ブックタイトル情報通信研究機構年報

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概要

情報通信研究機構年報

25511.1 国立研究開発法人情報通信研究機構が達成すべき業務運営に関する目標を達成するための計画(第4期)11中長期計画、年度計画パラダイムシフト(設計思想等の劇的変化)に対応できるよう、異分野・異業種等を含む産学官連携を推進するとともに、機構の基礎体力となる基礎的・基盤的な研究にも取り組む。また、未開発周波数帯であるミリ波やテラヘルツ波を利用した通信システムの実現に向けて、フロンティア研究分野等とも連携しつつ、平成37年頃における100Gbps(ギガビット/秒)級無線通信システムの実現を目指したアンテナ技術及び通信システム設計等に関する研究開発を行う。さらに、海中・水中、深宇宙、体内・体外間等、電磁波の利用に課題を抱えている領域におけるワイヤレス通信技術の確立を目指して、電波伝搬特性の研究や通信システム技術に関する研究開発にも取り組み、模擬通信環境等における実証を行う。? フォトニックネットワーク基盤技術5 G及びそれ以降において予想される通信トラヒックの増加に対応するため、超大容量マルチコアネットワークシステム技術に関する研究開発を行う。また、急激なトラヒック変動や通信サービスの多様化への柔軟な対応を可能とする光統合ネットワーク技術及び災害発生時においてもネットワークの弾力的な運用・復旧を可能とする災害に強い光ネットワーク技術の研究開発に取り組む。ア 超大容量マルチコアネットワークシステム技術1 入力端子当たり1 Pbps(ペタビット/秒)級の交換ノードを有する超大容量マルチコアネットワークシステムに関する基盤技術として、マルチコア/マルチモードファイバを用いた空間多重方式をベースとしたハードウェアシステム技術及びネットワークアーキテクチャ技術の研究開発を行う。また、マルチコア/マルチモード・オール光交換技術を確立するため、終端や完全分離せずとも光信号のまま交換可能とするオール光スイッチング技術の研究開発に取り組む。さらに、マルチコアファイバ等で用いられる送受信機に必須の小型・高精度な送受信技術を確立するため、送受信機間の低クロストーク化等に関する研究開発を行う。加えて、更なる大容量化の実現に向けて、世界に先駆けた空間スーパーモード伝送基盤技術の確立を目指して、関連するハードウェアシステム技術の研究開発を行う。産学官連携による研究推進及び社会実装を目指したフィールド実証等によって各要素技術を実証し、超大容量マルチコアネットワークシステムの基盤技術を確立する。イ 光統合ネットワーク技術共通ハードウェアの再構成や共用化により、異なる通信速度・通信方式・データプロトコル処理を提供する光スイッチトランスポートノード基盤技術の研究開発を行う。また、1 Tbps(テラビット/秒)級多信号処理を可能とする光送受信及び光スイッチングシステム技術、時間軸・波長軸に対するダイナミックな制御を瞬時に行う技術及び関連するハードウェアシステム技術の研究開発を行う。これらの研究開発成果に基づき、機構内における実証実験及び産学官連携実験にて活用するテストベッドを構築する。産学官連携による研究推進及び構築したテストベッドによるフィールド実証等により各要素技術を実証し、光統合ネットワーク基盤技術を確立する。ウ 災害に強い光ネットワーク技術地震等の大規模災害発生時には、平時と異なる通信トラヒックへの対応が求められることから、通信網を支える光ネットワークの耐災害性向上に資する研究開発に取り組む。具体的には、災害発生時に生じた輻輳がネットワーク全体に波及することを阻止するため、時間軸上での動的な波長資源制御を実現する弾力的光スイッチング基盤技術を確立する。また、災害によって損壊した光ネットワークの応急復旧のため、ネットワーク制御機構の分散化技術や可搬型光増幅器構成技術等、災害後の暫定光ネットワーク構築に必要となる基盤技術の研究開発を行う。研究開発成果の社会実装を目指して、模擬フィールド実証及び部分的なシステム実装に取り組む。? 光アクセス基盤技術5 Gを超えた世代において大量な通信トラヒックを収容可能な光アクセス基盤を実現するため、光アクセスから光コアまでをシームレスにつなぐ光アクセス・光コア融合ネットワーク技術及びエンドユーザーへの大容量通信等を支えるアクセス系に係る光基盤技術に関する研究開発を行う。ア 光アクセス・光コア融合ネットワーク技術消費電力の増大を抑制しつつ、伝送距離×収容ユーザー数を現在比100倍以上とする超高速・極低消費電力の光アクセスネットワーク(固定・バックホール等)に係る基礎技術として、光アクセスネットワーク延伸化及び多分岐化技術や空間分割多重光アクセスネットワーク技術に関する研究開発を行う。また、超高速移動通信ネットワーク構成技術として、ネットワーク遅延最適化技術及び光・無線両用アクセス技術等に関する研究開発を行う。テストベッドを用いたシステム検証を行うことで、各要素技術を実証し、光アクセス・光コア融合ネットワークの基盤技術を確立