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使命やビジョン、行動理念を職員全員が共有

このほど「NICT憲章」が制定されました。 NICT憲章は、NICTとはどのような組織で、何を行っていくべきなのかという、いわば基本理念を明確にすることを目的に つくられました。また、この憲章は外部に向けての私たちの意思表明でもあります。 今回、NICT憲章制定にあたりNICT憲章検討会を機構内に設置して検討が行われてきましたが、検討会のリーダーを務めた 板部上席研究員に、NICT憲章の意義や目的、どのようなプロセスで制定されたのかを伺いました。


Q. NICT憲章の位置付けを教えてください。

A. NICT とは何か?何をする機関なのか?を明確にし、NICTで働く人々の行動規範を示したものです。

Q. そもそもNICT憲章を制定しようとした背景、目的は何ですか?

まず、NICTの全職員が日々の業務に対する取組み意識を共有することが必要であるという問題意識がありました。組織が 大きくなり、業務も多様化しています。すでにNICTの役割を明らかにするための「ミッション」や「NICT法」が存在しています。 さらに組織統合の際に定めたNICTの「ビジョン」というものもあります。ここでNICTはどういう組織で自分達はどのような マインドをもって職務にあたってゆくかを問いなおす機会をつくるべきだ……という発想がNICT憲章をつくることになった きっかけでした。

Q. NICTとは何か? を振り返る機会の必要性から「NICT憲章」がでてきたわけですね。

A. そうです。NICTの使命、ビジョン、(職員の)行動理念を明確にして、それを職員全員で共有することが憲章を制定する目的です。

Q. NICT憲章制定のプロセスを簡単に教えてください。

A. まず私が、総務部長からまとめ役として任命をうけ、リーダとなり、"NICT憲章検討会"が発足しました。その後、全部門から 検討会のコアとなる代表者を選出してもらいました。アドバイザとして総務部長と総合企画部長。そして総合企画部から米子統括、 広報室から栗原室長に幹事役を引き受けてもらいました。これで総勢17人の検討委員会が設立されました。初回検討会では、 全体で「NICTとはいったい何だろう? 何をするべき所なのだろう?」を徹底して話し合いましたね。その後、検討委員を 3ワーキンググループ(研究系、総務系、芝部門系)にわけ、それぞれ3つの「憲章案」を持ち寄りました。それらをもとに、 議論を重ね、理事長、理事および職員との意見交換の場も交えながらブラッシュアップされていったのです。

実は、このプロジェクトを立ち上げたとき、検討会メンバーからはあまり意見があがってこないのでは? と予想していました。 皆、日々の研究や業務に追われてそれどころではない……と。でも蓋をあけてみると毎回白熱した議論がかわされ、大変 驚きました。研究者も支援部門も皆、NICTのすすむべき方向性に対して自分なりの意見をもち、ときには意見が対立すること もありました。

Q. 内容、構成について説明してください。

A. 当初はターゲットが職員に限るつもりでしたので「NICTとは」と「行動規範」とい2部構成を想定していました。しかし、議論を 重ねるうちに"外部に対してもNICTとは何かということを示すものにすべき"……という、考えも加わり、最終的に現在の「使命」 「ビジョン」「行動理念」という3部構成になりました。

内容は難しいものではないので、読んでいただければご理解いただけるはずです。大きな特徴としては、「コミュニケーション」 こそが、我々をひとつに結ぶキーワードだと位置づけ、その本質をあらためて定義したことです。そして人や自然や社会が あらゆる境界を超えて、世界中で通じ合う……ということ。これこそがNICTが目指す「ユニバーサルコミュニケーション」なのだ ということを明確にしました。

Q. NICTの憲章を作る際にこころがけた点は何ですか?

A. 「平易なことばを使う」「できる限り普遍的な内容にする」「簡潔にする」の3点です。 外部へのメッセージもかねているので、うまくいったかどうか分かりませんが、専門用語は可能な限り排除したつもりです。 また、短期的ではなく、極端にいうとこの先半永久的に通用する組織にすること。だらだらとした長文ではなく、職員が手帳 などに書いて持ち歩けるような量の少ないものにするということにも留意しました。

Q. 今後、NICT職員は、このNICT憲章をどのように活用すればよいですか?

A. NICT の職員として原点に立ち帰るものとして、あるいは拠り所として、NICT憲章を活用して欲しいと思っています。 そして外部に「NICTはこういうところです」と誇りをもって答えるためのものとしても活用してもらえるといいと思っています。 様々な場面で出逢う"NICT"に対し、すぐに頭に浮かぶものとなってほしいものですね。