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浜口 清 (はまぐち きよし) - 無線通信部門 横須賀無線通信研究センター 新世代モバイル研究開発プロジェクト推進室 主任研究員

NICTは、平成18年2月2日(木)に小金井本部で、フィンランド国立技術開発センター(VTT )プレジデントLeppavuori氏とNICT 塩見理事の署名のもと、情報通信分野の研究協力に関する覚書に調印しました。2者は今後、情報交換や人的交流、共同研究や シンポジウムの合同開催等を通して相互協力と親善を深め、情報通信分野の研究協力を推進する予定です。

VTT(Technical Research Center of Finlandのフィンランド語による頭文字の意)は、設立が1942年、職員数約2,700人を数える フィンランド通商産業省下の国立研究所で、北ヨーロッパ最大の研究機関でもあり、中立的な立場で技術及び技術経済分野の 研究開発を行う専門機関です。本部はヘルシンキ市に近接するエスポー市のオータミエニ・サイエンスパークにあります。 主な役割として企業化につながる応用研究があり、新しい産業分野を発展させること(特に情報産業分野)、民間のニーズを常に 把握しそれに沿った研究を行うこと(例えば予算内訳として政府28%、民間72% )等に重点が置かれています。

基盤的かつ広範な無線技術を持つNICTと、応用研究に実績のあるVTT相互の持ち味を生かした研究開発に取り組むことにより、 新システムの創生に役立つことが期待されます。とりわけミリ波帯の電波を用いた無線通信分野では、NICT横須賀無線通信研究 センターのミリ波利用推進プロジェクトを通して、VTT傘下のミリ波研究センターmillilabとの研究協力が既に進行しており、 本調印によって相互関係がなお一層強くなるものと思われます。

なお、研究協力の一環として、平成18年2月にはNICT共催のミリ波技術に関する国際シンポジウムTSMMW'06 とVTT/Millilab、 韓国東国大学MINTとの合同ワークショップを開催しました。発表件数は招待講演を含めて約100件、参加者は約140名あり、 ミリ波技術に関して熱心な討論が行われました。