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ナレッジキャピタルトライアル2011出展報告 -可視化技術と多感覚インタラクションシステムを紹介-

ユニバーサルコミュニケーション研究所 統括 木村 和宏

NICTは、8月26日(金)~8月28日(日)に大阪市の堂島リバーフォーラムで開催された、「ナレッジキャピタルトライアル2011」に出展しました。このイベントは、2013年春に大阪駅北側の「うめきた」先行開発区域「グランフロント大阪」内に開設される予定の、「感性」と「技術」の融合により新たな知的価値を生み出す複合施設「ナレッジキャピタル」での活動を計画している企業、大学、研究機関などが、開設に先立って一般市民に研究活動などを紹介し、体験してもらう目的で開催されました。今回で3回目であり、本番前の最後のトライアルイベントとなりました。主催者発表によると、3日間で約11,600名の来場者がありました。

可視化技術に関しては、NICTを中心として23の大学、企業、団体等の連携により「VisLab大阪」ブースを構成し、前回までの24面タイルドディスプレイ(図1右)に加え、新たに10面3Dタイルドディスプレイ(図1左)を展示しました。これらのディスプレイ上で、協力団体で制作された科学技術計算結果の可視化映像、芸術映像、文化財や文化遺産の再現映像などを紹介しました。NICTの新たなコンテンツとして、Twitterなどで流れている情報を分析して一覧表示する「Stream Concordance」(図1右に表示された映像)を初公開しました。この他に、球形スクリーンに地球などの映像を投影する「Dagik Earth」(図1上)や3Dプロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイなど、さまざまな可視化装置で映像を見ていただきました。

図1●「VisLab大阪」ブース図1●「VisLab大阪」ブース

また、28日の主催者プログラムと連携して、新江ノ島水族館からの映像を、NICTの超高精細映像伝送技術を用いてハイビジョンの4倍の解像度の4K映像で会場にライブ伝送し、8,000匹のイワシが泳ぐ相模湾大水槽やイルカショーをご覧いただきました(図2)。

図2●新江ノ島水族館からの伝送映像(右が4Kモニタ)図2●新江ノ島水族館からの伝送映像(右が4Kモニタ)

立体映像と音響、触覚、香りの4感覚を同時に提示する多感覚インタラクションシステムの展示では、正倉院の「銀薫炉ぎんくんろ」をシステム上で再現し「サイバー博物館」と称して、来場者にその場所に実際にはないものに臨場感をもって触れる、という不思議な体験をしていただきました(図3)。

図3●「多感覚インタラクション」ブース図3●「多感覚インタラクション」ブース

今回の出展により明らかになった技術的課題や来場者からのご意見を反映し、再来年春のナレッジキャピタル開設に向けて準備を進め、大阪を中心とした地域の企業や大学、アーティストなどと連携した研究開発を推進する予定です。

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