ブックタイトル情報通信研究機構年報

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概要

情報通信研究機構年報

25911.1 国立研究開発法人情報通信研究機構が達成すべき業務運営に関する目標を達成するための計画(第4期)11中長期計画、年度計画環境及び模擬情報を用いたアトリビューション(原因特定)技術等の研究開発を行う。イ セキュリティ・テストベッド技術サイバーセキュリティ技術の検証及びサイバー演習等を効率的に実施するためのセキュリティ・テストベッドを構築する。また、物理ノードや仮想ノードを含む模擬環境構築運用基盤技術、模擬情報生成技術、模擬環境上のサイバー攻撃に関連したトラヒック等を観測及び管理するためのセキュリティ・テストベッド観測管理技術、サイバー演習支援技術等の研究開発を行う。? 暗号技術IoTの展開に伴って生じる新たな社会ニーズに対応するため、新たな機能を備えた機能性暗号技術や軽量暗号・認証技術の研究開発に取り組む。また、暗号技術の安全性評価を実施し、新たな暗号技術の普及・標準化に貢献するとともに、安心・安全なICTシステムの維持・構築に貢献する。さらに、パーソナルデータの利活用に貢献するためのプライバシー保護技術の研究開発を行い、適切なプライバシー対策を技術面から支援する。ア 機能性暗号技術従来の暗号技術が有する暗号化や認証の機能に加え、今後新たに生じる社会ニーズに対応する新たな機能を備えた暗号技術である機能性暗号技術の研究開発を行う。具体的には、暗号化したまま検索が可能な暗号方式、匿名性をコントロール可能な認証方式、効率的でセキュアな鍵の無効化や更新方式等の研究開発を行う。また、安心・安全で信頼性の高いIoT社会に貢献するため、コスト、リソース、消費電力等に制約のあるIoTデバイスにも実装可能な軽量暗号・認証技術に関する研究開発を行い、IoTシステムのセキュリティ・プライバシー保護に寄与する。イ 暗号技術の安全性評価日々進化する暗号技術に対する脅威に対抗するため、電子政府システムをはじめ国民生活を支える様々なシステムで利用されている暗号方式やプロトコルの安全性評価を継続して実施し、システムの安全性維持に貢献する。また、今後の利用が想定される新たな暗号技術に対しても安全性評価を実施し、その普及・標準化及びICTシステムの長期にわたる信頼性確保に貢献する。ウ プライバシー保護技術個人情報及びプライバシーの保護を図りつつ、パーソナルデータの利活用に貢献するために、準同型暗号や代理再暗号化技術等を活用し、データを暗号化したまま様々な解析を可能とする技術等の研究開発を行う。また、パーソナルデータ利活用におけるプライバシー保護を技術支援するため、ポータル機能の構築等の活動を行う。1 - 5 .フロンティア研究分野トラヒックや消費電力の爆発的増大、より一層困難になる通信や情報処理における安全性確保等の課題を抜本的に解決し、豊かで安心・安全な未来社会を支えるICTの基礎となる新概念や新たな枠組みを形作ることを目指す。このため、究極の原理に基づく量子情報通信技術、新しい原理や材料に基づく新規ICTデバイス技術、数十億年の歴史を持つ生物に学ぶバイオICT等のフロンティアICT領域技術の各研究課題において、先端的・基礎的な研究開発を行う。? 量子情報通信技術光や電子の量子力学的性質を利用し、既存のICTでは実現不可能な絶対安全で高効率な量子暗号通信等の量子光ネットワーク技術や、従来理論による情報通信容量の限界を突破する超高効率ノード処理を実現し、光通信、量子暗号通信等のネットワーク機能を向上させる量子ノード技術等、未来のICTに革新をもたらす量子情報通信技術の研究開発を行う。ア 量子光ネットワーク技術高い伝送効率・エネルギー効率を有し、将来にわたり盗聴・解読の危険性が無い安全性を確保する量子光ネットワークの実現に向けて、量子鍵配送で共有された暗号鍵を伝送装置からネットワークルーター、ユーザー情報端末までネットワークの各階層に安全に供給する量子鍵配送プラットフォーム構築・活用技術、伝送効率と安全性のバランスを適応的に設定可能な量子光伝送技術等の研究開発を行う。また、量子鍵配送プラットフォームを現在の通信インフラと融合させ、フィールド試験等により総合的なセキュリティシステムとしての実用性を検証する。さらに、光空間通信テストベッドにおいて量子光伝送技術の原理実証を行う。イ 量子ノード技術データセンターネットワーク等におけるノード処理の多機能化や超低損失・省エネルギー化をもたらす量子ノード