ブックタイトル情報通信研究機構年報

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概要

情報通信研究機構年報

25711.1 国立研究開発法人情報通信研究機構が達成すべき業務運営に関する目標を達成するための計画(第4期)11中長期計画、年度計画音声翻訳システムの社会実装を目指した研究開発を行う。一方、平成32年以降の世界を見据えた研究開発として、翻訳処理の漸次化等同時通訳システムの基盤技術を確立するための基礎技術の研究開発を行う。また、自動翻訳システムの汎用化を妨げている対訳データ依存性を最小化するため、同一分野の対訳でない異言語データを利活用する技術と同義異形の表現を相互に変換する技術の研究開発を進める。ウ 研究開発成果の社会実装2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けてアイの研究開発成果を効果的・効率的に社会実装できるようにするために、協議会や研究センター等の産学官連携拠点の積極的運営により、①音声データや対訳データ、辞書等のコーパスを収集・蓄積・交換する仕組みの確立とコーパスの研究開発へのフィードバック、②社会実装に結びつくソフトウェアの開発、③社会実装に向けた特許等の知的財産の蓄積、④産学官のシーズとニーズのマッチングの場の提供、⑤人材交流の活性化による外部連携や共同研究の促進等に取り組み、研究開発成果の社会実装のための技術移転の成功事例を着実に積み上げることを目指す。? 社会知解析技術ネット上のテキスト、科学技術論文、白書等多様なタイプの文書から、社会に流通している知識(「社会知」)を解析する技術を開発し、社会の抱える様々な課題に関して、非専門家でも専門的知識に容易にアクセスでき、各種の意思決定において有用な知識を得ることのできる手段を実現する。このため、社会における問題の自動認識技術をはじめとして、それらの問題に関する有用な質問の自動生成技術、自動生成された質問に対して回答や仮説を発見する技術、回答や仮説等得られた情報を人間が咀嚼しやすいよう適切に伝える技術等、極めて知的な作業を自動化する社会知解析技術の確立を目指す。また、インターネット上に展開される災害に関する社会知をリアルタイムに解析し、分かりやすく整理して提供するための基盤技術の確立を目指す。さらに、実世界の観測情報を統合して、より確度の高い情報を提供する枠組みを確立する。加えて、これらの技術を実装したシステムを開発し、より適切な意思決定が短時間で可能となる社会の実現に貢献する。また、機構外の組織とも連携し、開発した技術の社会実装を目指す。? 実空間情報分析技術ゲリラ豪雨や環境変化等、社会生活に密接に関連する実空間情報を適切に収集分析し、社会生活に有効な情報として利活用することを目的としたデータ収集・解析技術の研究開発を行う。また、高度化された環境データを様々なソーシャルデータと横断的に統合し相関分析することで、交通等の具体的社会システムへの影響や関連をモデルケースとして分析できるようにするデータマイニング技術の研究開発を行う。さらに、これらの分析結果を実空間で活用する仕組みとしてセンサーやデバイスへのフィードバックを行う手法及びそれに有効なセンサー技術の在り方に関する研究開発を行うことで、社会システムの最適化・効率化を目指した高度な状況認識や行動支援を行うシステムを実現するための基盤技術を創出し、その開発・実証を行う。? 脳情報通信技術生活の向上や福祉等に役立つ新しいICTを創出するためには、情報の送受信源である人間の脳で行われている認知や感覚・運動に関する活動を高精度で計測する技術や、得られた脳情報をデコーディングやエンコーディングに効率的に活用する技術の確立が不可欠である。このため、以下の技術の研究開発に取り組む。また、社会展開を目指した研究開発成果の最大化のために、産学官連携により脳情報通信連携拠点としての機能を果たし、脳情報通信技術の創出に資する新たな知見獲得を目指す。ア 高次脳型情報処理技術子供から高齢者、健常者及び障がい者も含めた多様な人間のポテンシャルを引き出すために、脳内表象・脳内ネットワークのダイナミックな状態変化を捉える解析や脳機能の解明を進め、これを応用した情報処理アーキテクチャの設計、バイオマーカの発見等を行う。また、認知・行動等の機能に係る脳内表現・個人特徴の解析を行い、個々人の運動能力・感覚能力を推定・向上させる技術のみならず、社会的な活動能力を向上させる技術の研究開発を行う。さらに、製品やサービスの新しい評価方法等に応用可能な脳情報に基づく快適性・安全性の評価基盤の研究開発を行う。加えて、人の心に寄り添うロボット等の実現に貢献するために、視覚・聴覚情報等の変動による人の反応や脳情報の変化を記述する環境・反応データを収集し、環境変動による脳内の状態変化を解析・推定する基盤技術の研究開