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リポート1 ケーブルテレビ(CATV)ネットワークを使ってPHSサービスを拡大
リポート2 「超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム設立総会及びシンポジウム」開催報告
リポート3 ロシア無線通信研究所と研究協力に関する覚書に調印
報告

 ケーブルテレビ(CATV)ネットワークを使ってPHSサービスを拡大 〜委託研究 実証実験に成功〜 連携研究部門 委託研究グループ 細谷 三千夫(ほそや みちお)

 NICTの委託研究「ケーブルテレビネットワークにおけるモバイル端末接続技術の研究開発」で、実用化に大きく近づいた実証実験成果が得られました。本研究開発は、CATV最大手のジュピターテレコム(J:COM)とPHS最大手のウィルコム、そして東京農工大学の3者が共同で取り組みました。この技術は、CATVネットワークとモバイル(PHS)端末とを連携させることによって、山間部や過疎地域、ビルの陰など電波が届きにくい場所でのモバイル通信の実現を目指したもので、東京都内のJ:COMサービスエリア内に試作基地局10台を設置し、限定的なPHSサービスエリアを構築して実証証実験を行いました。
 この結果、PHS端末から発着信する接続率(99%以上)、データ通信速度(毎秒300キロビット以上)、基地局間の送信タイミング同期精度(1日後でも40マイクロ秒以下)、ハンドオーバ機能など、現在PHSサービスで提供されているものと同等の品質であることが確認できました。
 今度の研究開発は、CATVネットワークを利用した効率的なPHSサービスの通信域拡大(山間部・ビル陰・建物内)や、既存のCATVネットワークとモバイルとを融合させたサービス(FMC: Fixed Mobile Covergence)実現等に貢献できるものと期待されます。
図1 東京都練馬区のJ:COMサービスエリア内で実施された実証実験の概要図
図1:東京都練馬区のJ:COMサービスエリア内で実施された実証実験の
概要図
  図2 電柱に設置された試作基地局(無線局)の外観写真
図2:電柱に設置された
試作基地局
(無線局)の外観写真

研究開発で取り組んだ主な課題
(1)CATVネットワークに影響を及ぼさない新たなモバイル信号制御プロトコルの開発
(2)基地局間の送信タイミングを同期させるためのクロック信号をCATVネットワーク内の
   信号から抽出する技術開発
(3)機能・性能評価のための試作基地局の開発および実証実験


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