ブックタイトル情報通信研究機構年報

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概要

情報通信研究機構年報

1073  ●オープンイノベーション推進本部3.11.3 耐災害ICT研究センターに関して有線・無線冗長化を行い、分散制御による全自動修復機構を提案した。図4 は無線接続可能な制御層ネットワーク応急復旧装置及び緊急接続サーバを利用した制御層ネットワーク復旧システムの概要である。また、当該修復機構を光統合テストベッド上で実装し、実証実験を行った。(3)光ファイバネットワーク応急復旧支援装置の研究光通信装置を構成する機能をそれぞれ小型パッケージ化し、「機能を選択し自由に組合せできる光通信装置」のプロトタイプを作製した(図5 )。これらの装置は可搬性が高く、すなわち必要な地域への移設が容易で、災害で壊れた通信装置の機能を代替し、光ネットワークの早期応急復旧を可能とする。さらに、従来の商用の光通信装置にはなかった機能として、当該支援装置の制御機能パッケージにはLTEや衛星通信などの無線通信を利用して、光ネットワークの被害状況や故障箇所などの情報をネットワーク管理者が早期把握できる機能が実装されている。(4)可搬型光増幅器の環境性能向上倒壊局舎をバイパスした生残光ファイバの再接続や、迂回路設定に有効な中継増幅機能を携帯可能な軽量筐体に実装した可搬型EDFA(エルビウム添加ファイバ増幅器)について、耐環境性能を向上させ運用信頼性を高めた新型のパッケージを実装した。プロトタイプは、水没環境での運転や、振動、落下、熱サイクルなどの複数の条件下で連続運転を求める過酷な試験(国際規格である米国軍用基準等)に合格した。(5)論理ネットワーク自己修復の研究上位層論理ネットワークの修復において、災害発生から完全復興まで論理接続性が変化しつづける中、ネットワークの変化に応じて、広範囲のリナンバリングを回避するためにIPネットワークアドレス空間の配分及びアドレス設定を含むアドレシングを自動調整し、ネットワーク中のアドレシングを正しく維持する機能が求められる。平成28年度は、分散されたアドレシング管理サーバ間でアドレス空間配分情報を正しく維持する自律分散情報伝達機能を提案及び実装した(図6 )。図3 キャリア間相互接続の数値的効果図5 光ファイバネットワーク応急復旧支援装置プロトタイプ図4 制御層ネットワーク復旧システム概要図6 IPネットワークアドレシング情報の自律分散管理