2012年2月27日（月）、NICT本部国際会議室において第6回NICT/EMC-net シンポジウムを開催しました。当日は製造業、試験機関、測定器メーカ、官公庁など幅広い分野からの参加者で、会場はほぼ満席となりました。NICT/EMC-netは、産学官のEMC技術者相互の情報や意見の交換を目的として2006年11月に発足した組織です。現在、3つの研究会（妨害波測定法、EMIアンテナ校正、APD応用）が活動しており、延べ310名の会員に登録いただいております。また、年1回シンポジウムを開催してタイムリーな話題に関する最新動向について専門家による講演会も行っています。

第6回目となる今回のシンポジウムでは、東京大学の大崎博之教授をお招きし、「IEC/TC77の活動状況と電気用品安全法改正に向けた動向について」と題して基調講演をしていただきました。このテーマは現在注目されているスマートグリッドや、急速に普及が進む省エネ家電に関連したEMC問題と関連が深く、講演後は国際・国内動向や将来展望についての熱心な質疑が行われました。続いて、この１年間のNICT/EMC-netの3つの研究会の活動報告が行われ、活動内容へのコメントや今後の要望などのご意見をいただきました。

講演会に引き続き、NICTが新たに整備したEMC関連実験施設の見学会を行いました。実験装置を前にして見学会参加者とNICTの説明員との間で予定時間を超えて質疑応答が行われるなど、関心の高さがうかがわれました。NICT/EMC-netでは、今後も産業界との連携をめざして成果発信や検討テーマの発掘を進める予定です。

●基調講演　東京大学 大崎博之教授	●活動報告　妨害波測定法研究会・主任 　京都大学 和田修己教授
●講演会場	●施設見学会（大型電波暗室）