ブックタイトル情報通信研究機構年報

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概要

情報通信研究機構年報

1033  ●オープンイノベーション推進本部3.11.3 耐災害ICT研究センタームD-SUMM(ディーサム)を開発し、10月に試験公開を開始した。2 .熊本地震被災地支援活動ツイッター上の災害関連情報を分析できるシステムとして平成27年度から試験公開しているDISAANA(ディサーナ)が熊本地震において利用された。内閣官房においてツイッター分析班が設けられ、被害状況の確認にDISAANAが利用された。また、報道機関にも多数取り上げられ有効性について高く評価された。DISAANAは通常全日本語ツイッターデータの10%を対象としているが、ツイッター社の協力を得て、熊本地震発生後約1 ヵ月の間、100%のデータを対象として分析結果を提供した。被災地域における通信インフラの復旧支援を行うために、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)経由の衛星通信及びメッシュネットワーク機器を熊本県高森町に輸送し、町役場や住民に対して応急ネットワークによる支援活動を行い、短期間であったが利用者の評価を得た。3 .技術の社会実証に向けた技術実証、防災訓練等研究成果の社会実装を促進するために、自治体等において防災訓練参加や実証実験を実施した。災害時に既存ネットワークが使えないという想定で、静岡県での大規模地震時医療活動訓練( 8 月6 日)や徳島県鳴門市での自治体、企業、住民に対する津波災害に対する通信訓練( 9 月8 日)等を実施した。また、平成28年度東京都図上訓練において、あらかじめ訓練シナリオに沿った模擬書き込みデータを作成し、訓練時にこれを流し、DISAANA・D-SUMMを利用して災害状況の把握に役立てるという取組を行い、高い評価を得た。4 .対外連携強化や各種イベント開催等の取組東北大学との連携強化の一環として、マッチング支援事業が開始され、提案の中から選ばれた13件の共同研究が開始された。産学官連携や地域連携のために、耐災害ICT研究協議会と地域連携連絡会を開催した。耐災害ICT研究協議会主催による耐災害ICTシンポジウム「耐災害ICT研究×ロボティクス×コネクテッドカーで防災・減災への新たな展開」を平成29年3 月に仙台市で開催し、耐災害ICT研究の発展方向について議論をした。図1  熊本地震被災地で活動した「きずな」車載地球局 図2 耐災害ICTシンポジウム会場模様(熊本県高森町)