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電子密度の大きな変動-電離圏嵐

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電離圏は、昼間、太陽のX線や紫外線によってイオンや電子が作られて、電子密度が増えます。夜になると、イオンと電子が結びついて、電子密度が減少します。普段は電子密度は毎日ほぼ規則正しく変化しています。ところが、地磁気嵐が起きると、電子密度が普段より大幅に高くなったり、逆に大幅に低くなったりします。これを電離圏嵐と呼びます。電子密度が大きく増える場合を、ポジティブストーム、大きく減る場合を、ネガティブストームと呼んでいます。ポジティブストームは、地磁気嵐によって加熱された極域から流れ出す風や、地磁気嵐に伴う電磁気的な力によって、電離圏が押し上げられて、高度の高い所にイオンや電子がたまって起こると考えられています。またネガティブストームは、極域の大気が加熱された時に、大気の分子成分が高い高度にまで押し上げられて広がり、イオンとの化学反応が起きてイオン密度を減らすためと考えられています。電離圏嵐の時の電子密度の変化は、電離圏全電子数やイオノゾンデの観測データで見ることができます。地磁気嵐に伴って、電子密度が増えるのか減るのか、またそれはどの程度なのかは、地磁気嵐以外にも、季節や地方時など他の様々な要因が複雑に関係しています。電子密度の変動の予測は、宇宙天気予報の重要な課題です。情報通信研究機構では、電離圏の観測データや数値シミュレーションによって、電離圏嵐の予報の研究を行っています。