ブックタイトル情報通信研究機構年報

ページ
55/318

このページは 情報通信研究機構年報 の電子ブックに掲載されている55ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

情報通信研究機構年報

473創る●データ利活用基盤分野3.4 ユニバーサルコミュニケーション研究所月31日まで日本語ツイートの残り90%を無償で提供されることとなり、100%の日本語ツイートを用いたリアルタイムの分析サービスを提供した。その間、日本語ツイート全量に対しての分析能力などについて技術的検証も実施した。3 . 災害状況要約システムD-SUMMの試験公開(耐災害ICT研究センターとの共同開発)DISAANAの研究開発を通じて社会ニーズを調査した結果、発災時においては災害状況を要約するシステムが必要であるということが明らかとなり、開発を進めてきた災害情報要約システムD-SUMMをインターネットで公開して実証実験を開始した。本要約システムは800カテゴリ、2,800万語の災害オントロジー(意味カテゴリ辞書)に基づいてリアルタイムに被災報告を要約する世界初のシステムである。指定したカテゴリの情報のみを地図上に表示することで、把握したい情報を自由に組み合わせて、比較検討することを容易にしている。平成28年度東京都災害図上訓練においても利用され、東京都職員から「SNS情報の集約が重要な情報源であると認識できた」「今後は自治体職員がこうしたシステムを使いこなすことが重要だ」とのコメントを得たことで災害時の自治体ニーズを満たしていることを確認した(図3 )。4 . 画像解析技術の研究開発平成28年度から画像解析技術の研究開発を開始した。インターネット上でアクセス可能な画像の利活用を対象として、平成28年度は、特に観光支援と災害対策支援を念頭に置いて、画像状況コーパスの構築技術の研究と、画像状況を記述する技術の研究開発を行いつつ、画像ラベリングツールを開発して画像状況コーパスの構築を開始した(図4 )。図2 熊本地震におけるDISAANAへのアクセス数推移図3  平成2 8 年度東京都災害図上訓練においてD-SUMMを活用する東京都職員図4 画像ラベリングツール