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「日中情報通信フォーラム2005」報告

熊谷 博 (くまがい ひろし) - 電磁波計測部門 部門長

2005年11月21、22日の両日にわたり、北京市中国科学院図書館ホールにおいて、「日中情報通信フォーラム2005 」が開催 されました。本会議は、NICTと中国科学院間で今年1月にとりかわされた包括的研究協力協定を受けて開催されたものであり、 両機関はもとより、日中間における情報通信分野での相互理解、研究交流の強化を主な目的としています。日本からは、来賓と して総務省松本技術総括審議官、NICT長尾理事長と河内理事が、中国側は中国科学院郭副秘書長および中国科学院自動化学研究所 譚所長が出席されました。

今回は、テーマとして「ユビキタス通信及びネットワーク」、「自然言語処理」、「アジアリモートセンシング」の3研究分野が 設定され、各分野における両国の指導的研究者それぞれ1名が基調講演を行い、続いて一般講演も行われました。会議の模様は 中国科学院計算機ネットワークセンターの協力を得て、NICTへと中継されました。また、自動化研究所の施設見学も行われ、 参加者はRFタグや生体認証等に関する高度な研究の一端を見学することができました。

参加者総数は約250名で、中国科学院および傘下研究機関、そして大学から多くの人々が集まりました。特に中国科学院の 研究機関は大学院教育も行っているため、多くの学生も聴講し、熱心に質問する姿が印象的でした。また、在北京の情報通信に 関連する日系企業研究所からも多くの参加者があり、研究者交流の場として大変有意義なものになりました。

今回が第1回目の開催でしたが、両機関における信頼関係を形成するとともに、積極的な研究交流に勢いがついたことは本会議の 大きな成果です。本会議で提案された課題を継続的に検討するとともに、今後の協力関係をさらに発展させていきます。