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「超高速インターネット衛星きずな(WINDS)国際シンポジウム」開催
開催日: 2010年2月4日(木)
会 場: 科学技術館
新世代ワイヤレス研究センター 推進室 秋岡 眞樹、澤田 華織

「きずな」(WINDS)は、NICTとJAXAの共同開発により、2008年2月に打ち上げられた技術実証を目的とした超高速インターネット衛星です。2009年硫黄島からのフルハイビジョンによる皆既日食中継実験やNHKによるスーパーハイビジョン映像伝送実験、外科手術の3Dハイビジョン伝送実験など、次世代の通信・放送における衛星利用の形を示す実験成果が次々と挙がっています。その様子は各メディアを通し、広く社会に紹介されています。
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同主催して行った今回のシンポジウムは、300人を超す参加者があり、基調講演を含めて13件に及ぶ講演とパネル討論で構成されました。各講演者からは、離島とのハイビジョン映像伝送や国際消防救助隊を支援するためのシステム実験などの応用実験、遠隔医療実験など海外での「きずな」を用いた取り組みが紹介されました。
 今年のシンポジウムでは、タイの地理情報・宇宙開発庁副長官が「きずな」衛星を使ってシンポジウムへ遠隔参加したほか、「きずな」を用いたデモ実験を実施しました。NICTは、「サバイバビリティ・アプリケーション」と銘打って、消防庁消防研究センターおよびATRと協力し、無線メッシュネットワーク技術と「きずな」を用いて、災害被災地の救助隊と対策本部の間に、迅速に臨時通信網を仮設する実験を行いました。一連の実験で、一定エリアをカバーするIP電話網とフルハイビジョン映像伝送システムを、地球局の組み立ても含めて3時間程度で構築可能であることを実証し、非常時に役立つシステムであることを示すことができました。
 最後のパネルディスカッションでは、(株)インターネット総合研究所の藤原洋氏はじめ、7名のパネラーによって、これからの「きずな」に期待されることが討論されました。特に、科学技術立国の観点からの宇宙通信技術の重要性や、アジア太平洋域への科学技術による貢献として「きずな」の果たす役割の大きさなどが強調されていました。

  • * 無線メッシュネットワーク技術:無線LANなどの技術を駆使して、ノード相互にデータ送受信することによりメッシュ(網の目)状にネットワークを構成する技術。

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