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青山浩之(あおやま ひろゆき) - 拠点研究推進部門 テストベッド推進室 室長

NICTでは、研究開発テストベッドネットワーク「JGN2 」に関する、初めてのシンポジウムを 1月17 日(月)から19 日(水)まで、大阪国際会議場などで開催しました。 シンポジウムでは、JGN2 での研究活動の紹介や地域におけるJGN2 の利活用、 国際連携の方向性などをテーマとした多彩なプログラム、パネル・デモ展示が行われました。

長尾理事長の開会挨拶、ご来賓の総務省の鬼頭技術総括審議官、大阪大学の宮原総長からの挨拶に続き、 東京大学名誉教授の齊藤先生から「JGN2 への期待」と題した基調講演をいただき、 JGN2 を取り巻く環境の変化や多様なネットワークサービスの展開などについてお話を伺うことができました。

産業界からは松下電器産業株式会社パナソニックシステムソリューションズ社の秋山社長より、 情報家電の取り組みなど、ユビキタスネット社会への展望について、様々な角度から講演をいただきました。 一般生活者の未来像についての具体例を示されるなど、大変夢のある講演でした。

引き続いて行われた慶應義塾大学の村井教授の講演、そして2日目に行われた カルフォルニア大学サンディエゴ校のLarry Smarr教授の講演は、共に遠隔地からHD伝送技術を利用し、 高精細画像による講演となりました。スクリーン上に映し出された映像は高精細で臨場感があり、 参加者の興味を大いに誘いました。また、デモ展示会場では、高精細な4kデジタルシネマ技術を用いた映像が上映され、 デジタルシネマの迫力を実感してもらうことができました。これも超広帯域(20Gbps )なネットワークを提供している 「JGN2 」ならではの演出ではなかったかと自負しております。

今回のシンポジウムの大きなテーマの1つである国際連携については、Smarr教授の遠隔出演による講演と、 「研究開発テストベッドの国際連携」をテーマとしたパネルディスカッションがあり、 双方の会場全体を巻き込み活発な質疑応答がかわされるなど、大変興味深い内容となりました。 両プログラムとも、「JGN2 」の国際連携の可能性を感じさせるものであり、 国際共同研究の今後の推進について参加者からも多くの期待を集めていました。

さらに拠点連携型資源共有技術、教育、ブロードバンド、ウエアラブル、関西のネットワーク事情、 グローバルミドルウエアなどについて、各界から参加していただいたパネリストによる、白熱した議論が展開されました。

今回のシンポジウムは、1月17日、18日の2日間でのべ約750名の参加をいただき、 また、1月19 日には共催の電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ研究会などでも多数の参加者を得て、 活発な意見交換が行われ、盛況なうちに幕を閉じました。

最後に、このシンポジウム開催にあたり、ご協力をいただきました皆様方にこの場をお借りしてお礼を申し上げます。