークステーション(WS)を使うことができ、そ の便利さに感心しました。特に、自宅に居ながらに してパソコン通信からInternet経由で研究室のWS にログインし、休日などに計算の途中経過を確認す ることができ大変助かりました。

最後に
 こちらの研究所へ来て皆さんと出会い、また、研 究のみならず色々な経験ができたことは、私にとっ て貴重なものとなりました。このような機会を与え ていただいた警察庁の方々、そして2年間熱心にご 指導項いた笹岡通信科学部長、杉本通信方式研究室 長、守山主任研究官、神尾研究官及び浜口技官に深 く感謝します。本当にありがとうございました。



短   信

COE研究会のお知らせ           
CRLにおける先端的光通信 計測に関する研究


郵政省通信総合研究所は、「先端的光通信・計測に 関する研究]をCOE(Center of Excellence)化 領城に設定しており、5つのテーマの先端研究に関 するセミナーを定期的に開いています。
参加は無料で、どなたでも聴講で、きます。お気軽に お越し下さい。

開催の予定
●9/14(木)検出技術
 講演 井筒雅之氏
   (大阪大学基礎工学部電気工学科助教授)
   「集積光デバイスの研究」
 CRL本所4号館中会議室 2:00PM-3:30PM
 講演DR.Douglas J.Mar
 (米国Naval Research Labortory Materials Physics Branch)
 “Capacitive Charge Measurements in Cryogenic Semiconductor Structures"
 「極低温における半導体デパイスの蓄積型電 荷測定法」
 CRL本所4号館中会議室3:30PM-5:00PM
●10月31日講演会
 「Phase Conjugation in Photorefractive Crystals」
 Pruf.Peixian Ye(中国科学院物理研究所)
●11月24日講演会
 「Miniaturization of P-Ge Lasers: Progress toward CW Operation」
 Dr.Eric Bruendermann
 (ドイツ宇宙開発庁宇宙観測技術研究所)
●1月アダプティブ・オプティクスを予定

関西支所交流棟で開催
●10/6(金)
 先端光技術・レーザ新技術研究会
 (フロンティア分科会と共催)
 講演6件(大学、民間、CRL:レーザの波 長変換、レーザー分光など)
●11/20,21
 新しいテラヘルツ技術に関する国際ワークシ ョップ(フロンティアと共催)
 講演11件(うち外国5件)
 ポスターセッション26件
●1月中旬
 「超高速光源に関する研究全」(仮題)
●3月初句
 「コヒーレント光の応用に関する研究会」
 (仮題)




第89回研究発表会開催の
お知らせ      


 平成7年度秋季研究発表会(第89回)を当所の大 会議室で開催いたします。多くの方のご来所をお待 ちしております。(入場料、参加登録等は不要です。)

日時:平成7牛11月8日(水)
   午前10時から午後4時45分まで
場所:郵政省通信総合研究所4号館大会議室

発表題目
(午前)
=情報通信系= 1.ETS-VIにおけるアンテナ結合機構実験につ いて
 −結合機構とテレオペレーションシステムの地 上検証試験−
2.ミリ波無線LANの実用化に向けて
 (1)ミリ波無線LANの開発動向
 (2)ミリ波帯における建築内装材の電気的特性
 (3)ミリ波帯準平面型アンテナの開発
(午後〉
=環境科学系=
3.雪上車搭載アイスレーダによる南極大陸水床内 部層の観測
4.スペースシャトル搭載合成開口レーダ(SlR-C /X-SAR)を用いた実験報告
 (1)レーダポラリメトリとその較正
 (2)海洋及ぴ陸域の観測
5.地殻変動観測の高精度化に向けて
 −ピコ秒衛星レーザ測距システムの研究開発−
=材料物性系=
6.超高速光スイッチ作用を用いたテラヘルツ電磁 波の発生
=情報通信系=
7.通信総合研究所における情報通信基盤枝術の研 究開発計画について





第7回電気通信フロンティア研究
国際フォーラムの開催


 電気通信分野の基礎的・先端的な研究開発の一層 の促進を図ることを目的として、郵政省とテレコム 先端技術研究支援センターが主催する電気通信フロ ンティア研究国際フォーラムが開催されます。本年 は、21世紀の高度情報社会の実現の鍵を握ると言わ れる「情報通信基盤を支えるヒューマンコミュニケ ーション技術−人と人のふれ合いを支援する知的処 理−」に関し、国内外で活躍されている研究者によ る研究発表及び意見交換を行います。初日には、斉 藤忠夫教授(東大)、デビット・ファーバー教授(ペ ンシルバニア大)及ぴ長尾真教授(京大)による特 別講演、2日目はアレックス・ペントランド教授(MIT メディア研)他、内外の研究者9名による一般 講演があります。

日時:1995年11月29日(水)30日(木)
場所:経団連会館11階国際会議場(東京・大手町)
連絡先:テレコム先端技術研究支援センター内
    TeI:03-3351-8152,Fax:03-3351-1591