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情報通信研究機構の成果を結集した「NICTスーパーイベント 2009」を開催
情報通信の未来─情報通信研究機構(NICT)が語る、これからのビジョン─
セミナー実施報告
展示内容紹介
人へ、地球へ、未来へ。─NICTの最新の研究成果を展示
ITU 世界テレコム 2009
産学官ビジネスフェア2009に出展します
第3回ユニバーサルコミュニケーション国際シンポジウムを開催します
NICTスーパーイベント特集

情報通信の未来 ─情報通信研究機構(NICT)が語る、これからのビジョン─


NICTスーパーイベント 2009 シンポジウムを開催

NICTは、「NICTスーパーイベント 2009」の中で、未来の情報通信を見据えて進める最新の研究開発やプロジェクトについて、より多くの方々とビジョンを共有するために、「NICTシンポジウム」を同時開催しました。このシンポジウムはCEATECのコンファレンスの一つという位置づけで行ったものです。

5人の講師がICTの未来を展望

「NICTスーパーイベント 2009」の開催2日目にあたる10月7日(水)、幕張メッセ国際会議場において、NICTの研究開発をけん引する講師によるシンポジウムを開催しました。総合テーマは「情報通信の未来 ─情報通信研究機構(NICT)が語る、これからのビジョン─」。情報通信分野におけるわが国の唯一の研究機関であるNICTは、基礎から応用まで一貫した統合的な視点で研究開発を行い、併せて情報通信分野の事業支援等を総合的に行っています。今回のシンポジウムでは、未来の活力ある豊かな社会を展望したICT(情報通信技術)の最新研究を講演しました。

“光”が支える近未来のネットワーク

シンポジウムは10時30分に開演。宮原秀夫理事長の開会挨拶に続き、最初に講演を行ったのは、新世代ネットワーク研究開発戦略本部の村田正幸副本部長。これからのユビキタスネットワーク社会を支える「新世代ネットワーク」が、インターネットの改良だけでは解決できない技術的課題や社会的要求を抜本的に解決するために、今後数十年にわたるICT基盤となる技術の一つと期待されていること、そして、それに向かってのNICTの取り組みを紹介しました。伝送路における量的拡大が目標だった従来の基盤技術に代わり、いかに質を高めていくかが今後の課題であり、NICTが社会的要求を実現するべく策定した研究開発戦略のもと、産学官が連携し、国際協調によって実現していくことの重要性や、技術的な研究開発課題、そのロードマップを展望しました。
 続いて、新世代ネットワーク研究センターの和田尚也グループリーダーは、新世代ネットワークを支える基盤技術となる光ネットワーク技術に関する、最新の研究成果を講演しました。NICTでは光信号を電気信号に変換することなく、毎秒1.28テラビットの超高速転送を実現した世界最高速度の光パケット交換機を開発しましたが、今後は低消費電力など環境に配慮しつつも、ネットワークに対するユーザからの様々な要求に柔軟に答えていく、光パケット・パス統合ネットワークの開発が必要であることを強調。多値伝送技術や光ファイバのマルチコア化など最先端の技術も取り入れて実現していきたい、と抱負を述べました。
 大手町ネットワーク研究統括センターの下條真司センター長は、NICTが中心となって展開している新しいテストベッド「JGN2plus」について講演しました。光ファイバによるブロードバンド通信を全国に行き渡らせることを推進するために始まったJGNが今日までに果たした役割や、今年7月22日の皆既日食時に、JGN2plusを使って映像を各地にライブ中継した実績。そして今後の構想として、ネットワークをよりダイナミックに利用する仮想ネットワーク化などの実験、クラウド・コンピューティングなどの新しいテストベッド構想について述べ、そこではNICTの高精細3D映像など先端技術が使われ、将来は、各家庭でもそれらの映像を見ることができるだろうということを予測しました。

脳機能研究を将来のコミュニケーション技術へ活かす

今年20周年を迎えた神戸研究所からは、大岩和弘所長が、脳情報から捉える情報通信について、NICTが進める先端研究を講演しました。140億個の神経細胞が作り出す、極めて複雑なネットワークシステムである脳。生物の持つこの優れた能力を応用して、将来のコミュニケーション技術の基盤づくりに活かしたいと期待を込めて述べました。そのために、fMRIなどの非侵襲で脳機能を計測できる装置にNICTが誇る独自の技術を駆使して、総合科学としての脳情報通信融合研究を進めていくと語りました。
 最後は、けいはんな研究所の榎並和雅所長が、超臨場感コミュニケーションの未来像について講演を行いました。3D立体映像や超高精細映像など人間の五感に訴えるスーパーリアリティと、さらにこれを超える、より深い感動・より深い想像力につながるメタリアリティの2つの定義を合わせ持つ「超臨場感」の実現に向けて、ユニバーサルメディア研究センターで開発を進めていることを紹介しました。
 定員200名の会場は、ほぼ満席で、シンポジウム講演は富永昌彦理事の閉会挨拶にて終了。その後は、未来を語る熱気に包まれた中、来場者からの質問に受け応えする講師たちの姿がありました。

講演プログラム
新世代ネットワーク研究開発戦略
新世代ネットワーク研究開発戦略本部 副本部長 村田正幸
新世代ネットワークを支える基盤技術
―ユーザが制約を意識しないネットワークを目指して―
新世代ネットワーク研究センター 超高速フォトニックネットワークグループ グループリーダー 和田尚也
Open Innovationのための新しいテストベッド JGN-X
大手町ネットワーク研究統括センター センター長 下條真司
情報通信を脳機能から捉える
―NICTが進める脳情報通信融合研究―
神戸研究所 所長 大岩和弘
超臨場感コミュニケーションの未来と研究動向
けいはんな研究所 所長 榎並和雅


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