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「第3回日欧新世代ネットワークシンポジウム」の開催報告 ̶新世代ネットワーク研究開発における日欧の協力関係が大きく前進̶ 総合企画部 新世代ネットワーク研究開発戦略推進室 室長 青木 哲郎

NICTと欧州委員会の共催により「第3回日欧新世代ネットワークシンポジウム(3rd EU-Japan Symposium on the"Future Internet")」を開催しました。

開催日 2010年10月20日(水)・21日(木)
場  所 フィンランド タンペレ
参加者 100名(日本: 40名、欧州側: 60名)
主  催 情報通信研究機構、欧州委員会

新世代ネットワークとは、次世代ネットワーク(NGN)のさらに先を見据えて、日本、欧米で研究開発が進められているものです。欧州ではFuture Internet(将来インターネット)とも呼ばれます。このシンポジウムはNICTと欧州委員会社会メディア情報総局(DG-INFSO)とが共催する新世代ネットワークに関する国際会議で、2008年から毎年1回ずつ開催されています。昨年度までは双方の研究紹介が中心でしたが、今回は4パラレルセッションで各セッションに6時間を割り当て、それぞれ日欧の研究者が発表を行った後、具体的な共同研究テーマについての議論を中心としました。これは、具体的な共同研究テーマを明確にするためです。発表者は議論終了後、共同研究提案書を記述して最後のラップアップセッションで発表しました。

その成果として、今回の会議では18件の共同研究提案書が出されました。日本とEUの間での共同研究のフェーズが具体的な取り組みを前提とした提案フェーズに入り、日欧関係が大きく前進したと言えるでしょう。

欧州側からは、今後の共同研究を推進していくための枠組みとして、Coordinated Call(共同公募)の打診があり、FP7(EUの第7次研究枠組み計画:2007~2013年)の最後のワークプランであるWP2013での実現を目指し双方努力することが、実務者レベルで確認されています。共同公募は、欧州委員会がロシア、ブラジルとWP2011-2012で行う予定を既に立てています。日本では、同じ仕組みでの共同公募を、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、科学技術振興機構(JST)が、欧州委員会の研究総局と行っています。今後、共同公募を行うための、EC-総務省間の外交的対話、NICT-EC間での取り決め、総務省-NICT間での枠組みづくり等、具体的な交渉を進めていく予定です。

次回会合は、2011年秋に日本で開催する事がアナウンスされました。

久保田総括審議官(総務省)、NICT宮原理事長、リンデーン通信大臣(フィンランド)ペルトマキ副総局長の講演

NICTでは、2011年4月から始まる第3期中期計画での、研究開発の目玉の1つである新世代ネットワーク研究開発を、国際的な競争、共創の中で戦略的に進めることを目標にしています。今後は、このシンポジウムでの議論をもとにNICTが産学官のハブとなって国際的な共同研究を加速し、世界のネットワーク産業のなかでの日本の競争力強化、NICTのプレゼンスの向上に努めたいと思っています。

パラレルセッションの1つでの議論
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