ブックタイトル情報通信研究機構年報

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概要

情報通信研究機構年報

26111.1 国立研究開発法人情報通信研究機構が達成すべき業務運営に関する目標を達成するための計画(第4期)11中長期計画、年度計画・ 研究開発等の取組・成果が社会課題・政策課題の解決につながるものであり、または、社会的価値の創出に十分に貢献するものであるか。・研究開発等の成果を社会実装につなげる取組(技術シーズを実用化・事業化に導く等)が十分であるか。2 .研究開発成果を最大化するための業務ICT分野における厳しい国際競争の中で、我が国のICT産業の競争力を確保するためには、研究開発から社会実装までの加速化を図ることが重要である。このため、従来のリニア型の研究開発ではなく、基礎研究段階の研究開発と同時に研究開発成果の検証も行うことによって研究開発成果の早期の橋渡し、市場投入を目指した技術実証に一体的に取り組み、一気に研究開発成果の実用化やビジネスモデルを踏まえたシステム化を目指すことが必要になっている。一方、社会経済の分野において世界最先端のICTを活用した新たな価値創造を実現するためには、機構の研究開発成果について、実用化前に異分野・異業種の利用者に利用してもらうことで広範なオープンイノベーションを創発することが必要であり、そのための社会実証の取組も重要となっている。また、機構の目的である研究開発成果の最大化という観点からも、産学官連携の強化等によるオープンイノベーションの一層の推進を図り、研究開発成果を実用化や標準化、国際展開、社会実装等に導くために取り組んでいくことが必要である。このため、1 .の「ICT分野の基礎的・基盤的な研究開発等」の業務と連携し、研究開発成果の普及や社会実装を常に目指しながら以下の取組を一体的に推進する。また、機構の研究開発により創出される直接的な成果の創出に加えて、我が国のICT産業の競争力確保も念頭に置いた戦略的・総合的な取組も推進する。2 - 1 .技術実証及び社会実証を可能とするテストベッド構築機構内外におけるICT関連研究開発成果の技術実証及び社会実証を推進するためのテストベッドを構築する。また、機構内外からのテストベッドの利活用を促進し、広範なオープンイノベーションを創発する。これらを実現するため、具体的には以下のような取組を行う。機構が有する研究開発テストベッドネットワーク、ワイヤレステストベッド、大規模エミュレーション基盤、複合サービス収容基盤等のテストベッドを融合し、IoTの実証テストベッドとしての利用を含め、技術実証と社会実証の一体的推進が可能なテストベッドとして運用する。また、テストベッドの円滑な利用促進を図る観点から、運営面において、機構内にテストベッドや施設等を集中的に管理する体制を整備し、テストベッド等の利活用を円滑に進めるためのテストベッド等に係る利用条件の整備や手続きを検討するとともに、広く周知広報を行うなどにより、利用手続処理を確実に実施し、テストベッド等の利活用を活性化させる。社会実証の推進においては、機構内にプライバシーのような社会的な課題、社会的受容性等の検証への対応方策等について検討する体制を整備し、社会実証の実施に当たって留意すべき事項に関するガイドライン等を作成する。さらに、最先端のICTを実基盤上に展開して実現性の高い技術検証を行う大規模実基盤テストベッドと、模擬された基盤を一部組み合わせることで多様な環境下での技術検証を行う大規模エミュレーション基盤テストベッドを構築するとともに、それらを相互に連携運営することにより、機構内外におけるICT関連研究開発成果の技術実証を推進する。大規模実基盤テストベッドでは、超高速通信環境において多様な通信に対応したネットワーク制御や大容量高精細モニタリング、分散配置されたコンピューティング資源及びネットワーク資源の統合化等の実証基盤技術を確立する。大規模エミュレーション基盤テストベッドでは、従来のICT機器に加え、IoT時代の基盤となるセンサーや情報端末、移動体を物理的・論理的に模擬することを可能とする実証基盤技術を確立する。なお、テストベッドの構築においては、フォーラムや研究会等の活動を通じ、外部利用者の実証ニーズを踏まえるとともに、機構内の他の研究開発の実証にも対応する。また、海外の研究機関等と連携し、テストベッド基盤の相互接続により国際的な技術実証を推進する。2 - 2 .オープンイノベーション創出に向けた取組の強化社会の潜在的ニーズを発掘するとともに最終的な成果を想定し、研究開発から社会実装までを一貫して戦略的に立案し、オープンイノベーションを目指した持続的な研究開発を推進する体制を整備する。これまでの組織体制の枠組みを越えて研究開発成果の融合・展開や外部連携を積極的に推進するため、機構内に「オープンイノベーション推進本部」を設置し、オープンイノベーション創出に不可欠なプロジェクトの企画や推進、フォーラムの運営等の業務を一元的に行う。