ブックタイトル情報通信研究機構年報

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概要

情報通信研究機構年報

973  ●オープンイノベーション推進本部3.11.2 総合テストベッド研究開発推進センタータとの連携による人の挙動や災害を含めた統合的実証環境の構築について開発・検証が進められた。JOSEについては、広域分散計算リソース、センサーを活用する大規模IoT実証基盤として提供している。平成28年度は、広域分散クラウド機能として、従来の仮想マシンに加えて、ベアメタル、コンテナを広域SDNのユーザスライス上で稼働させる機能を新たに開発した。これにより、ユーザが物理サーバを施入した高性能な計算機環境を利用可能とするとともに、多数の計算機環境の設定を一括して更新可能とする機能を導入した。2 .テストベッド利活用の促進テストベッド事務局の窓口機能については、第3 期中長期目標期間において4 か所に分散されていた事務局の窓口(電話、メールアドレス、HP等)を一元化するとともに、組織的な対応体制を整備し、テストベッドについて熟知していない利用者でも円滑に利用できる環境を整えた。契約手続きについては、利用手順の見直しを行い、約款型(施設利用型協力研究)の導入により契約手続きの簡素化を実現するとともに、複数テストベッドの同時申請を可能とした。周知広報活動については、全国各地での説明会等の周知活動を95件実施し、新たな分野、業界、地域等における需要の掘り起こしを行った。これらの利用促進策により、これまでNICTのテストベッドを利用したことのない新規利用者によるプロジェクトが7 件開始されるとともに、多くの新規プロジェクトの開設準備が進められている。3 .テストベッドの利用状況平成28年度においては、総テーマ数102件の実証プロジェクトが開始された。そのうち、IoT実証プロジェクトは46件、社会実証プロジェクトは19件であった。また、APTの支援によるタイのダム監視システムのプロジェクトを開始するなど、国際連携プロジェクトを2件実施した。プロジェクトの実施によるユーザの成果として、11件が商品化(予定を含む)、22件が実運用化(予定を含む)され、学術的成果として、89件の論文、200件の外部発表などを実現した(詳細は、図3 を参照)。4 .その他(外部との連携)スマートIoT推進フォーラムにテストベッド分科会を設置することにより、将来のテストベッドの要件等に関する検討体制を整備し、議論を開始した。平成28年度は、分科会2 回、コアメンバ会議2 回を開催し、国内外の動向を調査するとともに、IoT実証に必要となる要件やニーズについて検討を行った。引き続き、個別テーマごとに要件の具体化を行い、総合テストベッドの高度化、分野拡大、利用促進等に活用していく方針である。海外研究機関との連携として、RISEテストベッドを活用したタイのダム監視システムに関する実証プロジェクトについて、APTの支援を受け、NECTECと共同で開始した。これを含め、海外との共同研究1 件、MoU 9 件、国際的な技術実証テーマ2 件を実施した。図2 大規模エミュレーション基盤(StarBED)◆稼働率大規模エミュレーション基盤テストベッド(StarBED) 70%大規模実基盤テストベッド(JOSE) 66%◆利用状況注:青字部分はテーマ数の内訳(重複含む)テーマ数102新規ユーザ7社会実証19IoT関連46複数テストベッド利用36SINET経由12国際回線利用5NICT他研究所利用21利用機関数251◆広報活動総合テストベッド周知活動95内外のイベント参加数10◆国際連携共同研究1MoU 9国際的な技術実証テーマ2◆ユーザーによる成果商品化数(含む予定) 11実運用化数(含む予定) 22論文数(掲載+掲載決定) 89国際会議72外部発表数200図3  NICT総合テストベッド利用状況(平成28年4月より平成29年3月末まで合計数)