5


前号 | 次号 | NICTホームページ


研究開発用テストベッド・ネットワーク「JGNII」の運用開始について

河野 隆宏 (こうの たかひろ) - 拠点研究推進部門 テストベッド推進室長

目的

NICTでは、研究開発用ギガビットネットワーク(JGN)を発展させた新たな研究開発用テストベッド・ネットワークとして、 JGNIIを平成16年4月から運用し、産・学・官・地域などと連携して、ネットワーク運用高度化技術やアプリケーション 開発などの研究開発や実証実験を推進します。また、地域の活性化や人材育成にも寄与するとともに、将来の情報通信 技術(ICT)分野の研究開発を展望し、未来のICT社会の姿を社会・国民に提示する役割も果たします。

ネットワークの構成・サービス

GNIIは、IPを基本とした研究開発用にオープンな、各都道府県にアクセスポイント(全部で63箇所)のある全国規模の テストベッド・ネットワークです。主要なネットワーク区間は最大20Gbpsです。また、日米回線も整備し、 平成16年8月から運用開始予定です。また、IPネットワークを支えるバックボーンとして、6箇所のアクセスポイントに 光波長レベルの接続が可能な、最先端の光交換機(OXC)を設置しています。さらに、関東および関西地域において、 基礎的な光伝送実験から実際のネットワーク機器の検証実験まで可能な光テストベッド環境を整備しています。 これらのネットワークを用いて、大きく分けて以下の5種類のサービスを提供します。

全てのアクセスポイントで利用可能なサービス

  1. Ethernet接続(L2)サービス - VLAN(※1)によりL2接続します。当面、2つの拠点間を結ぶサービスのみの提供ですが、今秋以降、複数の拠点間を同一VLANによるサービスも提供する予定です。
  2. NIP接続(L3)サービス - JGNIIの利用者間、あるいはJGNII利用者と他の研究用ネットワーク等とをIPレベル(IPv4/IPv6のデュアルスタック(※2)でのサービス)で接続します。

特定のアクセスポイントで利用可能なサービス

  1. OXC接続サービス - OXCが設置されている6箇所のアクセスポイント(東京大手町(2箇所)、大阪、けいはんな、金沢、福岡)間を、光波長レベルで接続します。インターフェイスとしては、1Gbpsと10Gbpsの2種類があります。
  2. 10G接続サービス - 特定のアクセスポイント(16箇所)間を10G-Ethernetで接続します。

光テストベッドサービス

  1. 関東および関西地域において、光伝送等の実験を行うための環境を提供します。

※1: LANに接続するコンピュータをグループ化することによって、物理構成とは別に論理的にLANを構成する技術

※2: 2つのプロトコルが共存できる、IPv6へ移行するための代表的な技術

利用方法

JGNIIを研究開発用にオープンなテストベッド・ネットワーク環境として提供します。詳細は、下記URLを参照ください。 http://www.jgn.nict.go.jp (当面は暫定的に、JGNのホームページを通じてJGNIIの情報を提供します。)

利用期間

平成16年4月〜平成20年3月(予定)