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報告

 「NICT委託研究成果に関する記者発表会」報告〜ユビキタスネット社会を支えるモバイル認証技術〜連携研究部門 委託研究グループ 鈴木雅実(すずき まさみ)

 携帯電話向けサービスが多様化し、旅行、買い物、商取引に関する予約など、若い層を中心にその利用が急速に拡大しています。それに伴い、個人情報をはじめとする機密情報の漏えいが深刻な課題として浮き上がっており、解決策が求められています。 
 こうした社会ニーズに対応する携帯電話のセキュリティ機能の国内標準となる技術が、NICT委託研究より生まれました。
 本委託研究のテーマは「モバイルセキュリティ基盤技術の研究開発」で、平成16年〜18年度の3ヶ年間、株式会社日立製作所、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ、株式会社KDDI研究所、日本電気株式会社の4社が共同で受託し、“異なるモバイルキャリア間で相互運用できる安全性の高いモバイル認証基盤技術”が開発されました。
 この技術は、携帯電話によるインターネットサービスを利用する際に求められる、本人確認に使用されるもので、改ざんが非常に難しい「電子証明書」の発行に利用されます。従来のIDやパスワードを使った方式よりも格段に安全で、個人情報の流出や、不正なネット取引等を未然に防ぐことが可能になると期待されています。また、大きな特長として、異なるモバイルキャリア間でも相互に利用できるという点があげられます。サービス提供者の都合ではなく、サービス利用者側の視点で開発したセキュリティ技術といえるでしょう。
         
 平成19年1月23日、本技術の記者発表会が日立製作所本社(東京・丸の内)において、NICT、モバイルITフォーラムモバイルコマース部会、日立、NTTドコモ、KDDI研究所、日本電気の6機関から各代表者が出席して行われました。委託研究元であるNICTの沼田統括から「私達の委託研究から、皆さんの努力で素晴らしい技術が生まれて嬉しい」というあいさつの後、各機関から制度・技術説明等が行われ、記者との質疑応答へと移りました。
 質疑応答では、想定される利用シーン、ユーザーやサービス提供者のメリットなど、技術の内容にとどまらず、実際の「使い勝手」や今後の実用化展開に多くの質問や感想が参加者から寄せられました。日常すぐに役立つ技術に対する、社会の関心の高さを改めて実感しました。このことは、発表会以降、10紙にも及ぶ新聞紙面をにぎわせたことでも裏付けられました。 
 ナンバー・ポータビリティ制度の導入により、ユーザーが携帯電話を使う上でのフレキシビリティが高まり、携帯電話会社間の顧客サービス向上競争が激化しているこの時期に、大変タイムリーで実用への期待度が高い成果であったと考えています。今後、本技術の普及によって、ユーザーが安心して各種サービスを使え、利用が拡大することを願っています。
会場では数多くの質疑や感想が寄せられた
会場では数多くの質疑や感想が寄せられた
  各機関による制度・技術説明が行われた
各機関による制度・技術説明が行われた
NICT委託研究成果に関する記者発表会
〜ユビキタスネット社会を支えるモバイル認証技術創出の期待〜
日時:平成19年1月23日
会場:日立製作所本社(東京・丸の内)


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