ブックタイトル情報通信研究機構年報

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概要

情報通信研究機構年報

413繋ぐ●統合ICT基盤分野3.3 ワイヤレスネットワーク総合研究センター能、無線通信仮想化機能、データ結合機能を提案し、IEEE 802.15.10推奨方法として策定した。同技術仕様は、Wi-SUNアライアンスによって策定されたリソース制限型モニタ・管理用途(RLMM:Resource LimitedMonitoring and Management)認証仕様に反映されている。さらに、基本評価装置を整備し、実証評価を行った。また、電池駆動端末を想定する屋外環境等、超省電力動作のために、トポロジ形状・所要遅延特性に応じた同期・非同期マルチモード省電力多元接続方式等による適応的多元接続技術の研究開発を行った。本研究開発の一環として、農業/漁業用途に有効な各無線端末のスリープ状態を活用する省電力動作機能の仕様検討と基礎実証を完了した(図2(a))。さらに、無線端末メッシュ構造の適用範囲の拡大について、製造現場・工場における無線通信技術の有効な適用形態について検討を行い、狭・中広域メッシュ構造の統合によるカバレッジ連携技術を想定し、工場内における各種無線通信方式の適用形態モデル化のための基礎検討を実施した(図2 (b))。さらに、当該モデルについて、根幹となる制御手法の国際標準化を進め、当該モデルの円滑な社会展開を目的とする認証体制構築について検討した。3 .ワイヤレスネットワーク高信頼化技術では、災害発生時等に基地局が機能しない状況下で端末間で通信の継続利用が可能な高可用性ワイヤレスネットワーク技術として、インフラレス運用前提の端末間通信システム構築のための技術仕様を提案し、路線バスによる情報共有ネットワークへの適用実証を行った(図3 (a))。端末間通信においては、従来の基地局による集中的な無線アクセス制御を必要とせず、無線端末同士がアクセス制御を自律的に実施することで、データ衝突を低減した効率的な通信を実現している。加えて、ロボット等(ドローンを含む)で遠隔制御・協調制御に必要なレイテンシ保証型ワイヤレスネットワーク技術の研究開発を行い、マルチホップ制御通信システムと連携し、電波見通し外の地上四輪ロボットや小型無人機(ドローン)の飛行制御実証を行い、想定方式の基本設計を完了した(図3(b))。さらに、海中・水中通信、体内外通信を含む極限環境ワイヤレスの伝搬試験の実施、基礎方式について検討した(図3 (c))。得られた成果を国内制度化へ寄与するとともに、IEEE802、ICAO等を含む国際標準化にも、積極的に貢献し、成果移転先となり得る事業者や利用者を含む連携体制を構築、共同研究による成果の社会展開に向けて活動した。図3  ワイヤレスネットワーク高信頼化技術(a)端末間通信テストベッド、(b)ドローン遠隔制御実証、(c)海中伝搬実験自治体など屋上端末サイネージ端末センサ端末(a) (b) (c)開発した無線機地上走行ロボットやドローンをマルチホップで遠隔制御図2 ワイヤレスネットワーク適応化技術、(a)省電力無線機農業適用実証、(b)工場内無線適用実験