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情報通信研究機構の成果を結集した「NICTスーパーイベント 2009」を開催
情報通信の未来─情報通信研究機構(NICT)が語る、これからのビジョン─
セミナー実施報告
展示内容紹介
人へ、地球へ、未来へ。─NICTの最新の研究成果を展示
ITU 世界テレコム 2009
産学官ビジネスフェア2009に出展します
第3回ユニバーサルコミュニケーション国際シンポジウムを開催します
NICTスーパーイベント特集

セミナー実施報告


ユニバーサルメディア研究センターによる2事例の「研究成果発表セミナー」及び研究推進部門による3事例の「技術移転可能なシーズ紹介セミナー」を10月9日に開催、各テーマ定員75名の会場はほぼ満席でした。8日に予定していた「産学官連携・支援制度の成果発表セミナー」は台風のため中止、翌日NICT展示ブース内の産学官連携ゾーンにて一部実施しました。

研究成果発表セミナー

最初の講演は栗田泰市郎グループリーダー(ユニバーサルメディア研究センター超臨場感基盤グループ)による「立体映像・音響の忠実な再現を目指した超臨場感基盤技術」。世界に先駆け、実写・動画像表示をリアルタイムで可能にするホログラフィーの電子化システムと、立体音響を実現するための、全方向に異なる放射特性を有する球体及び箱型の試作スピーカーについて説明を行いました。
 続いて、安藤広志グループリーダー(ユニバーサルメディア研究センター超臨場感システムグループ)による「人に最適な多感覚情報システム技術」。人が感じる臨場感は、(1)空間的要素(例えば、立体感や質感)、(2)時間的要素(例えば、映像と音が同時に感じられる同期感)、(3)身体的要素(例えば、自分自身がそこにいるように感じる自己存在感や何かを操作すると反応がかえってくるインタラクティブ感)の3要素でとらえることができること。技術的成果として、通常触わることができない重要文化財等の立体映像、感触、音響を再現した多感覚インタラクションシステムを紹介しました。将来は手術の訓練シミュレーションなどへの応用が考えられます。

技術移転可能なシーズ紹介セミナー

技術移転可能なシーズ紹介は、土屋昌弘上席研究員による「RF(高周波) 信号伝搬を映像観察できる電界カメラ」で開始。電気光学効果とCMOS技術を有機的に利用することで、従来の計測機器では実現できなかった回路内高周波信号伝搬のその場観察が可能となりました。高速高周波回路の設計や診断に威力を発揮することが期待されます。
 次は、前川聡主任研究員(ユニバーサルメディア研究センター超臨場感システムグループ)による「空間映像インタラクションシステム」。空中像に触れようと長蛇の列が並ぶ展示、フローティングタッチディスプレイについて、結像の特徴や技術的背景の紹介に加えて、光学素子の加工精度、サイズ、コスト等、進行中の課題を説明しました。
 最後は、黒田正博マネージャー(研究推進部門標準化推進グループ)による「省電力セキュア無線センサと見守りネットワーク」。NICTがけん引して標準化作業中のIEEE802.15.6を想定した仕様で、セキュリティを確保して無線で生体情報を管理する、安心見守りシステムを紹介。このシステムを用いた家庭での健康管理も実用間近です。また、同技術を用いた新健診システムも紹介。これらは、神奈川県予防医学協会、横浜市立大学医学部、及び企業群との協力関係のもと、 研究開発プロジェクトとして進めています。
 セミナー終了後、ブースでの各研究者への質疑応答は閉館時刻になっても終わらないほど来場者の関心を惹きつけていました。



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