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2004年科学技術講演会

磯貝光雄 (いそがい みつお)- 総務部 研究環境整備室 科学技術情報グル−プ

地域の人々に科学技術に対する興味を持っていただくことを目的に、科学技術講演会を4月17日に当機構(NICT)の 大会議室で開催しました。坂田理事は開会のごあいさつで、「この講演会は、広く一般の皆さまに科学技術への関心と その理解を深めていただく科学技術週間の一環として毎年この時期に行っているものです」と、その目的を紹介しました。 今回は2部構成とし、最初はNICTの研究者による最新テクノロジ−を使った環境計測に関する講演。次に、 米村でんじろう氏による「電気と通信の不思議」を実験で伝えるサイエンスショ−を企画しました。あわせて、NICTの 研究を紹介する展示コ−ナ−の設置や、昨年5月にオ−プンした常設展示室の休日特別開館など、子どもたちの科学の 芽を育てる工夫もしました。

第1部の講演は、地球環境計測研究をされている浦塚清峰さんが笑顔で登場し、「いつでも晴天"航空機映像レ−ダで 見た日本"」の演題で、実際に撮影した航空機搭載レ−ダの画像を使った小金井・国分寺周辺の地形の特徴などを 解説しました。その後、日本各地の人工物体や火山噴火口などの自然観測結果をもとに、普段見慣れた航空写真とは ひと味違った航空機映像レ−ダによる電波ならではの写真を数多く楽しんでいただきました。

第2部は、テレビ番組や雑誌の科学コ−ナ−でおなじみの米村でんじろう氏によるペ−パ−・ブ−メランの妙技で幕を 開けました。確実に戻ってくるブ−メランの原理解説、風船に蓄えられた「電荷」の視覚化、ポリエチレンひもを使った 「電気くらげ」の空中浮遊など、さまざまなパフォ−マンスに子どもたちも大喜びでした。糸電話やモ−ルス信号を 使ったクイズも飛び出し、NICTに関連付けた配慮もありました。極めつけは、会場内全員が手をつなぎ、静電気の 電撃を味わった実体験でした。そして、会場の天井までも届くほど飛び交ったたくさんの巨大風船と大きな歓声が フィナ−レを飾りました。

併設した展示コ−ナ−では、パネルや運び込んだ機器を前に、最近のNICT研究成果7件についての説明が研究者に よって行われました。上下つなぎの防災業務服姿で質疑対応を行う研究者もいて、周辺はいつまでも和やかな雰囲気に 包まれていました。

当日は朝からお天気に恵まれ、来訪者は316名を数えました。朝早くから展示室を訪れた多くの子どもたち、真剣な 眼差しで講演に熱中する一般の方々など、科学・技術の不思議と楽しさとを子どもと大人が一緒になって味わうことが できた1日だったと思います。ご来場いただいた皆さま、ご協力本当にありがとうございました。

なお、当日は電磁波計測・情報通信・無線通信・基礎先端の各部門、広報室等、多数の関係部署の協力連携のもとで 行われました。