ブックタイトル情報通信研究機構年報

ページ
146/318

このページは 情報通信研究機構年報 の電子ブックに掲載されている146ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

情報通信研究機構年報

138■概要標準化推進室は、NICTの研究成果が実社会において広く活用されるよう、研究成果の社会還元の一環として、国際標準化活動の強化、推進を行い、我が国の国際競争力の強化に貢献している。具体的には、国際標準への反映を念頭においた研究開発を推進し、その成果を国際電気通信連合(ITU)等の国際標準化機関や各種フォーラムへ寄与文書として積極的に提案することを支援している。また、NICTは専門的な知見を有する中立的な立場であることから、国内における各種の標準化関係委員会への委員の派遣等を積極的に行っている。さらに、標準化に関するフォーラム活動、国際会議等の我が国での開催を積極的に支援している。このような戦略的かつ重点的な標準化活動を実現するため、機構の標準化に係るアクションプランを明確化した。■平成28年度の成果1 .標準化活動の推進(1) 研究開発成果の国際標準化に資するため、重点分野や具体的な行動計画等を定めた「情報通信研究機構標準化アクションプラン」を平成29年3 月に策定し、今中長期目標期間における戦略的な標準化推進の基礎を確立した。(2) 研究開発成果を国際標準に反映していくため、各種国際標準化機関等における会議等に積極的に参加するとともに、平成28年度においては研究開発成果等に基づき延べ242件の寄与文書を提出した。また、標準化に係る各種委員会、国際標準化機関等の会議等において、平成28年度は延べ45人が議長やエディター等の役割を務め、研究開発成果の国際標準化に貢献した。(3) 従来のITU-T/R/D、APT、ETSI等の国際標準化機関・団体に加えて、無線分野の活動強化のため平成28年度から新たに3GPPへの参加資格(メンバーシップ)を確保した。(4) このような活動の結果、ワイヤレスネットワーク、光アクセス基盤、宇宙天気、電磁環境、先進的音声翻訳等の分野において、NICTの研究成果を反映した国際標準が成立した(図1 )。(5) NICTの職員の国際標準化活動に関して、平成28年度においては、将来網やセキュリティ技術等に関するITU勧告化等への貢献に対して日本ITU協会賞が6 名及び1 団体に授与されるとともに、テラヘルツ波の研究開発・標準化への貢献に対して電波功績賞を共同受賞した。2 .標準化に関する動向把握・人材育成(1) 関係組織と協力し、IoTセミナー「デザイン思考が切り拓くIoT活用によるビジネス革新と価値創造」(平成29年1 月、東京)、標準化セミナー「3GPPにおける5 Gに向けた標準化動向について」(平成29年2 月、横須賀)をそれぞれ開催した(図2 )。(2) oneM2Mショーケース2 (平成29年1 月、東京)を関係組織と共催し、ワークショップにおける講演を通じて、NICTの研究成果をアピールした。(3) 一般社団法人電波産業会(ARIB)との間で平成24年度に締結した連携・協力の推進に関する協定に基づき、第4 回NICTとARIBの連携・協力推進に関する連絡会(平成28年8 月)をARIBにおいて開催し、無線通信関係の標準化活動に関する意見交換を行った。3 .標準化関連イベントへの参画(1) APT政策・規制フォーラム(平成28年7 月、東京)が開催され、NICTからも展示を行い、研究成果のアジア太平洋地域への発信を行った。(2) ITU世界テレコム2016及びAPT/ITU相互接続性イベント(平成28年11月、タイ バンコク)に参加し、NICTからはNerveNet、可搬型EDFA、光ファイバ無線技術の研究成果についての展示を行うとともにNICTの研究活動についての講演を行った(図3 )。(3) G7情報通信大臣会合(平成28年4 月、高松)の会合運営や、2016年リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック競技大会でのVoiceTra実証実験(平成28年8 ~ 9 月、ブラジル リオデジャネイロ)に協力した。標準化推進室室長(兼務)  深堀 道子 ほか4名3.12.5国際標準化による研究成果の社会還元の推進