NICT NEWS

「新世代ICTテストベッド シンポジウム2011」開催報告

テストベッド研究開発推進センター テストベッド構築企画室 室長 山口 修治
専門調査員 小村 和司

NICTでは、10月13日(木)、東京(ガーデンシティ品川)にて、新世代ICTテストベッドシンポジウム2011を開催し、2011年4月より運用を開始した「JGN-X」及び「StarBED3」について、その概観、提供サービス、今後の展望等について紹介するとともに、東日本大震災等も踏まえた、新世代ネットワーク及びICTテストベッドへの期待等の講演や議論を行いました。また、本シンポジウム前日には、電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ研究会等とともに、JGN-XやSINET4等国内の研究ネットワークに関わる研究者による「広帯域ネットワーク利用に関するワークショップ(ADVNET2011)」を開催しました。

シンポジウム本会議では、宮原秀夫NICT理事長の開会挨拶、森田高総務大臣政務官による来賓挨拶に続いて、NTTドコモ先進技術研究所の村瀬淳所長及び早稲田大学情報理工学科の後藤滋樹教授による基調講演が行われました。

続いて、NICT下條真司テストベッド研究開発推進センター長、篠田陽一R&Dアドバイザー、中尾彰宏ネットワーク仮想化プロジェクトリーダーから、産業界にみる最新のネットワーク動向、新世代ネットワーク技術によるインターネット進化の考察、ネットワーク仮想化や大規模エミュレーション技術の最新の研究動向、JGN-X及びStarBED3等ICTテストベッドの概観、提供サービス、今後の展望等についての講演が行われました。さらに、テストベッドネットワーク推進ワーキンググループの井上友二主査からは、ユーザ・利用の視点からの新世代ネットワークやテストベッドへの期待、車がネットワークにつながることによる新しい利用や価値の創造等が紹介されるとともに、関西大学システム理工学部の山本幹教授からは、コンテンツオリエンテッドなネットワークが実現する異種ネットワークの連携と効果に関する考察が紹介されました。

プログラムの最後には、「ICTテストベッドから新世代ネットワークの実現を目指して」と題して、6名のパネリストによるパネルディスカッションが行われました。新世代ネットワークに対しては、(1)電話からインターネットのような革新的なパラダイムの必要性、(2)セキュリティ・信頼性の確保、(3)イノベーションの創出や国際競争力の強化、(4)既存のネットワークから新世代への円滑なマイグレーション等の期待が示され、ICTテストベッドに対しては、(1)様々なアイデアを集め、それらを実証し、利用者に活用されるツールとなるべき、(2)新産業や雇用創出のためのベンチャー企業の育成基盤であるべき、(3)テストベッドの提供者と利用者の隔たりをなくし、提供者自身が自ら使いたいと思う環境になるべき、(4)単なる技術のテストベッドだけではなく法整備に資する環境であるべき等のご討論をいただきました。今後の新世代ネットワーク及びICTテストベッドの推進にあたり、参考とさせていただきます。

今回のシンポジウムは約200名の方々にご来場いただき、また前日に開催したワークショップにおいても多数の参加者を得て、両日合わせると延べ340名となり、盛況のうちに幕を閉じました。

最後にこのシンポジウム開催にあたり、ご協力をいただいた多くの皆様方に感謝を申し上げます。

●シンポジウムの会場風景●シンポジウムの会場風景 ●パネルディスカッション風景●パネルディスカッション風景
●宮原秀夫 NICT理事長(本会議 開会挨拶)●宮原秀夫 NICT理事長
 (本会議 開会挨拶)
●森田 高 総務大臣政務官(来賓挨拶)●森田 高 総務大臣政務官
 (来賓挨拶)
●富永昌彦 NICT理事(閉会挨拶)●富永昌彦 NICT理事
 (閉会挨拶)
●パネル展示●パネル展示

プログラムの詳細についてはJGN-XのWebページ(http://www.jgn.nict.go.jp/ja/info/index.html)をご覧ください。

独立行政法人
情報通信研究機構
広報部 mail
Copyright(c)National Institute of Information and Communications Technology. All Rights Reserved.
NICT ホームページ 前のページ 次のページ 前のページ 次のページ