ブックタイトル情報通信研究機構年報

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概要

情報通信研究機構年報

262研究開発成果の最大化に向けて、機構が中核となってオープンイノベーションの創出を促進するため、テストベッド等を核としつつ、様々な分野・業種との連携や、研究開発拠点における大学等との連携強化を図る。そのため、産学官の幅広いネットワーク形成や産業界、大学等の研究ポテンシャルを結集し、委託研究、共同研究等の多面的な研究開発スキームにより外部の研究リソースを有効に活用し、戦略的に研究開発を促進する。また、ICT関連分野における産学官連携活動を推進するため、学会、研究会、フォーラム、協議会等の活動に積極的に取り組むとともに、機構自らがこのような活動を推進する。さらに、地域ICT連携による自治体や民間等への技術の社会実証・実装等の取組を通じて研究開発成果の社会実装事例を蓄積するとともに、オープンイノベーションの拠点として企業・大学・地域社会等の様々な分野・業種との人材交流を促し、幅広い視野や高い技術力を有する人材の育成・提供に取り組むことにより、オープンイノベーション創出につなげる。なお、平成28年度補正予算(第2 号)により追加的に措置された交付金については、「未来への投資を実現する経済対策」の一環として21世紀型のインフラ整備の推進のために措置されたことを認識し、多様な経済分野でのビジネス創出に向けた最先端人工知能データテストベッドの構築のために活用する。グローバルな視点でのオープンイノベーションの促進に取り組むため、連携関係のある海外の研究機関や大学等からなる研究ネットワークを形成し、多角的な国際共同研究を実施するためのプラットフォームの構築を図る。また、日欧共同公募、日米共同公募等のスキームにおけるグローバルな視点でのオープンイノベーションを目指すプロジェクトの創出や、国際標準等の成果の国際展開に取り組む。特に、ビッグデータ、AI、IoT、ロボット、ITS等の分野については、将来新たな価値を創造し、社会の中で重要な役割を果たすことが期待されるため、オープンイノベーション創出に向けた産学官連携に積極的に取り組む。この際、特に、研究開発をより効果的かつ効率的に進めていく観点から、政府の方針を踏まえつつ、他の国立研究開発法人等との間で研究開発成果の最大化を図れるよう、連携協力の一層強化に努める。健康・医療・介護・防災・減災等の分野をはじめとする社会・産業・科学等における利用ニーズや地域の活性化等の社会課題を戦略的に分析するとともに、様々な分野における研究開発成果として機構が保有する技術的な強みやデータ等を結集し、分野横断的・産業横断的な統合・融合によって相乗効果を発揮させる新たなシステムの創発に基づくサービス基盤の研究開発を行う。また、機構の研究開発成果を利用ニーズ等に結び付け、社会的受容性等を検証するための取組として、想定されるサービスの利用者や提供事業者と協同して社会実証実験等を実施し、そこで得られた知見を研究開発成果のテストベッド環境にフィードバックする。2 - 3 .耐災害ICTの実現に向けた取組の推進研究拠点機能及び社会実装への取組を更に強化するため、耐災害ICTに係る基盤研究、応用研究及びこれらの研究成果に基づく社会実装に向けた活動を連携して取り組む体制を整備する。また、耐災害ICTに係る研究開発の着実な推進及び研究拠点機能の強化に向けて、大学・研究機関等との共同研究等を通じて、外部研究機関との連携を強化する。さらに、研究開発成果の社会実装に向けて、地方公共団体を含めた産学官の幅広いネットワーク形成、耐災害ICTに係る知見・事例の収集・蓄積・交換、研究成果・技術移転等の蓄積及び地方公共団体等の利用者ニーズの把握のため、耐災害ICTに係る協議会等の産学官連携活動に積極的な貢献を行う。加えて、耐災害ICTに係る研究開発成果を活用した実証実験の実施、地方公共団体が実施する総合防災訓練等における研究開発成果の活用・展開及び災害発生時の円滑な災害医療・救護活動等に貢献するためのICTシステムの標準モデルやガイドラインの策定に関する取組等を通じて、耐災害ICTに係る研究開発成果の社会実装の促進を図る。2 - 4 .戦略的な標準化活動の推進ICT分野においては、様々な機関や組織で標準化活動が行われており、総務省、産学官の関係者、国内外の標準化機関等との連携の下、情報収集や関係者間での情報共有に努め、戦略的な標準化活動の推進を目指す。研究開発成果の利活用の促進を目指して、知的財産の戦略的な取扱いについても考慮しつつ、その成果をITU等の国際標準化機関や各種フォーラムへ寄与文書として積極的に提案するとともに、外部の専門家の活用や国内外の関連組織との連携協力を通じて、研究開発成果の国内外での標準化活動を積極的に推進する。機構は、ICT分野における専門的な知見を有しており、中立的な立場であることから、標準化に関する各種委員会への委員の派遣等を積極的に行い、国内標準の策定や国際標準化会議に向けた我が国の対処方針検討に貢献する。また、標準化に関するフォーラム活動、国際会議等の開催を支援することにより、研究開発成果の標準への反映や国際的な周知広報を推進し、我が国の国際競争力の強化を目指す。