情報通信研究機構(以下NICT)は、国民の安全と安心を目指した研究開発の一層の強化のため、平成16年1月に 情報セキュリティセンターを発足させました。
インターネットの普及発展により、ブロードバンド利用者は1,408万加入(2004年1月現在)まで急増している状況です。 これに伴い、ネットワークへの脅威の主流は、ホームページの改ざんのような限定的な被害を与えるものから、 ネットワークを通じて無差別かつ広域感染するワームへ移行してきています。これは、不正パケットの撒き散らしなど ネットワーク機能そのものにダメージを与えることから、社会・経済活動が大規模に麻痺する可能性を生み出しています。 一方、総合科学技術会議(2003年5月)における意見具申(情報通信研究開発の推進)やe-Ja-pan戦略II(2003年7月) においては、国として研究開発を推進する必要性が指摘されているとともに、e-Japan重点計画2003では、政府の情報 セキュリティ確保、重要インフラのサイバー攻撃対策などの施策が挙げられています。
NICTでは、平成8年に非常時通信研究室(旧非常時通信グループ)を設置し、大規模な情報通信危機管理研究施設を 整備しながら、非常時通信に関する研究開発を推進してきました。これまでの研究実績を生かしながら、上記の 社会的ニーズに応えるため、高い中立性・公共性を生かしつつ、国民の安全・安心を目指した研究開発の一環として、 以下の特徴をもつ「情報セキュリティセンター」を平成16年1月に発足しました。今後、情報セキュリティに関して わが国の研究開発を強力に進める求心力としての役割を担うことを目指します。
※Telecom-ISAC:ネットワークインフラに発生したインシデントに関する情報を収集・分析し、インターネットサービスを 行う業界内でその結果を共有することにより、セキュリティ確保、防護連携を図ることを目的として、平成14年7月に 発足した民間機関。