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日中企業等のトップが参加したシンポジウムを主催

住友貴広 (すみとも たかひろ) - 総合企画部 国際連携室 主任研究員

近年の日中間での活発な交流を背景として、本年1月6日(木)から7日(金)にかけて、第14回日中産業科学技術交流 シンポジウムが中国北京市人民大会堂及び杭州市で開催されました。

NICTとしては今回初めての主催でしたが、当シンポジウムは14回を数え、毎回テーマとなる技術分野を設定し日中間の 産学官の交流に貢献しているもので、今回は情報通信技術(ICT)をテーマに財団法人国際通信経済研究所や中国通信学会 等と連携して開催しました。新年早々にもかかわらず、日本から麻生総務大臣をはじめわが国情報通信分野の産学官の トップの方々による総勢100名強が訪中し、日中間の交流が深められました。

今回のシンポジウム開催に際し、前日の1月5日(水)、NICT長尾理事長は中国情報産業部を訪れ、麻生総務大臣及び 王旭東中国情報産業部長をはじめとする日中の産学官の関係者の見守る中、中国情報産業部 電信研究院院長と情報通信 分野における研究協力に関する覚書に調印しました。今後は、研究テーマの具体化を図り、研究者交流、情報交換、 共同研究等の実施を通じて長期安定的な協力関係の確立を図っていく予定です。

さらに、1月6日(木)にも、中国人民大会堂「澳門の間」において、麻生総務大臣及び中国科学院院長をはじめとする 産学官の関係者の見守る中、中国科学院と情報通信分野における研究協力に関する覚書に調印しました。今後、 中国科学院とは、自然言語処理、電波リモートセンシングによる地球環境・災害監視技術、宇宙環境情報ネットワーク、 時間・周波数標準、日中e-VLBI共同実験、ナノテクノロジー、ユビキタスワイアレスマルチメディア通信、次世代 インターネット・ブロードバンドアプリケーション等の分野で、研究者交流、情報交換、フェローシッププログラムの実施、 シンポジウムの開催、共同研究の実施等を通じて相互協力と親善関係を構築し、情報通信分野の研究協力を実施していく 予定です。

今回の2件の覚書の調印により、既に昨年までに調印した清華大学及び北京郵電大学とあわせ、NICTと中国との強固な研究 協力関係の構築が実現されました。加えて昨年末、中国科学院計算機ネットワークセンターとの間でも情報通信分野の 包括的研究協力に関する覚書が締結されており、NICTの日本―香港間の超高速ネットワーク(2.4Gbps)と中国の2大高速 情報通信ネットワークCSTNET及びCERNETが接続されたこともあり、今後はNICTと中国との間のより密接な研究協力関係が 構築され、研究成果の創出につながるものと期待されます。

最後に、今回のシンポジウム開催及び調印にご協力いただいた関係者の皆さまに紙面を借りてお礼申し上げます。