NICT NEWS

フェロー紹介

ワイヤレスネットワーク研究所 企画室 澤田 華織

専門性の高い産学官連携イベント

NICTは、2011年7月5、6日の2日間、YRP研究開発推進協会およびYRPアカデミア交流ネットワークと共同で「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2011」を開催しました。本イベントは、最先端のワイヤレス通信技術と研究開発成果を発表する展示会、無線通信のトレンドに焦点を当てたセミナー・プログラム、大学研究室の研究発表の場であるアカデミアセッション、製品開発に係る最新技術ソリューションを提案する出展社プレゼンテーションという4つの柱から成り、無線通信の技術や研究開発を進める企業、大学および機関とのビジネスマッチングの場として2006年から開催されています。今年は震災の影響により展示会への出展を取りやめる企業が相次ぎ、出展社数は40社(昨年: 77社)と落ち込んだものの、会場となったパシフィコ横浜には2日間で延べ6,668人(昨年: 7,849人)が来場し、無線通信業界から高い注目を集めていることがうかがえました。

安心・安全を実現する無線通信技術の研究開発ビジョンを示したNICT

NICTは「災害非常時に有効な無線通信技術」をテーマとし、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)を含む高速/移動体衛星通信、光地上・衛星通信技術、コグニティブ無線システム、公共系ブロードバンド移動通信システム、スマートメータによるワイヤレスグリッド技術、ミリ波を用いた超高速映像伝送技術、医療支援ICT技術など計17件を出展しました。WTPでは毎年必ず最新の成果をご覧頂けるよう「最新成果の動態展示」に重点を置いて展示内容を選定していますが、本年はパネル展示コーナーを特設し、震災を機に再認識された無線技術の重要性や課題を取り上げ、NICTが研究開発を進める無線通信ネットワーク技術の有効性を示すとともに、東日本大震災後の救助支援活動におけるWINDSやコグニティブ無線ルータによる貢献について紹介しました。

ブース来訪者からは、技術面だけでなく、アプリケーションや実用化に向けた進捗状況、製品化や共同研究についてなどの質問が相次ぎ、活況を呈しました。また、台湾工業技術研究院(ITRI)情報通信研究所(ICL)の周勝鄰副所長のご視察のほか、視覚障がい者の方々が「UWBを用いた視覚障がい者支援BAN」の開発実機を見学され、開発担当者との意見交換をされるなど幅広い分野の方々をお迎えしました。

テーマ別9コースから成るセミナー・プログラムでは、総務省の田原康生移動通信課長や湯本博信国際協力課長を始め、産学官の専門家から計52件の講演を頂きました。NICTからは、ディペンダブルワイヤレス研究室の李還幇主任研究員が「BANの標準化とUWBを用いたBANシステム試作例」、スマートワイヤレス研究室の村上誉主任研究員が「ホワイトスペースにおける無線通信に向けたNICTの取り組み」について発表を行い、多くの受講者の関心を集めました。その他、出展企業4社がプレゼンテーションを行ったほか、アカデミアセッションにおいては13大学の研究室から16件の発表があり、ポスターセッションには14大学が参加しました。

産学官の専門家が一堂に会することで相互交流を促進するとともに、わが国の無線通信分野の活性化や競争力の向上、強化に資するため、NICTは無線通信の研究開発とともに、関係機関と協力してより一層充実したWTP2012を開催できるよう努力して参ります。

ブース来訪者

●UWBを用いた視覚障がい者支援BANの実機を確認される視覚障がい者の方々。
●UWBを用いた視覚障がい者支援BANの実機を確認される視覚障がい者の方々。

●台湾工業技術研究院(ITRI)情報通信研究所の周勝鄰副所長もご見学。
●台湾工業技術研究院(ITRI)情報通信研究所の周勝鄰副所長もご見学。



出展内容

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出展内容

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