ブックタイトル情報通信研究機構年報

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概要

情報通信研究機構年報

76■概要未来ICT研究所は、開設以来培った高レベルの基礎研究を基に、先端的研究・技術開発を行っている。平成28年度からは革新的材料、機能・原理、バイオ機能を活用した研究開発を行うフロンティア創造総合研究室と、研究成果をいち早く実用化へと導く量子ICT先端開発センター、グリーンICTデバイス先端開発センター及び深紫外光ICTデバイス先端開発センターという体制となった。未来ICT研究所では、人に優しい豊かな社会創造のため、長年培ったゆるぎない基盤を育みながら、社会のニーズや時代の変化にも柔軟に対応できる、発展的な基礎研究体制を進め、ICTイノベーションの創出を目指す。■主な記事1 研究室と3 センターが、それぞれ以下の研究項目を設定し、研究を進めている。研究成果の詳細は、各研究室・センターの報告を参照いただきたい。3.8.1 フロンティア創造総合研究室・高機能ICTデバイス技術の研究開発・高周波・テラヘルツ基盤技術の研究開発・バイオICTの研究開発3.8.2 量子ICT先端開発センター・量子暗号・物理レイヤセキュリティ技術の研究開発・量子ノード技術の研究開発3.8.3 グリーンICTデバイス先端開発センター・酸化ガリウム素子の研究開発3.8.4 深紫外光ICTデバイス先端開発センター・深紫外LED素子の研究開発未来ICT研究所では、産学官連携強化と研究加速を推進しているほか、研究成果の社会展開や地域貢献として、各種展示会への出展、ワークショップ・国際学会の開催、各種広報活動にも注力している。1 . 国際会議・シンポジウムの主催と産学官・国際の連携強化(1)IWQD2017を開催平成29年3 月6 ~ 8 日、千代田区一ツ橋の国立情報学研究所(NII)で、第4 回量子デバイスに関する国際ワークショップIWQD2017を共同開催した(国立情報学研究所、広島大学との共催)。量子デバイスを共通のテーマに据えた量子物理学と数理物理の境界領域国際ワークショップである。今回のIWQDは、世界的に注目が高まりつつある光と物質の(超)強結合を中心に、関連する量子情報技術全般をスコープに設定した。各発表者が最新の研究成果を持ち寄り参加者と共有するとともに、境界領域性の高いこの分野の今後の研究の方向性について熱心な議論が行われた(図1 )。(2)電気光学ポリマー応用技術研究会を開催平成28年10月27日、未来ICT研究所フロンティア総合創造研究室ナノ機能集積プロジェクトが中心となって、本研究所(小金井市)において第1 回電気光学ポリマー応用技術研究会を開催した。本研究会は、超高速光変調器や、高効率のTHz発生・検出器、光インターコネクトや光フェーズドアレイなどへの応用に期待が高まっている電気光学ポリマー研究において、研究者が課題とソリューションを共有することで、実用化研究へ向けた展開の加速を図るものとして企画された。研究会では電気光学ポリマー材料、プロセス研究、応用デバイス研究についての講演と活発なディスカッションが交わされ、今後の電気光学ポリマー研究の広がりを充分に期待させるものであった(図2 )。(3)2017年 生体運動研究合同班会議を共催平成29年1 月6 ~ 8 日の日程で、神戸国際会議場において、2017年 生体運動合同班会議を開催した(兵庫県立大学との共催)(図3 )。本会議は、生体システムのあらゆる階層の「動き」を対象とした研究に関する討論の場である。先端的なバイオ画像化技術、バイオ情報抽出技術に基づいた生化学的、数理科学的研究成果が未来ICT研究所研究所長  寳迫 巌3.8図1 IWQD2017講演会場の様子