ブックタイトル情報通信研究機構年報

ページ
264/318

このページは 情報通信研究機構年報 の電子ブックに掲載されている264ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

情報通信研究機構年報

256する。イ アクセス系に係る光基盤技術小型・高精度な送受信機の実現を可能としつつ、光や高周波等の伝送媒体に制限されない光アクセスネットワークを実現する技術として、光と電磁波(超高周波等)を効率的に融合し、高密度かつ高精度な送受信・交換を実装するICTハードウェア基盤技術「パラレルフォトニクス」を研究開発する。また、アクセス系において、エンドユーザーに対する通信の大容量化及び広帯域センシング信号の低遅延化等を実現する技術として、光と超高周波を融合した100Gbps級データ伝送等のシステム技術「100Gアクセス」及び高速波形転送技術「SoF(Sensor on Fiber)」等を研究開発する。これらの研究開発成果に基づき、エンドユーザーに対する100Gbps級の高速データ伝送及び高速移動体等に対する10Gbps級のデータ伝送の産学官連携による社会実証を行うとともに、国際展開等にも取り組むことで、アクセス系に係る光基盤技術を確立する。? 衛星通信技術地上から宇宙に至るまでを統合的に捉えて、平時はもとより災害時における通信ネットワークを確保するため、国全体の宇宙開発利用に係る政策を踏まえつつ、高速化・大容量化を実現するグローバル光衛星通信ネットワーク基盤技術及び広域利用を可能とする海洋・宇宙ブロードバンド衛星通信ネットワーク基盤技術に関する研究開発を行う。ア グローバル光衛星通信ネットワーク基盤技術衛星通信の大容量化への期待の高まりや周波数資源逼迫の解決に応えるため、10Gbps級の地上-衛星間光データ伝送を可能とする衛星搭載機器の研究開発を行うとともに、通信品質向上等の研究開発を行う。また、海外の宇宙機関等とのグローバルな連携を行うとともに、世界に先行した宇宙実証を目指すことで国際的優位性を確保しつつ、グローバル光衛星通信ネットワークの実現に向けた基盤技術を確立する。イ 海洋・宇宙ブロードバンド衛星通信ネットワーク基盤技術ユーザーリンクにおける通信容量としてユーザー当たり100Mbps(メガビット/秒)級の次期技術試験衛星のためのKa帯大容量衛星通信システムを実現するため、非常時の地上系通信ネットワークの輻輳・途絶地域及び海洋・宇宙空間に対して柔軟・機動的にブロードバンド通信を提供する地球局技術や広域・高速通信システム技術の研究開発を行う。これにより、平成33年以降に打上げ予定の次期技術試験衛星による衛星通信実験のための、海洋・宇宙ブロードバンド衛星通信システムの実現に向けた基盤技術を確立する。1 - 3 .データ利活用基盤分野真に人との親和性の高いコミュニケーション技術や知的機能を持つ先端技術の開発により、国民生活の利便性の向上や豊かで安心な社会の構築等に貢献することを目指して音声翻訳・対話システム高度化技術、社会知解析技術、実空間情報分析技術及び脳情報通信技術の研究を実施する。これにより、人と社会にやさしいコミュニケーションの実現及び生活や福祉等に役立つ新しいICTの創出を目指す。? 音声翻訳・対話システム高度化技術音声コミュニケーション技術及び多言語翻訳技術に関する研究開発を行い、これらの技術の社会実装を目指すとともに、平成32年以降の世界を見据えた基礎技術の研究開発を進めることで、言語の壁を越えた自由なコミュニケーションの実現を目指す。ア 音声コミュニケーション技術2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会での社会実装に向けて10言語の実用的な音声認識技術を実現する。そのための研究開発として、①日英中韓の4 言語に関して2000時間程度の音声コーパス、その他の言語に関しては500時間程度の音声コーパスの構築、②言語モデルの多言語化・多分野化、③音声認識エンジンの高速化・高精度化、を行う。音声合成技術の研究開発に関しては、10言語の実用的な音声合成システムを実現する。一方、平成32年以降の世界を見据えた研究開発として、世界のあらゆる音声コンテンツをテキスト化する技術の実現を目指して、公共空間等雑音・残響のある環境下で言語の異なる複数人が発声した音声を認識する技術及び多言語の混合言語音声対話技術の研究開発を行う。イ 多言語翻訳技術自動翻訳の多言語化、多分野化技術を研究開発しつつ、並行して大規模な対訳データを収集し、多様な言語、多様な分野に対応した高精度の自動翻訳システムを構築する。特に、アウと連携して、訪日外国人観光客の急増に対応するため、生活一般での利活用を目的として、10言語に関して、旅行、医療、防災等の分野に対応した実用レベルの